オウンドメディアリクルーティングとは?メリットや始め方、成功事例を紹介

オウンドメディアリクルーティング

この記事は、当ブログのコンテンツ制作・編集ポリシーに沿って制作されています。

この記事でわかること
  • オウンドメディアリクルーティングの意味
  • オウンドメディアリクルーティングの効果
  • オウンドメディアリクルーティングの始め方や成功事例
伊藤寛規

この記事の著者伊藤 寛規

月間5,000万PV越えのWebサービス「mybest」でコンテンツ制作責任者を経験後、弁護士ポータルサイト「ベンナビ」のSEO担当として、コンテンツSEOやテクニカルSEO、新規メディア立ち上げ、CVR/CTR改善などに携わる。ユーザーファーストとSEO最適化を両立したコンテンツ制作が得意。

オウンドメディア運用コンサルタント紹介①渡邉志明

この記事の著者渡邉 志明(シュワット株式会社 代表取締役)

SEO記事制作代行会社の経営者。
これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。

近年、新たな採用手法として数多くの企業が取り組んでいるオウンドメディアリクルーティング。

オウンドメディア上でさまざまな採用コンテンツを発信することで、採用の間口が広がってエントリー数の増加が期待できます。また、自社をより深く知ってもらえる分、ミスマッチが少なくより意欲の高い人材を採用できる点もメリットです。

しかし、オウンドメディアの運用実績がない採用担当者からすると「どんなコンテンツを作成すべき?」「そもそもどうやって立ち上げるの?」などの疑問はつきもの。

そこで本記事では、オウンドメディアリクルーティングについて、概要から運用方法まで徹底解説。

作成すべきコンテンツや外注の方法まで紹介するので、これからオウンドメディアリクルーティングに取り組む採用担当者は必見です。ぜひ最後まで確認して、採用活動に役立ててください。

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目次

オウンドメディアリクルーティングとは

オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディア上で採用情報を発信することで、採用の応募やエントリーにつなげるリクルーティング手法のことです。「Owned Media Recruiting」の頭文字を取って「OMR」と呼ばれることもあります。

会社のホームページやコーポレートサイトとは別に、採用サイトなどを設けているものもオウンドメディアリクルーティングの一種です。

オウンドメディアリクルーティングでは、求人サイトなどを利用しない分、さまざまな情報を発信できます。

会社の雰囲気や働き方、企業理念や求める人材などをより詳しく知ってもらえるので、近年の働き方や会社の雰囲気などを重視する求職者のニーズともマッチしているのです。

オウンドメディアリクルーティングと求人サービスはどう使い分ける?

結論からお伝えすると、オウンドメディアリクルーティングと求人サービスによるリクルーティングは、同時に行うのが望ましいでしょう。

なぜなら、オウンドメディアリクルーティングと求人サービスによるリクルーティングはターゲットとする求職者層やコスト面、効果が出るまでの期間に大きな違いがあるからです。

オウンドメディアリクルーティングと求人サービスによるリクルーティングの違いは以下の通りです。

項目オウンドメディアリクルーティング求人サービスによるリクルーティング
一人あたりの採用コスト
会社情報の掲載自由制限あり
掲載期間自由制限あり
ターゲット顕在層潜在層潜在層
即効性

求人サービスでは、転職を考えている顕在層に効果的にアプローチできるため即効性が高く、すぐに人材を採用したい場合に向いています。

ただし、求人の掲載費用や採用が決まった際に年収の20%~40%ほどの手数料を支払う必要があり、コストがかかります。一方で、オウンドメディアリクルーティングでは、自社サイトに情報を掲載するため、掲載できる情報の制限がありません。

採用時のコストもかからないので、採用を急いでいない場合に向いているでしょう。

ただし、オウンドメディアリクルーティングでは、顕在層よりも潜在層向けに情報の情報発信が多い傾向にあります。そのため即効性は低く、今すぐ人材を採用したいというときには向かないでしょう。

例として、オウンドメディアリクルーティングと求人サービスは以下のように使い分けるのがおすすめです。

  • オウンドメディアリクルーティング:新卒採用や長期的な人材採用の際に利用
  • 求人サービス:今すぐ人材が欲しい部署や即戦力の人材が欲しいときに利用

求人サービスは一度掲載すればそこまで手間はかからないので、求人サービスに掲載しながらオウンドメディアリクルーティングを始めるのがよいでしょう。

オウンドメディアリクルーティングが”今”注目される理由

オウンドメディアリクルーティングは、近年多くの企業が取り組んでいます。
ここでは、なぜ今オウンドメディアリクルーティングが注目されているのかを解説します。

新卒・中途人材の採用が難しくなっている

オウンドメディアリクルーティングが注目される一つ目の理由は、新卒・中途に関わらず人材採用の難易度が上がっているからです。近年の日本は、少子高齢化によって必然的に優秀な人材の母数も少なくなっています。

就職・転職市場は、少ない母数を数多くの企業で取り合う「売り手市場」状態のため、企業が人材を選ぶ反面、求職者が企業を選ぶという側面が強いのが実情です。

求職者により企業の内情や魅力を知ってもらい、転職先として選んでもらうには、求人サイトへの情報掲載では不十分。自社サイトでより詳しく会社を知ってもらうことで、自社を選んでもらえる可能性も上がるでしょう。

また、オウンドメディアリクルーティングでは顕在層だけでなく、潜在層へのアプローチも可能。潜在層へ向けても情報を発信することで採用の間口が広がるため、採用難易度が高い現在においては、必須のリクルーティング戦略といえるでしょう。

働き方の多様化によって、求職者のニーズが変化している

オウンドメディアリクルーティングが注目される二つ目の理由は、働き方の多様化によって求職者のニーズが変化していることが挙げられます。

最近では、ワークライフバランスを重視する求職者が増えています。そのため、以前のように給料や勤務時間、業務内容などの最低限の情報だけでなく、より詳細な働き方などの情報が求められているのです。

また、仕事に対してお金を稼ぐことを重視していた価値観から「自分の価値や能力を発揮できること」や「自分の価値観に合う環境で働くこと」などを重視する人が増えたことも要因のひとつです。

企業理念や会社の考え方の発信など、現在の求職者のニーズにマッチしたリクルーティング手法が求められているといえるでしょう。

採用に関する情報収集の手段が増えている

オウンドメディアリクルーティングが注目される三つ目の理由は、求職者の情報収集の手段が増えていることが挙げられます。

最近では、転職サイトや転職エージェントで自分に合った求人を見つけた後、より詳細な情報を求めて企業のオウンドメディアを確認したり、「株主会社〇〇 採用」などと検索して求人を探したりする人も増えています。

多くの企業が自社で採用サイトを持ち、情報を発信していることで求職者の情報収集の幅も広がっているのです。

現在も転職サイトや転職エージェントを使う求職者がほとんどですが、求職者が能動的に情報収集をする際に会社を知ってもらうきっかけとしても、オウンドメディアリクルーティングは有効といえるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングのメリット

オウンドメディアリクルーティングには、以下のようなメリットがあります。

  • 求職者とのミスマッチを防げる
  • 自社の魅力や特徴をより詳しく伝えられる
  • 自社の認知度向上につながる
  • 採用コストを削減できる
  • 自社に対して意欲関心が高い社員を獲得できる
  • 転職潜在層にもアプローチできる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

求職者とのミスマッチを防げる

オウンドメディアリクルーティングの一つ目のメリットは、求職希望者とのミスマッチが減ることです。

オウンドメディアでは、自社の企業理念やバリュー、社風などの情報を詳しく配信できます。求人サイトでは掲載しきれない細かい情報まで発信できるので、ミスマッチを減らせるのです。

また、オウンドメディアでは掲載する求人数に制限がありません。同じ職種でも、リーダー候補枠・メンバー枠など、求めるスキルセットやレベルを分けて情報を掲載することで、求職者側も自分のスキルと合っているかどうかを確認しやすくなるでしょう。

自社の魅力や特徴をより詳しく伝えられる

オウンドメディアリクルーティングの二つ目のメリットは、自社の魅力や特徴をより詳しく伝えられる点です。

オウンドメディア上で掲載できる情報には、制限がありません。自社サイトなので当然ですが、何百ページでも採用コンテンツを配信できます。

写真や動画を用いて、オフィスツアーをしたり、社員インタビューをしたりすることで、より詳しく自社の情報や雰囲気を知ってもらえるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングで作成すべきコンテンツについては「オウンドメディアリクルーティングで必要なコンテンツの具体例」でも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

自社の認知度向上につながる

オウンドメディアリクルーティングの三つ目のメリットは、自社の認知度向上につながることです。

オウンドメディアで採用コンテンツや自社に関するコンテンツを配信すれば、「株主

会社〇〇 オフィス」「株主会社〇〇 働き方」などのキーワードでGoogle検索上位を獲得できる可能性が高いです。

少しでも自社に興味を持ってくれていたり、転職したい気持ちがあったりする人であれば、社員インタビューやオフィスツアーなどのコンテンツを通じて、自社のことを詳しく知ってもらえるきっかけにできます。

また、会社のホームページから採用コンテンツへの導線を設置したり、SNSアカウントで採用コンテンツを投稿したりすれば、潜在層へのアプローチも可能。求人サイトに掲載しているだけでは認知してもらえないユーザー層にも会社を認知してもらえる可能性があるでしょう。

採用コストを削減できる

オウンドメディアリクルーティングの四つ目のメリットは、採用コストの削減につながることです。

例えば、求人サイトや人材紹介サービスに登録する場合、以下のような費用が発生します。

人材サービスかかる費用
求人サイト20万円~300万円*掲載期間や採用対象によって異なる
人材紹介サービス採用する人材の年収の20%~40%

オウンドメディアで採用サイトを立ち上げる場合も、サイトの構築やコンテンツ作成に費用はかかりますが、立ち上げ初期にまとめて費用が発生する分、採用ごとにコストがかかったり、長期的に費用が発生することはありません。

必要なコンテンツを作り切ってしまった後は、軽微な修正や情報更新のみで済むので、高額な費用を払うことなく優秀な人材を採用できる可能性があるのです。

採用コストの削減がそのまま、オウンドメディアの費用対効果につながります。
どれくらいの費用対効果になるのか、計算方法などについては、「オウンドメディアの費用対効果|考え方や計算方法・効果を高めるコツまで」を参考にしてください。

自社に対して意欲関心が高い社員を獲得できる

オウンドメディアリクルーティングの五つ目のメリットは、自社に対して意欲関心が高い人材を獲得できることです。

オウンドメディアで発信するコンテンツは、基本的に”求職者が能動的に取得しにくる情報”です。

自社を知ったきかっけが求人サイトや人材紹介であったとしても、求職者自らが自社のオウンドメディアを調べて訪問しています。そのため、単に求人サイトやエージェントから紹介された求人に受動的に応募している求職者と比べると、意欲や関心は高いといえるでしょう。

採用側からすると、オウンドメディアから応募してくれた求職者とエージェントからの紹介で応募してきた求職者の印象は違うもの。求職者の線引きをする意味でもオウンドメディアリクルーティングは効果的といえるでしょう。

転職潜在層にもアプローチできる

オウンドメディアリクルーティングの六つ目のメリットは、潜在層へのアプローチが可能なことです。

転職サイトや人材紹介サービスでは、転職を検討している顕在層にしかアプローチができません。
一方、オウンドメディアでは、たまたまWeb検索で自社サイトや採用サイトに訪れるユーザーも存在します。

今は転職を考えていなくても、会社自体に興味を持ってらえれば、将来的なエントリーにつながる可能性もあるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングのデメリット

オウンドメディアリクルーティングには、メリットがある一方でデメリットも存在します。

オウンドメディアリクルーティングのデメリットは、以下の通りです。

  • 即効性が低く、短期的な効果は期待できない
  • 採用サイトの立ち上げや運用にコストがかかる
  • 人事部だけでなく、会社全体で取り組む必要がある
  • コンテンツ作成やSEOなどの知識が必要になる

それぞれのデメリットについて、以下で詳しく説明します。

即効性が低く、短期的な効果は期待できない

オウンドメディアリクルーティングのひとつ目のデメリットは、即効性が低いことです。

オウンドメディアリクルーティングでは、流入のほとんどを「株主会社〇〇 採用情報」「株主会社〇〇 給料」などの会社名の指名検索に頼ることになります。そのため、決して獲得できる流入数は多くありません。

また、求人サイトとは異なり、訪問ユーザーの中にはまだ転職を考えていない潜在層のユーザーも含まれます。そのため、「今年中に事業部を〇人まで増やしたい」など短期的な採用計画がある場合には、あまり向かない手法だといえるでしょう。

採用サイトの立ち上げや運用にコストがかかる

オウンドメディアリクルーティングを行うには、そもそもオウンドメディアが必要です。そのため、サイトの構築や採用コンテンツの作成に費用がかかります。

オウンドメディアの構築にかかる費用は、どの程度のサイトを作るかによっても変わりますが、デザインを作成したり、実装したりすることを考えると、最低でも数十万円~数百万円単位での費用がかかると思っておいたほうがよいでしょう。

オウンドメディアの構築・運用にかかる費用については「オウンドメディア構築~運用の費用相場|料金別特徴・節約ポイント」でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

人事部だけでなく、会社全体で取り組む必要がある

オウンドメディアリクルーティングの三つ目のデメリットは、会社全体で取り組む必要があることです。

オウンドメディアリクルーティングでは、会社に関する基本的な情報以外に現場社員の働き方や社風についてのリアルなコンテンツを作成して配信します。

そのため、作成するコンテンツによっては、現場社員にアンケートを取ったり、インタビューをしたりする必要があるでしょう。

採用サイトを立ち上げる際は、全社報などで協力を呼びかけるほか、採用サイトの立ち上げについてアナウンスするなど、現場社員からの協力を得るための工夫を忘れないようにしましょう。

コンテンツ作成やSEOなどの知識が必要になる

オウンドメディアリクルーティングの四つ目のデメリットは、コンテンツ作成やSEOに関するノウハウが必要な点です。

人事部の仕事は、面接対応や採用連絡、求人サイトやエージェントとのやり取りがメイン。コンテンツ作成やSEOに関して知識がある方がいないケースも多いでしょう。

しかし、オウンドメディアでリクルーティングを行う場合は、求職者のニーズに合ったコンテンツを作成することや、Googleの検索結果で上位を獲得することを目指すことになります。

人事部内でノウハウがない場合は、マーケティング部に協力を仰いだり、一時的に人員を確保する必要があることを覚えておきましょう。

なお、オウンドメディアのコンテンツ作成方法やSEO対策方法について詳しく知りたい方は、「オウンドメディアの記事作成完全ガイド|書き方のコツ・制作の流れ」や「オウンドメディアのSEO対策完全ガイド【2024年最新版】」を参考にしてください。

オウンドメディアリクルーティングの始め方

ここからは、オウンドメディアリクルーティングの始め方を紹介します。
オウンドメディアリクルーティングを始める手順は以下の通りです。

  1. オウンドメディアリクルーティングの目的を決める
  2. ターゲット・ペルソナを設計する
  3. 採用サイトの運用体制を整える
  4. 採用サイトを立ち上げる
  5. コンテンツを作成して公開する

それぞれの手順について、以下で詳しくみていきましょう。

オウンドメディアリクルーティングの目的を決める

まずはじめに、オウンドメディアリクルーティングの目的を決めましょう。「目的は人材を採用することじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、もう少し目的を細かく分解してみましょう。

例えば、オウンドメディアリクルーティングの目的は以下のように分解できます。

  • 求人サイトで自社に興味を持った人により詳しく自社について知ってもらう
  • 自社に強い共感を持った社員を採用する
  • 採用コンテンツを読んでから面接に臨んでもらう
  • 業務内容や一日の流れを掴んでから入社してもらう

単純に「人材を採用する」だけではなく、どんな人材が欲しいのかや、採用コンテンツをどうやって活用してほしいのかなどから逆算して考えてみましょう。

ターゲット・ペルソナを設計する

オウンドメディアリクルーティングの目的が決まったら、ターゲット・ペルソナを決めましょう。

ターゲットやペルソナは、できるだけ具体的に設定することが大切です。現職の業界や年齢、仕事に対してどんな価値観を持っているかなどを書き出してみましょう。

設定したペルソナに応じて、作成するコンテンツや配信する媒体が変わります。ペルソナ設定で悩んだら、自社の社員の中から理想的な社員を思い浮かべ、その社員の特徴や年齢を参考にするとよいでしょう。

採用サイトの運用体制を整える

次に、採用サイトの運用体制を整える必要があります。
どれくらいの規模のサイトにするかにもよりますが、採用サイトの運用には以下のような体制が必要になるでしょう。

  • 採用担当
  • 編集者・ライター
  • デザイナー
  • 記事入稿担当
  • 校正・校閲担当
  • カメラマン

全ての人員が必要になるわけではありませんが、採用サイトは会社の顔とも呼べる重要なサイトです。良いコンテンツを作成するためにも、特にデザイナーやカメラマンはアサインしておくのがおすすめです。

採用サイトを立ち上げる

オウンドメディアリクルーティングに取り組むことが決まったら、採用サイトを立ち上げましょう。

採用サイトの立ち上げ手順は以下の通りです。

  • 採用サイトを立ち上げる媒体を決める
  • デザインを作成する
  • サイトを構築する

オウンドメディアと一口にいっても、媒体はWebサイトやSNS、ブログツールなどさまざまです。自社の採用メディアとして最適な媒体はどれなのか、目的から逆算して考えてみましょう。

立ち上げる媒体が決まったら、デザインを作成して構築作業を行います。SNSやブログツールを利用する場合は、デザイン作成・構築作業は不要ですが、本格的なサイトを立ち上げる場合は、以下の費用がかかることを覚えておきましょう。

工程費用
デザイン作成数万円~60万円
サイトの構築20万円~100万円以上

また、オウンドメディアの立ち上げにはどんなに早くても2か月~3か月ほどの期間がかかります。サイトの立ち上げと同時にコンテンツ作成を進めるなど、効率的に動けるように準備しましょう。

コンテンツを作成して公開する

採用サイトの立ち上げが完了したら、いよいよコンテンツを作成して公開します。

一度公開したコンテンツは、資産としてサイト上に蓄積されますが、公開してから一定期間が経過したら流入状況やコンテンツ経由での応募状況などを分析してみましょう。

流入はあるのに応募につながっていない場合は、応募ボタンの位置やデザインを変えるなど、改善をするのもよいでしょう。

オウンドメディアの立ち上げ方について詳しく知りたい方は、「オウンドメディア立ち上げ手順の全工程|構築・制作の費用と成功事例」を参考にしてください。

オウンドメディアリクルーティングで必要なコンテンツの具体例

ここからは、オウンドメディアリクルーティングにおいて必要なコンテンツの具体例を紹介します。

オウンドメディアリクルーティングで必要なコンテンツは主に以下の6つです。

  • SEO記事
  • 社員インタビュー
  • 社長インタビュー
  • 会社のミッション・ビジョン・バリュー
  • オフィスツアー
  • 社内イベントの紹介
  • 働き方に関する社内調査

それぞれのコンテンツの内容や効果について、以下で詳しくみていきましょう。

SEO記事

SEO記事とは、Googleの検索結果で上位表示を目指すための記事のことです。

オウンドメディアリクルーティングにおけるSEO記事では、「営業 面接対策」「営業 給料」「介護士 給料」「タクシードライバー なり方」など、転職サイトや求人サイトが集客元としているキーワードで検索上位の獲得を目指します。

本来は転職サイトが上位を獲得しているキーワードで、自社のオウンドメディアも上位表示できれば、自社採用サイトからの直接応募につながる可能性も。

転職サイトやエージェント経由での採用には、手数料として採用する人材の年収の2割~4割を支払わなければなりません。しかし、直接応募であれば、手数料は発生しないので、採用コストをかなり削減できるでしょう。

仮に、年収400万円の社員を年間で10人採用したとすると、オウンドメディア経由での採用と人材サービス経由での採用では、採用コストに以下の差が生まれます。

応募経路費用
人材サービス1,600万円(400万円×40%×10人)
オウンドメディア0円

オウンドメディアの立ち上げや運用には費用がかかりますが、人材を採用できてしまえば立ち上げ・運用にかかる費用を回収するのも難しくはありません。

SEO記事は、特に直接応募につながりやすいコンテンツなので、積極的に作成するとよいでしょう。

社員インタビュー

オウンドメディアリクルーティングでは、社員インタビューコンテンツの作成も効果的です。現場の社員のリアルな声を求職者に届けられるので、表面的なアプローチではなく、より強く訴求できるでしょう。

社員インタビューでは、最低でも以下のポイントをコンテンツに盛り込むとよいでしょう。

  • なぜこの会社で働いているのか
  • この会社で働くことのメリット・やりがい
  • 働いていて辛いと思ったこと、大変なこと
  • 上司や同僚との関係性

辛いと感じたことや辞めたいと感じたことがある社員には、「なぜ辞めないことを決めたのか」など、ポジティブな内容につながるようにインタビューすることを意識しましょう。

社員紹介は、多くの求職者が面接前に目を通すコンテンツです。文面だけではなく、写真や動画を交えることで、人物像や雰囲気が伝わりやすくなるでしょう。

社長インタビュー

社員インタビューと近いコンテンツとして、社長インタビューの作成もおすすめです。

社長インタビューでは、会社のトップとして大切にしていることやどんな人材を求めているか、会社の生い立ちやこれからの展望などを、社長目線での考え方をコンテンツとして発信します。

会社のトップが考えていることを発信することで、考え方や目指している会社像に共感する人材からの応募に期待できるでしょう。

会社のミッション・ビジョン・バリュー

オウンドメディアでは、会社のミッション・ビジョン・バリューについて発信することも大切です。

会社が目指していることや実現したいこと、提供したい価値などを明記することで、事業や考え方、目指している価値観に共感している人材からの応募に期待できるでしょう。

また、事前に情報を発信することで、採用担当者が面接の際に自社のミッションやビジョン、バリューについて質問することも可能。自社についてどれくらい調べてから面接に臨んでいるかなど、求職者の熱量を確認する材料にもできるでしょう。

オフィスツアー

採用サイトでは、オフィスツアーのコンテンツを配信するのもおすすめです。

2022年に株式会社アーバンプランが行った調査では、就職活動をする就活生のうち8割が企業選びでオフィス環境を重視すると回答しています。

きれいなオフィスで快適に業務ができるかやオフィスが便利かどうかは、求職者も気になるところ。執務室はもちろん、会議室やエントランスなどを写真付きで紹介することで、実際に働くイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。

社内イベントの紹介

自社の社風や雰囲気をより詳しく知ってもらうために、社内イベントの様子をコンテンツとして発信するのもおすすめです。

全社会議や社員旅行、忘年会など会社ではさまざまなイベントが行われますよね。社員が楽しそうにイベントに参加している様子が伺えれば、求職者に良い印象を与えられるでしょう。

ただし、最近では飲み会やイベントごとが苦手な人も増えています。発信する情報に偏りが出ないように注意しましょう。

働き方に関する社内調査

自社の社員に向けて、働き方やオフィス満足度などのアンケート調査を行い、結果をコンテンツとして配信するのもよいでしょう。

平均残業時間や仕事中の服装などは、転職サイトや求人サイトにも記載されていますが「全社平均だと残業が少ないように見えるだけでは?」「部署によって違うのでは?」と、実際のところどうなのか気になる求職者も多いはず。

部署ごとに調査を行い、残業時間のボリュームゾーンやスーツ・私服の割合、年代ごとの社員数などをまとめることで、よりリアルな働き方を知ってもらえるでしょう。

社内アンケートでは、以下のような項目を調査するのがおすすめです。

  • 男女比
  • 年齢・年代比
  • 新卒入社・中途入社の割合
  • 在籍年数別の割合
  • 部署別の人数割合
  • 月間残業時間の割合
  • 集金時の服装の割合
  • 前職の業界
  • リモート勤務・出勤の割合
  • オフィス満足度

そのほかにも会社ごとにアピールしたいポイントを洗い出してアンケートの項目に含めるとよいでしょう。

オウンドメディアリクルーティングの成功事例

ここからは、オウンドメディアリクルーティングの成功事例を4つ紹介します。
ぜひ自社の参考になる部分を見つけてくださいね。

タクシーコラム|平和交通株式会社

タクシーコラム|平和交通株式会社
出典:タクシーコラム

平和交通株式会社は、オウンドメディア内で採用情報を発信し、リクルーティングにつなげています。

最大の特徴は、「タクシーコラム」という形でタクシードライバーやトラック運転手に関するSEO記事を作成している点。実際に「タクシードライバー 平均年収」というキーワードで検索2位を獲得しており、リクルーティングに大きく貢献していると考えられます。

オウンドメディアリクルーティングの事例紹介

そのほかにも、社員インタビューや福利厚生に関する情報が充実しており、応募前に求職者が自社について詳しく知れるようになっています。

NYLE ARROWS|ナイル株式会社

NYLE ARROWS|ナイル株式会社
出典:NYLE ARROWS

「NYLE ARROWS」は、Webマーケティング支援を行うナイル株式会社が運営する採用サイトです。

会社のカルチャーや新しい福利厚生、事業の成長など自社に関するさまざまなコンテンツを配信しており、応募前から会社のことをかなり詳しく知ることができます。

NYLE ARROWSの事例

特徴的だったのは、「人と組織のレポート」。働いている社員に対してアンケート調査を行い、働き方や社員の実態をコンテンツとして発信しています。

実際の離職率や育休取得率など、気になる情報を詳しく発信しており、求職者も安心してエントリーできる工夫がされています。

マイべ通信|株式会社マイベスト

マイべ通信|株式会社マイベスト
出典:マイべ通信

「マイべ通信」は、おすすめ比較サービスを運営する株式会社マイベストが運営するオウンドメディアです。
名前の通り、マイベストに関するさまざまな情報を発信しています。

マイべ通信の事例

特徴的なのは、自社のコンテンツ作成に関してかなり詳細に情報を発信している点。コンテンツ作成で大切にしているポイントや作成の流れを紹介することで、採用はもちろん、ブランディングにも貢献していると考えられます。

そのほか、オフィスツアーなどのコンテンツが充実している点も魅力的。快適なオフィスで仕事ができることがわかれば、応募のハードルもぐっと下がるでしょう。

株式会社クラシコム

株式会社クラシコム
出典:株式会社クラシコム

「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムは、自社サイト内にさまざまな採用情報を掲載しています。

最も特徴的なのは、職種ごとの一日の流れや仕事内容を動画で発信していること。密着型の動画で、実際の仕事内容をイメージしやすいように工夫されています。

株式会社クラシコムの事例

そのほかにも、全社会議の様子や事業担当者へのインタビュー記事など、”働く人”に関する情報が充実しています。

一緒に働く人を重視しているからこその情報発信がされており、求職者も自分に合っている環境かどうか確認しやすいでしょう。

オウンドメディアリクルーティングで成果を出すコツ

オウンドメディアリクルーティングに取り組む場合、必ず成果を求められます。
いち早く成果を出すために、ここではオウンドメディアリクルーティングのポイントをいくつか紹介します。

適切な目標を設定する

オウンドメディアリクルーティングに取り組む際は、適切な目標を設定することが大切です。

目標を設定するには、何を成果とするかどうかを決める必要があるので、オウンドメディアリクルーティングの目的から逆算して考えてみましょう。

目的別の目標設定や成果とする指標の例は以下の通りです。

目的成果指標目標
潜在層へのアプローチ自然検索セッション自然検索経由で5,000セッション
優秀な中途人材の獲得自然検索セッション
エントリー数
自然検索経由で5,000セッション
月間応募者数5件
採用率の向上面接通過率
内定辞退率
面接通過率を10%改善
内定辞退率を10%まで下げる

また、目標を設計する際はより具体的な数値まで落とし込み、期限を設けることが大切です。特に、オウンドメディアを立ち上げたばかりの場合、フェーズに分けて目標を設定することで、段階的にメディアを成長させることができるでしょう。

オウンドメディアにおける目標設定については「オウンドメディアのKPI設定|指標や具体例、目標設定の流れを解説」でも解説するので、ぜひ参考にしてください。

定期的に効果検証・改善を行う

オウンドメディアリクルーティングを行ううえでは、設定した目標や作成したコンテンツの分析・改善も非常に重要です。

仮に目標が「応募件数を増やす」というものだった場合でも、コンテンツに問題があるのか、応募フォームに問題があるのかでは実施する施策は大きく異なります。

効果測定を行う指標を複数設け、どこに問題があるのかを分析することで、より効率的にPDCAを回すことができるでしょう。

採用サイトの立ち上げ初期は外注も検討する

オウンドメディアリクルーティングでいち早く成果を出すには、コンテンツの作成やメディア運用を外注することも検討しましょう。

オウンドメディアリクルーティングには、通常人事部が行わないSEOやマーケティング、メディア運用の知識が必要になります。人事部内で体制を整えるのが難しいこともあるでしょう。

その点、運用や記事作成を代行すると以下のようなメリットを得られます。

  • 社内にノウハウ・リソースがなくても運用を始められる
  • プロのノウハウを活用するため、最短で成果を出せる
  • 社内のノウハウ蓄積に役立つ
  • 社内体制を整えるまでの契約も可能

外注と聞くと、単に外部に業務を依頼するだけのように聞こえますが、外注先の企業はコンテンツ作成やメディア運用のプロです。自社にノウハウがない場合は、外注依頼を通じてノウハウを蓄積することも可能。プロのノウハウを活用する分、成果が出るまでのスピードも速いでしょう。

また、企業によっては数か月単位での契約も可能なので、立ち上げ初期や社内体制が整うまでの間だけ外注することもできます。

契約内容や実績をよく確認し、信頼できるパートナーを見つけて外注することも検討しましょう。

なお、外注先の探し方や費用については「記事外注のやり方|マニュアル作成方法&外注化の成功ポイントまで」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

自社HPがない会社がオウンドメディアリクルーティングを手軽に始める方法

オウンドメディアリクルーティングに興味があっても、オウンドメディアを立ち上げたり、運用したりする予算がないというケースもあるでしょう。

しかし、自社のホームページがない場合でも、手軽にオウンドメディアリクルーティングを行う方法はあります。オウンドメディアに近い形で、リクルーティングができる2つのサイトを紹介します。

Wantedly|自社の採用サイトに近いコンテンツを配信可能

Wantedlyでは、各企業ごとにページを所有でき、会社の基本情報はもちろん、インタビュー記事や求人情報を自由に掲載可能です。

Wantedlyというプラットフォームを活用するため、オウンドメディアを新しく立ち上げるよりも費用を抑えられるでしょう。

また、求職者の登録者も多く、直接スカウトをしたり、面談・応募につなげることも可能です。

ただし、登録している求職者はどちらかというと若手や新卒が多い印象です。登録企業もベンチャー企業やIT企業が多いため、事業内容によっては求める人材が少ないと感じることもあるでしょう。

note|採用に関わらず自社のオウンドメディアとして活用可能

国内最大級のメディアプラットフォーム「note」は、記事コンテンツを中心に、さまざまな情報発信が可能です。

最大のメリットは、無料のアカウント登録だけで簡単に自社ページを作成できること。作成できるコンテンツ数や文字数に制限はないので、自社の魅力を余すことなく発信できます。

また、リクルーティングに限らず、オウンドメディアとしてリード獲得や既存顧客への販促などの施策を実施できるのも特徴です。

サイトデザインの自由度は低いものの、オウンドメディアとして活用できる幅はかなり広いといえます。

なお、noteをオウンドメディアとして活用する方法については「noteはオウンドメディア化できる?メリット・デメリットを解説」でも紹介します。無料でオウンドメディア運用を始めたい方は、ぜひこちらもチェックしてください。

まとめ

本記事では、オウンドメディアリクルーティングについて、今注目される理由やメリット・デメリット、成果を出すためのポイントなどを紹介しました。

オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアを活用して自社に関する情報を発信することで、顕在層はもちろん、潜在層の求職者へもアプローチが可能です。即効性はないものの、継続的に取り組むことで採用コストを削減できるので、近年では多くの企業が取り組んでいます。

しかし、オウンドメディアリクルーティングには、SEOやメディア運用、マーケティングの知識が必要です。社内にノウハウがない場合は、運用やコンテンツ作成の外注も検討すべきでしょう。

記事作成代行ウルトラでは、オウンドメディアの運用から記事作成まで幅広く支援が可能です。これまで2,000記事以上を作成し、数多くのキーワードで検索上位を獲得した実績から、リクルーティングで成果を出すサポートをさせていただきます。

また、SEO記事のほかにもインタビュー記事の作成にも対応しています。オウンドメディアの運用から記事の作成まで、ぜひお気軽にご相談ください。

オウンドメディアの運用にお困りではないですか?
  • オウンドメディアを立ち上げたいがノウハウが全くない
  • 戦略的にオウンドメディア運用をしたい
  • 高い成果を創出したい

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この記事を書いた人

1997年生まれ。SEOマーケター。
月間5,000万PV越えのWebサービス「mybest」でコンテンツ制作責任者を経験後、弁護士ポータルサイト「ベンナビ」のSEO担当として、コンテンツSEOやテクニカルSEO、新規メディア立ち上げ、CVR/CTR改善などに携わる。ユーザーファーストとSEO最適化を両立したコンテンツ制作が得意。