Ahrefsが分析、AI Overview引用元の76%は検索上位10位以内!従来のSEOの重要性が再確認される

大手SEO分析ツール「Ahrefs」が、GoogleのAI Overviewsが引用するウェブサイトに関する分析結果を発表しました。それによると、AI Overviewsに引用されるページの実に76%が、従来のGoogle検索結果で上位10位以内(1ページ目)にランクインしているページであることが判明しました。

このデータは、LLMO(大規模言語モデル最適化)が新たなマーケティングの潮流である一方で、依然として従来のSEOがその基盤として極めて重要であることを明確に示唆しています。

目次

調査結果

調査結果では、以下の3つの重要なポイントが示されています。

  1. AIの参照元の約76%は、「上位10位以内」から
  2. AIが引用したページの9.50%は、検索順位で11位から100位の間に位置する
  3. AIが引用したページの14.40%が、検索結果にすら表示されない(100位以下)ページ

調査結果から読み取れること

この結果から読み取れることは以下の通りです。

  • SEOは引き続き重要&そもそもLLMOでの成功にSEOは欠かせない
  • SEOとユーザーを一切意識しない形でLLMOを成功させる手法も可能か

SEOは引き続き重要

Ahrefsの調査結果が示す76.10%という数字は、LLMが情報の信頼性を判断する上で、従来のGoogle検索ランキングをかなり参照していることの明確な証拠とも言えます。

これは、LLMOが完全にSEOとは切り離された新しい領域ではなく、むしろ既存のSEOの土台の上に成り立っていることを強く示唆しています。

LLMは、ハルシネーション(誤情報生成)のリスクを避けるため、信頼性の高い情報源を優先的に学習・引用します。Googleの検索アルゴリズムは、長年にわたりE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を軸に、「ユーザーにとって最も役立つ、信頼できる情報」を上位表示するよう洗練されてきました。したがって、検索上位に位置するページは、すでにGoogleの厳しい品質基準をクリアし、「信頼できる情報源」としてのお墨付きを得ていると言えます。

故に、AIは自身の回答の正確性を担保するため、Googleが「信頼できる」と評価したウェブサイトを主要な情報源として活用するのは当然とも言えるのです。

質の高いコンテンツ作成、被リンクの獲得、信頼性の証明といったSEOの基本は、AIにスムーズに情報収集してもらい、その信頼性を裏付ける上で不可欠な要素であり、LLMOとSEOは切り離せない関係にあることを理解しておきましょう。

SEOを一切意識せずLLMOを成功させる手法も可能か(現状推奨されないが)

一方で、AIが引用したページの14.40%が、検索結果にすら表示されない(100位以下)ページという点にも注目す®と、SEOを一切意識せずLLMOを成功させる手法が将来的に出てくる可能性も考えられます。(ただし、現状メリットはあまりなく実施は推奨されませんが…。)

実際、OpenAIの創設チームのAndrej Karpathy氏は、LLMが情報収集の主要な手段となる未来では、考え方を転換し、「LLMのためだけにコンテンツを公開する」ことが重要になるかもしれないという指摘をしています。

つまり、これまでSEOで重要だったユーザーのためのコンテンツではなく、「ユーザーには一切表示されずLLMだけに表示されるコンテンツ」をWebサイトに公開し、LLMOを行う将来があるかもしれません。

このことについては、博報堂も以下のように述べています。

企業は、検索アルゴリズムで拾われるコンテンツを作るのではなく、データプロバイダーのようにデータを提供するという考え方に改める必要がある

引用:博報堂の「メディア環境研究所フォーラム2025」より

LLMOでは、AI専用のサブドメインをWebサイトに構築し「ユーザーではなくAIにデータを提供するためのコンテンツを公開する」そんな未来があるかもしれません。

結論:現段階ではSEOとLLMOのハイブリッド戦略が最適解

SEOやユーザーを一切意識しないLLMOが必要になる可能性も示唆しましたが、現段階ではSEO経由のトラフィックが圧倒的なため、あまりメリットはありません。

また、LLMOがSEOの延長線上で行える以上、LLMOとSEOどちらも意識したハイブリッド戦略が最適解ではないでしょうか。

なお、2028年にはAI経由のトラフィックが既存の検索経由のトラフィックを上回るとも予測されており、LLMOを実施せずSEOだけに取り組むというのもナンセンスです。

私たちシュワット株式会社でもそうした背景から、LLMOコンサルティングサービス提供時はSEO的な成功も同時に実現することをサービスのポリシーとしています。気になる方はぜひ以下よりチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

渡邉志明のアバター 渡邉志明 代表取締役

1995年生まれ。早稲田大学卒。
弊社代表。これまで多数のWebメディア立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。複数の大規模サイトのSEO責任者を歴任。
近年は、LLMOをはじめ、AIを活用したデジタルマーケティングの強化やAIによるマーケティング業務の効率化支援も行っている。

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