CDNとは?基礎知識やSEO効果、改善方法などを徹底解説

CDNとは?

この記事は、当ブログのコンテンツ制作・編集ポリシーに沿って制作されています。

Webサイトを閲覧するうえで表示速度は非常に重要です。

この表示速度を向上させる非常に有効な手段の一つとして「CDN」が挙げられます。

CDNとは、Content Delivery Networkの略で、Webサイトのコンテンツを効率的に配信するためのネットワークのことです。

より具体的には、Webサイトの画像や動画などのコンテンツを、ユーザーから物理的に近くのサーバーから配信することで、表示速度を向上させ、サーバーへの負荷を軽減する仕組みのことを指します。

CDNはやや難しい技術ですが、この記事ではその基礎知識から効果、SEOへの影響、導入方法を誰にでもわかるように解説しております。

Webサイトの表示速度を上げたい方、SEOに取り組む方にとって役立つ情報となっておりますので、ぜひ記事を最後まで読んで理解を深めてくださいね。

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目次

CDNとは

CDN(Content Delivery Network)とは、Webサイトのコンテンツをユーザーへ高速かつ安定して配信するためのネットワークです。

より具体的には、Webサイトの画像や動画などのコンテンツを、ユーザーから物理的に近くのサーバーから配信することで、表示速度を向上させ、サーバーへの負荷を軽減する仕組みのことを指します。

CDNの概念図

近年、技術の進化に伴い、動画配信やオンラインゲーム、ECサイトなど、大容量のデジタルコンテンツをインターネット上で効率的に配布する必要性が高まっています。

CDNは、こうしたニーズに応えるために、米国Akamai社が提唱した技術で、現在では多くの有名サービスや企業で広く利用されています。

例えば、Abemaがワールドカップの中継をした際、アクセスが急増しましたが、ほとんど止まらずに配信できたのはこのCDN技術のおかげです。

参考:サッカーW杯、ネット中継を支えるアカマイのCDN|大量アクセスでも落ちない舞台裏を聞いた

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CDNの仕組み

CDNによる「高速表示の仕組み」と「サーバー負担軽減の仕組み」を見ていきましょう。

CDNが高速表示を実現する仕組み

CDNは、Webコンテンツを閲覧するユーザーと、コンテンツを提供するオリジンサーバーの間に配置される複数のエッジサーバーを利用します。

ユーザーがWebコンテンツにアクセスする際、通常はオリジンサーバーに直接リクエストを送信します。

しかし、オリジンサーバーが遠かったり、アクセスが集中したりすると、コンテンツの配信速度が低下します。

そこでCDNを導入すると、ユーザーからのリクエストは最も近いエッジサーバーにリクエストが振り分けられます。

エッジサーバーはユーザーの近くにあるため、アクセスを分散し、データ転送の物理的な距離が短縮されるので、コンテンツを迅速に提供できるのです。

CDNではエッジサーバーを経由する

また、エッジサーバーはコンテンツをキャッシュ(一時的に保存)しています。

同じコンテンツへのリクエストがあった場合、オリジンサーバーに再度取りに行く必要がなく、キャッシュから即座に配信可能です。

これにより、表示速度が大幅に向上し、ユーザーはストレスなくWebサイトを閲覧できるようになります。

CDNがサーバー負担を軽減する仕組み

Webサイトのサーバーは、アクセスが集中すると大きな負荷がかかり、最悪の場合ダウンしてしまうリスクがあります。

特に、

  • OSのアップデート配布時
  • 多くのユーザーが一斉にアクセスするニュースサイト
  • 動画配信サイト など

上記のようなケースでは、サーバーパンクのリスクが高まります。

CDNは、オリジンサーバー(元のサーバー)にあるコンテンツのコピー(キャッシュ)を世界中に分散配置された多数のエッジ(キャッシュ)サーバーに保存。ユーザーからのリクエストがあった際、直接オリジンサーバーにアクセスさせるのではなく、ユーザーに最も近いエッジ(キャッシュ)サーバーからコンテンツを配信します。

これにより、オリジンサーバーへのアクセス集中が避けられ、負荷が大幅に軽減されます。

アクセスを複数のサーバーに分散させるロードバランサーと似ていますが、CDNはユーザーに近い場所から配信することで、サーバー負荷軽減と同時に表示速度向上というユーザー側のメリットも同時に実現できる点が特徴です。

また、CDNは広帯域の転送にも優れており、大量のアクセス集中に強い仕組みと言えます。

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CDN導入によるSEO対策への効果

CDNを導入することで、WebサイトのSEOに間接的ながらも大きな効果が期待できます。

主なSEO効果は以下の通りです。

  • 表示速度改善による間接的な評価向上
  • 安定したサーバー稼働によるクロール率向上
  • コアウェブバイタル(Core Web Vitals)改善による直接的な評価向上

それぞれに関して詳しく解説していきますね。

表示速度改善による間接的な評価向上

CDNを導入することで、Webサイトの表示速度を大幅に改善できます。これはSEOにおいて非常に重要な要素です。

まず、当然ですが表示速度が遅いサイトは、ユーザー満足度が低いです。

Googleではページの読み込み時間が1秒から3秒になると、離脱率が32%増加するというデータが公開されています。
逆に、高速なサイトはユーザーの離脱を防ぎ、滞在時間の延長やページビュー数、コンバージョン率の向上に貢献します。

Googleは検索順位を決定するにあたって、ユーザーの即離脱率や滞在時間といった行動データの良し悪しを一つの評価基準にしています。

そのため、表示速度が速くユーザーの行動データが良好なWebサイトは、Googleからの評価も高まり、検索結果で上位表示される可能性が高まるのです。

渡邉

CDNによる表示速度の改善は、モバイルファーストインデックスの観点からも重要です。

安定したサーバー稼働によるクロール率向上

Webサイトの表示速度が遅く、サーバーに高負荷な状態が続くと、検索エンジンのクローラーがサイトを巡回しづらくなることがあります。

なお、クローラーとは、検索エンジンが世界中のWebサイトの内容を読み取るために巡回させているロボットのようなものです。

クローラーはサーバーへの負荷を考慮して巡回するため、速度が遅いサイトではクロール頻度を下げることがあります。

CDNを導入すると、サーバーが安定稼働し、クローラーがいつでもスムーズにサイトにアクセスできるようになります。

特に、頻繁に情報が更新されるサイトでは、クロール率の向上がSEOに大きく貢献します。
そのため、CDNの導入によって得られるSEO効果も大きいです。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)改善による直接的な評価向上

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは、Googleがユーザー体験を評価する上で重要視している指標で、直接的な検索順位決定要因として用いられています

CDNの導入は、このコアウェブバイタルのスコアを大きく改善する可能性があります。

コアウェブバイタルを構成する主な3つの指標とCDNの関連性は以下の通りです。

指標意味CDNとの関連性
LCP(Largest Contentful Paint)ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間CDNによるコンテンツ配信の高速化は、特に画像などの大きなリソースの読み込みを早め、LCPの改善に直接的な効果をもたらします。
FID(First Input Delay)ユーザーが最初に操作(クリックなど)をしてからブラウザが応答するまでの時間JavaScriptファイルの配信がCDNによって高速化されることで、ブラウザがスクリプトの処理を早く開始でき、FIDの向上につながります。
CLS(Cumulative Layout Shift)ページを閲覧している最中に、意図しないレイアウトのズレがどれくらい発生したかCDNによりリソースが効率的に読み込まれることで、レイアウトのズレが減少し、安定した表示が可能となりCLSの改善が期待できます。

このように、CDNはコアウェブバイタルのの各指標に良い影響を与え、結果として検索エンジンからの直接的な評価向上につながります。

モバイルSEOへの効果

Googleは、2018年7月からページの表示速度をモバイル検索におけるランキング要素として使用しています。

同時に、「モバイルファーストインデックス(検索順位を決定する際、PC版ではなくモバイル版のコンテンツを評価対象にする)」を標準としている観点からも、モバイル環境での表示速度はSEOにおいて非常に重要です。

CDNは、特に通信環境が不安定なモバイルユーザーに対して、Webサイトの表示速度を大幅に改善する効果が期待できます。

CDNのモバイルSEOへの影響

CDNがモバイルSEOに効果的な理由

理由詳細
不安定な通信環境への対応モバイルユーザーはデスクトップユーザーに比べ、通信速度が遅かったり不安定だったりすることがあります。CDNはユーザーに最も近いサーバーからデータを配信するため、このような環境でもデータの転送距離が短縮され、高速な表示が可能になります。
ユーザー体験(UX)の向上表示速度が速いことは、モバイルユーザーの離脱率低下やエンゲージメント向上につながります。これはGoogleが評価するユーザー体験(UX)の重要な要素であり、間接的に検索順位に良い影響を与えます。
多様な通信環境への対応5Gが普及しつつありますが、4G以下の回線を使用しているユーザーもまだ多くいます。CDNは様々な通信速度に対応し、幅広いユーザーに快適な閲覧体験を提供できます。

これらの点から、CDNの導入はモバイル環境でのパフォーマンス向上に貢献し、モバイルSEOにおいて有利に働きます。

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CDNのデメリット

CDN導入には、以下のようなデメリットも存在します。

  • キャッシュミスのリスク
  • キャッシュ期間内のファイル更新の問題点

それぞれ見ていきましょう。

キャッシュミスのリスク

CDNのメリットである高速表示は、コンテンツがエッジサーバーにキャッシュされていることが前提です。

しかし、リクエストされたコンテンツがキャッシュされていない「キャッシュミス」が発生する場合があります。

キャッシュミスが起きると、CDNはコンテンツをオリジンサーバー(元のサーバー)から取得しに行くため、通常よりもレスポンスに時間がかかり、速度向上の効果が十分に得られません。

特に初回アクセスや、キャッシュの有効期限が切れた後、あるいはキャッシュ対象外と設定されたコンテンツでミスは発生しやすいです。

また、キャッシュ設定に誤りがあると、意図しないコンテンツがキャッシュされてしまう「キャッシュ事故」につながるリスクもあります。例えば、本来ユーザーごとに異なるべき情報(会員情報など)が誤ってキャッシュされ、他のユーザーに表示されてしまうといった事態です。

これは個人情報漏洩などの深刻な問題に発展する可能性があります。

キャッシュミスやキャッシュ事故を防ぐためには、キャッシュ対象ファイルやキャッシュ期間の設定、そして定期的な監視が重要です。

キャッシュ期間内のファイル更新の問題点

CDNでは、コンテンツをエッジサーバーに一時的に保存(キャッシュ)して配信します。

このキャッシュには期間が設定されており、設定期間中はオリジンサーバーへのアクセスが発生しません。
これによりサーバー負荷は軽減されますが、同時にファイル更新に遅延が生じる可能性があります。

具体的には、キャッシュ期間中にオリジンサーバーでコンテンツを更新しても、エッジサーバー上のキャッシュが更新されるまで、ユーザーには古い情報が配信され続けてしまいます。特に速報性の高い情報や、誤った内容を修正した場合など、迅速な反映が必要な場面では問題となります。

例えば、キャッシュ期間を30分に設定している場合、更新した情報がユーザーに届くまで最大30分かかる可能性があります。これは、競合サイトがリアルタイムで情報を更新している場合、情報の鮮度で劣る原因となり得ます。

問題点説明
情報反映の遅延キャッシュ期間内はオリジンサーバーの更新がエッジサーバーに反映されない
鮮度の低下特に速報性が重要なコンテンツで、競合サイトに遅れる可能性がある
誤情報配信リスク誤った内容を修正しても、キャッシュが残っている間は古い情報が表示される

この問題に対処するためには、キャッシュ期間の設定を適切に行うことや、必要に応じて手動でキャッシュをパージ(削除)するなどの運用が必要になります。

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CDN導入の流れ

CDNの導入は、はじめに利用するCDNサービスを選択し、その後DNS設定を変更してサイトの通信をCDN経由に切り替えることで行います。

大まかなステップは以下の通りです。

STEP

CDNサービスの選定

まず、どのCDNサービスを利用するかを決めます。

それぞれ料金体系や機能、設定のしやすさが異なります。

サービス名特徴
Cloudflare無料プランがあり、設定が非常に簡単なため初心者におすすめ。セキュリティ機能も充実。
Amazon CloudFront (AWS)AWSの他のサービスと連携しやすく、細かい設定が可能。使った分だけ支払う従量課金制。
Fastly高度なキャッシュ設定やリアルタイムでのログ分析が可能で、大規模なメディアサイトなどで利用実績が豊富。
Akamai世界最大手の老舗CDN。非常に高性能・高機能ですが、比較的高価で大規模サイト向け。

各サービスについてさらに詳しくは、記事後半「おすすめのCDNサービス」で解説しています。

STEP

アカウント作成とサイト登録

選んだCDNサービスでアカウントを作成し、CDNを適用したいサイトのドメイン(例:example.com)を登録します。

STEP

オリジンサーバーの設定

CDNがコンテンツを取得しにいく、あなたのウェブサイトが実際に置かれているサーバー(オリジンサーバー)の情報を設定します。

通常、サイトのドメインを登録すると自動でIPアドレスなどを検出してくれます。

STEP

DNS設定の変更(最も重要)

CDNを有効化するための最も重要なステップです。

ここでサイトへのアクセスをCDN経由に切り替えます。

注意

設定を間違えるとサイトが表示されなくなる可能性があるため、慎重に作業してください。多くのCDNサービスでは、設定変更前に一時的なテスト用URLが提供されるので、それで事前確認すると安全です。

方法はやや専門的な内容になるので、記事後半「CDN導入時のDNS設定方法」で解説しています。

STEP

動作確認とキャッシュ設定

DNS設定がインターネット全体に反映されると(数分〜最大72時間)、サイトへのアクセスがCDN経由になります。

ブラウザの開発者ツールなどを使い、HTTPレスポンスヘッダにCDN関連の情報(例:Cloudflareならcf-cache-status)が含まれているかを確認します。

問題なく動作していれば、ファイルのキャッシュ期間(TTL)などを最適化していきます。

CDNの料金体系

CDNの料金体系は、サービスによって大きく異なりますが、主に以下のモデルに分けられます。

料金体系特徴メリットデメリット
無料枠+従量課金一定の利用量までは無料で、それを超えた分だけ料金が発生する。・個人や小規模サイトは無料で始めやすい
・使った分だけの支払いで無駄がない
・アクセスが急増すると料金が高額になる可能性
・コストの予測がしにくい
月額固定(プラン制)毎月決まった料金を支払い、プランに応じた機能やデータ転送量の上限が設定されている。・毎月のコストが明確で予算を立てやすい
・上位プランほど機能やサポートが充実
・利用量が少ない月でも固定費がかかる
・上限を超えると追加料金や速度制限の可能性
完全従量課金基本料金がなく、データ転送量やリクエスト数に応じて全ての利用分が課金対象となる。・使った分だけの支払いで無駄がない
・アクセス変動の大きいサイトに対応しやすい
・無料枠がないため、少しでも使うと料金が発生
・コストの予測がしにくい

また、従量課金において主な課金対象は下記の2項目です。

  • データ転送量(トラフィック量):CDNサーバーからユーザーへ配信されたデータの総量(GBやTB単位)。これが料金の大部分を占めます。
  • リクエスト数:ユーザーがコンテンツを要求した回数(HTTP/HTTPSリクエスト)。

料金体系が理解できたら、次は具体的なサービスの料金や特徴を見ていきましょう。

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おすすめCDNサービスの特徴や費用

おすすめCDNサービスは以下の通りです。

  • Cloudflare(クラウドフレア)
  • Amazon CloudFront (AWS)
  • Fastly
  • Akamai
  • さくらのウェブアクセラレータ(さくらインターネット)

それぞれの特徴や費用を見ていきましょう。

Cloudflare(クラウドフレア):CDNの代名詞

Cloudflare(クラウドフレア)
出典:Cloudflare(クラウドフレア)

Cloudflare(クラウドフレア)は、CDNの代名詞とも言われており、個人ブログから大企業まで、世界で最も広く利用されているサービスです。

無料プランと設定の簡単さが最大の魅力で、CDN導入の第一歩として最適です。

項目詳細
✅ メリット・強力な無料プランがある
・データ転送量が原則無料
・導入が非常に簡単
・豊富なセキュリティ機能が無料で使える
⚠️ デメリット・無料プランのサポートは限定的
・高度なキャッシュ制御は有料プランから
💰 料金プラン・Free:$0/月
・Pro:$20~$25/月
・Business:$200~$250/月
👤 こんな人におすすめ・初めてCDNを導入するすべての人
・コストをかけずにサイトを高速化・安定化させたい個人や中小企業
・難しい設定は苦手で、手軽に始めたい方

Amazon CloudFront (AWS):AWSとのシームレスな連携

Amazon CloudFront (AWS)
出典:Amazon CloudFront

Amazon CloudFront は、クラウド界の巨人Amazon Web Services (AWS) が提供するCDN。

AWSの他のサービスとのシームレスな連携と、大規模な無料利用枠が特徴の、信頼性と拡張性に優れたサービスです。

項目詳細
✅ メリット・大規模な無料利用枠(毎月1TBのデータ転送)
・AWSの他サービスとの高い親和性
・高い信頼性とパフォーマンス
・柔軟な従量課金制
⚠️ デメリット・AWSの管理コンソールに慣れていないと設定がやや難しい
・アクセス急増時にコストが高額になる可能性があり、管理が必要
💰 料金プランの目安・料金体系:無料枠+完全従量課金
・データ転送料(日本):約$0.11/GB~
・費用例:月間1TBの転送までは無料
👤 こんな人におすすめ・すでにAWSを利用してサイトを構築している方
・月間数十GB~数百GB程度のトラフィックがあり、コストを最適化したいサイト
・将来的なアクセス増にも柔軟に対応できる拡張性を求めるビジネス

Fastly:パフォーマンス追求型のCDN

Fastly
出典:Fastly

Fastlyは、パフォーマンス追求型のCDN。

リアルタイム性と高いカスタマイズ性を武器に、大規模なニュースサイトや動画配信プラットフォームなど、速度が命のサービスに絶大な支持を得ている開発者向けのCDNです。

項目詳細
✅ メリット・瞬時のキャッシュクリア(Instant Purge)機能
・VCL言語による高いカスタマイズ性
・リアルタイムのログと分析機能
・動的コンテンツ配信にも強い高いパフォーマンス
⚠️ デメリット・月額$50程度の最低利用料金があり、個人にはハードルが高い
・高度な機能を引き出すには専門知識が必要
・サポートやドキュメントは英語が中心
💰 料金プランの目安・料金体系:従量課金(最低利用料金$50/月~)
・費用:最低でも月額数千円から。大規模サイトでは月額数十万円以上。
👤 こんな人におすすめ・大量のトラフィックを捌く必要がある大規模メディアサイトやECサイト
・コンテンツの更新頻度が非常に高く、リアルタイム性が求められるサービス
・パフォーマンスを極限まで追求したい開発チーム

Akamai:世界最大級の配信ネットワーク

Akamai
出典:Akamai

Akamaiは、CDNという概念を創り出した草分け的存在であり、世界最大級の配信ネットワークを誇ります。

金融機関や政府機関も利用する、信頼性とセキュリティを最重要視する大企業向けのサービスです。

項目詳細
✅ メリット・圧倒的な信頼性と長年の運用実績
・最高レベルのエンタープライズ向けセキュリティ
・専門家による24時間365日の手厚いサポート体制
⚠️ デメリット・非常に高価で、中小企業には不向き
・導入や運用が複雑で、専門知識が必須
・料金や詳細な機能がウェブサイトで非公開
💰 料金プランの目安・料金体系:完全個別見積もり
・費用:一般的に月額数十万円〜数百万円以上。
👤 こんな人におすすめ・絶対に止まることが許されないミッションクリティカルなシステムを持つ大企業・金融機関、政府機関、グローバル企業など
・予算よりも安定性とブランド保護を最優先する組織

さくらのウェブアクセラレータ(さくらインターネット):日本語での手厚いサポートとシンプルな料金体系

さくらのウェブアクセラレータ
出典:さくらのウェブアクセラレータ

さくらのウェブアクセラレータは、日本の大手レンタルサーバー会社「さくらインターネット」が提供する国産CDN。

国内配信に強く、日本語での手厚いサポートとシンプルな料金体系が魅力です。

項目詳細
✅ メリット・申し込みからサポートまで、すべて安心の日本語対応
・データ転送量のみのシンプルな料金体系(リクエスト課金なし)
・初期費用・月額固定費が無料で始めやすい
・国内配信に強い
⚠️ デメリット・機能はグローバルCDNと比較してシンプル
・海外への配信パフォーマンスは専門サービスに劣る可能性
💰 料金プランの目安・料金体系:従量課金(データ転送量のみ)
・データ転送料:5.5円/GiB (約5.1円/GB)
・費用例:月間100GB利用した場合、約510円/月。
👤 こんな人におすすめ・サイトの主なターゲットが日本国内のユーザーである方
・英語での設定やサポートに不安があり、日本語で安心して利用したい方
・さくらのレンタルサーバをすでに利用している方
・複雑な機能は不要で、シンプルに表示速度を改善したい方

おすすめサービスについてのまとめ・比較表

ここまでのおすすめCDNサービスについて比較表にまとめました。

サービス名ターゲット料金体系の目安設定の容易さパフォーマンス主な特徴
Cloudflare個人〜大企業無料〜非常に簡単転送料金が原則無料、導入が圧倒的に楽
CloudFront中小〜大企業無料枠(1TB)+従量課金やや難しいAWS連携、大規模無料枠
Fastly中小〜大企業(開発者)$50/月〜難しい◎◎リアルタイム性、高いカスタマイズ性
Akamai大企業数十万円/月〜非常に難しい◎◎圧倒的な信頼性とセキュリティ、手厚いサポート
さくらのウェブアクセラレータ個人〜中小企業数百円/月〜簡単安心の国内産、日本語サポート、シンプルな料金

また、ニーズ別でおすすめのサービスは下記の通りとなっています。

  • コストをかけずに手軽に始めたいなら → Cloudflare
  • AWSがメインで無料枠も活用したいなら → Amazon CloudFront
  • パフォーマンスを極限まで追求したいなら → Fastly
  • 信頼性と実績を最優先する大企業なら → Akamai
  • 国内向けで日本語サポートが必須なら → さくらのウェブアクセラレータ

まずは無料プランのあるCloudflareなど取り入れやすいサービスから試してみて、その効果を体感してみるのがおすすめです。

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CDN導入時の注意点とその対策

上記で解説したCDNの導入に際して、起こりうる課題とその解決方法を解説していきます。

キャッシュ関連

CDN導入において、キャッシュは高速化の要ですが、いくつか注意すべき点があります。

課題説明対策
古いコンテンツの表示サイト更新後も、ユーザーに古いキャッシュが表示されることがあります。(キャッシュミス)CDNのキャッシュパージ機能で強制的にキャッシュを更新します。
キャッシュ期間内の更新キャッシュの有効期限が長い場合、更新内容がすぐに反映されないことがあります。キャッシュの有効期限を短く設定できますが、パフォーマンスに影響する可能性があります。
動的コンテンツのキャッシュユーザーごとに内容が異なるページ(ログイン情報など)をキャッシュすると、情報が混在するリスクがあります。動的コンテンツはキャッシュ対象から除外するか、適切なHTTPヘッダー(Cache-Control)を設定します。
キャッシュ設定の複雑さURLパターンやクッキーなど、詳細な設定が必要になる場合があります。多くのCDNサービスが提供するカスタマイズ機能を活用します。

これらの課題を理解し、適切に設定することで、CDNのメリットを最大限に活かすことができます。

SSL/TLS設定に関する注意点

CDN導入において、HTTPS環境での適切なSSL/TLS設定は非常に重要です。

特に独自SSL証明書を利用している場合は、CDN側での連携設定が必要となります。

多くのCDNサービスでは無料のSSL証明書を提供していますが、EV証明書のような特別な証明書を使用している場合は追加の対応が必要になることがあります。

また、混在コンテンツ(HTTPSページ内にHTTPで配信される画像やCSSなどのリソースが含まれる状態)が発生しないよう注意が必要です。混在コンテンツはブラウザの警告表示やコンテンツのブロックにつながり、ユーザー体験を損なうだけでなく、SEO評価にも影響を与えかねません。

CDN導入時には、すべてのリソースがHTTPSで配信されるように設定を確認しましょう。多くのCDNには、HTTPからHTTPSへの自動リダイレクト機能や、混在コンテンツを自動修正する機能が備わっていますので、これらの機能を活用するのが有効です。

国際サイトでのCDN最適化

国際サイトを運営する場合、ターゲットとする国や地域ごとにCDNを最適化することが重要です。特に複数の言語バージョンを持つサイトでは、ユーザーの所在地に基づいて適切な言語のコンテンツを配信する必要があります。これにはCDNのジオロケーション機能が役立ちます。

また、国際サイトでは各国の法規制にも注意が必要です。

  • EUのGDPR
  • 中国のインターネット規制

など、地域によってデータ保護やコンテンツに関する規制が異なります。

CDNプロバイダーの中には、特定の地域のコンプライアンス要件に対応したサービスを提供しているところもありますので、サイトのターゲット地域に合わせたプロバイダーを選ぶことが大切です。

モバイルとデスクトップの最適化バランス

CDNを導入する際、モバイルとデスクトップで異なる最適化が求められる場合があります。一般的に、モバイルユーザーはデスクトップユーザーよりも通信環境が不安定であったり、画面サイズが小さかったりします。

そのため、モバイル向けには以下のような最適化が有効です。

項目詳細
画像サイズの最適化モバイル画面に合わせたより小さな画像を配信する。
スクリプトの遅延読み込み表示に必須でないJavaScriptの実行を遅らせる。
モバイル専用キャッシュ設定モバイルデバイスからのアクセスに対して、より積極的なキャッシュ設定を行う。

多くのCDNサービスでは、デバイスの種類を判別し、それぞれに最適なコンテンツや設定を適用する機能を提供しています。これにより、デスクトップでは高品質なコンテンツを、モバイルでは高速表示を優先するなど、両方のデバイスでユーザー体験を最大化することが可能です。

しかし、設定が複雑になる場合もあるため、導入前に利用するCDNサービスが提供する機能や設定方法を十分に確認することが重要です。

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CDNに関するよくある質問

CDNにはセキュリティ機能が搭載されていますか?

はい。多くのCDNには高度なセキュリティ機能が搭載されています。

DDoS攻撃対策やWAF、通信暗号化(SSL)機能により、様々なサイバー攻撃からサイトを保護。攻撃が自社のサーバーに届く前にインターネットの玄関口でブロックするのが大きな利点です。

CDNは単なる高速化ツールではなく、サイト運営に不可欠な総合セキュリティ基盤にもなっています。

WordPressサイトへのCDN導入方法を教えて

WordPressサイトでも、基本的にCDN導入の流れは同じですが、プラグインを活用できる点が異なります。

CDNサービスと契約し、DNS設定を行ったら、各CDNサービスが提供するWordPressプラグインを活用することで簡単に連携が可能です。

まとめ

この記事では、CDN(Content Delivery Network)の基礎知識からSEO効果、具体的な導入方法、そして導入後の課題解決までを網羅的に解説しました。

CDNは、Webコンテンツをユーザーに最も近い場所にあるエッジサーバーから配信する仕組みです。

これにより、オリジンサーバーへの負荷を大幅に軽減し、Webサイトやアプリケーションの表示速度を向上させることができます。特にアクセスが集中する大規模なサービスや、動画・ゲームなどの大容量コンテンツ配信においてその威力を発揮します。

CDNは表示速度改善を通じてSEOに貢献するだけでなく、安定したサービス提供にも不可欠な技術です。

自サイトの状況に合わせて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

渡邉 志明(SEOニキ)のアバター 渡邉 志明(SEOニキ) シュワット株式会社|代表取締役

これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。SEOディレクターとして600以上のコンテンツで検索1位を獲得した実績を持つ。POSレジなどのITツール導入支援もしている。