リードナーチャリングとは?代表的な手法や成果を上げるポイントを解説

リードナーチャリング完全ガイド

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「リードは集まっているのに、なかなか受注につながらない…」
「メールを送っても反応が薄く、商談に進まない…」

そんな悩みを抱えて、リードナーチャリングという言葉を調べている方も多いのではないでしょうか。

リードナーチャリングとは、見込み顧客との関係性を継続的に築き、購買意欲を高めていく取り組みのこと。

獲得したリードを放置せず、適切なタイミングと方法で情報提供を行うことで、自然な商談・受注につなげることができます。

しかし、「具体的にどんな手法があるのか」「成果を出すにはどう進めるべきか」といった疑問を持つ方も少なくありません。

本記事では、リードナーチャリングの定義から実施方法、成果を上げるためのポイントや成功事例までを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、見込み顧客との関係性を継続的に築きながら、商品・サービスの購入意欲を高めていくBtoBマーケティングにおける重要な施策のひとつです。

リード(見込み顧客)は、獲得後すぐに商談⇒受注につながるものもありますが、同時にすぐには商談や受注にいたらないリードも多く存在します。

こうしたリードをただ眠らせておくのはもったいないので、その後の継続的なコミュニケーションによって「この会社に相談してみよう」と思ってもらうことで、受注数を増加させることができます。

渡邉

実際、弊社の新規受注売り上げのうち30%は、過去の非商談化客・失注客をリードナーチャリングして商談に結び付け、受注にいたったものです。

また、BtoB領域では、意思決定に時間がかかるケースが多く、商談済みのリードに関しても“育てる”プロセスを経ることで受注率向上に結び付けられます。

たとえば、メールマガジンやホワイトペーパー、事例コンテンツ、セミナーなどを通じて、少しずつ信頼を築くことで、顧客の購買意欲や自社の想起率を高めていくことが重要です。

「ナーチャリング」と「リードナーチャリング」の違い

「ナーチャリング(nurturing)」とは、もともと“育成する・育てる”という意味の言葉で、マーケティングに限らず幅広い分野で使われます。

一方で「リードナーチャリング」は、あくまで見込み顧客(=リード)を育てるという、マーケティング領域に特化した用語です。

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

用語意味対象使用される分野
ナーチャリング育成・関係性構築顧客、社員、子どもなど広範囲マーケティング・人材育成など
リードナーチャリング見込み顧客との関係を育てて購買につなげる見込み顧客(リード)BtoBマーケティング

「ナーチャリング=広い概念」「リードナーチャリング=マーケティング用語」と覚えておくと理解しやすいでしょう。

マーケティングにおけるリードナーチャリングの役割・位置づけ

BtoBマーケティングでは、見込み顧客を獲得してから受注に至るまで、複数のプロセスを経るのが一般的です。

その中でも、リードナーチャリングは「関係性の構築と購買意欲の育成」という重要な役割を担っています。

マーケティング全体の流れは以下のように整理できます。

  1. リードジェネレーション:見込み顧客を獲得する
  2. リードナーチャリング:獲得したリードと関係を築く
  3. リードクオリフィケーション:受注につながりそうなリードを見極める
  4. 商談
  5. 契約・受注
  6. 継続利用

リードナーチャリングは、リードジェネレーションで得たリードを、クオリフィケーションへとつなげる「橋渡し」のような存在です。

単にリードを集めるだけではなく、商談化・受注までの流れを見据えて、リードの関心を徐々に高めていく施策が求められます。

リードジェネレーションとは

リードジェネレーションとは、見込み顧客(リード)を新たに獲得するためのマーケティング活動を指します。

BtoB領域では、顧客がサービスや商品を検討し始める前段階での接点づくりが非常に重要であり、その入り口となるのがリードジェネレーションです。

具体的な手法には、SEO対策によるWeb集客、ホワイトペーパーのダウンロード、展示会での名刺交換、セミナーやウェビナーの開催、広告出稿などがあります。

これらの施策を通じて、自社サービスに興味を示した潜在顧客の情報を獲得し、リードとして蓄積していきます。

ただし、獲得したリードは、そのままでは受注に至るとは限りません。そこで次に行うのが「リードナーチャリング(育成)」です。

リードジェネレーションは、ナーチャリングやクオリフィケーションへとつなげるための“最初の一歩”であるといえるでしょう。

リードクオリフィケーションとは

リードクオリフィケーションとは、獲得・育成した見込み顧客(リード)の中から、実際にアプローチすべき有望なリードを見極め、選別するプロセスです。

簡単に言えば「どの顧客が今、営業対応に値するか」を判断する工程です。

BtoBでは購買意思決定のプロセスが長く、リードのすべてがすぐに商談へ進むわけではありません。そのため、スコアリングや条件判定を通じて、受注確度の高いリードを抽出し、営業チームに引き渡すことが重要となります。

また、リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングとも密接に関係しています。

ナーチャリングによって関係性を築き、購買意欲を高めることで、「確度の高いリード=ホットリード」へと育てていきます。

そして、クオリフィケーションでは、その中でも実際に商談へ進む可能性が高いリードを抽出するのです。

たとえば、メールの開封率やWebサイトの閲覧履歴、業種や役職などの情報をもとにスコアをつけ、一定の基準を超えたリードのみを営業に引き渡す、といった運用にすることで、営業部門が効率的に動けるだけでなく、見込み顧客との機会損失も防げるのです。

渡邉

MAツールを活用すれば、各リードのメルマガ開封やWebサイト訪問データを確認でき、また、その動きに応じたスコアリング(自社への興味関心度の点数化)も可能です。スコアリングデータをうまく活用すれば営業活動が大幅に効率化されます。

リードナーチャリングが重要な4つの理由

リードナーチャリングは、単に情報提供を行うだけではなく、「受注につながる見込み顧客」を効率よく育てていくための重要なプロセスです。

特にBtoBビジネスにおいては、購買の意思決定に時間がかかり、関与する人数も多いため、顧客との信頼関係を少しずつ構築するナーチャリングが不可欠です。

ここでは、なぜリードナーチャリングが今の時代において特に重要なのか、その背景と理由を4つに分けて解説します。

リードの取りこぼしを防ぐため

リードナーチャリングを行わない場合、せっかく獲得した見込み顧客がそのまま離脱してしまうリスクが高まります。

特に、検討段階が浅いリードは、すぐに商談化するわけではないので、定期的な情報提供や接点維持がなければ他社に流れてしまう可能性が高いでしょう。

たとえば、資料ダウンロード後に一度商談打診するも商談化しなかったリードに対し、その後何のフォローもなければ、顧客の記憶からあなたの会社の存在は消えてしまうでしょう。

こうした「リードのサイレント離脱」は、気づかないうちに大きな機会損失を生んでしまいます。

その点、適切なナーチャリング施策を通じてリードとの接点を維持し続ければ、検討フェーズの変化にも対応でき、「失注客」も将来的な成約につなげることができます。

失注客を受注に結びつけられるようになることは、売り上げの最大化や営業効率の向上につながるので重要です。

リードナーチャリングで受注が増えるイメージ

獲得にコストをかけたリードを最大限に活かすうえでも、取りこぼしを防ぐナーチャリングは不可欠なのです。

顧客の検討期間が中長期化しているから

現代のBtoBマーケティングでは、顧客の購買プロセスが複雑化・長期化しています。

以前であれば営業担当が初期段階から直接ニーズを聞き取り、提案していくことが一般的でしたが、今は顧客自身がWebやSNSなどを通じて情報収集を行い、ある程度の選定基準を持ったうえで接触してくるケースが増えています。

また、これは以前から変わらないことですが、業界によってはそもそも受注・契約に至るまでに3〜6ヵ月、あるいは1年以上かかることも珍しくありません。

このような長期検討の中で、適切なタイミングで有益な情報を届けられなければ、他社に乗り換えられるリスクは高まってしまいます。

そこでリードナーチャリングによって、中長期にわたって継続的に顧客と接点を持ち、信頼関係を構築することが、最終的な受注につながる鍵となるのです。

ユーザーの検討段階に応じて情報を提供するため

リードナーチャリングが重要とされる理由のひとつには、MAツールをはじめとする技術の発展により、ユーザーの検討段階に応じて、最適な情報を提供できるようになった点にあります。

BtoB商材の購買を検討しているユーザーには、以下のようなフェーズがあり、それぞれで求めている情報も違ってきます。

  1. 検討初期段階(課題認識前)
  2. 課題認識段階
  3. 興味・関心段階
  4. 比較・検討段階
  5. 購買直前段階

たとえば、課題認識フェーズのユーザーには「業界動向や課題の全体像」を、比較・検討フェーズのユーザーには「製品の機能や他社との違い」など、判断材料となるコンテンツが必要です。

MAツールなどを活用することで、こうした段階ごとのニーズに応じたアプローチを行う自動で行うことができるようになり、ユーザーはストレスなく検討を進められます。

結果として、自社に対する信頼感が高まり、最終的な受注・成約へとつながりやすくなるのです。

確度が高い顧客に効率的にアプローチできるようになるため

リードナーチャリングが重要な理由として、確度の高いリード(ホットリード)に効率的にアプローチできるようになる点も挙げられます。

基本的には獲得したリード全員に対して商談や相談会などを打診するかと思いますが、当然全員が商談化できるわけではありません。中には「現段階でそもそもまだあまり興味がない」というリードもいるはずです。

そうしたリードは、失注客リストとして蓄積されていき、後日営業担当が勘で目星をつけて架電したり、ランダムで上から架電したり、というのが従来の営業スタイルでした。

しかし昨今は、「リードナーチャリング」によって確度の高い顧客へと教育⇒「リードクオリフィケーション」で確度の高い顧客から優先的に商談の再提案ということができるようになったので、より効率的に受注・契約へとつなげることができるようになっています。

営業スタイルの変化

また、効率の改善だけでなく、営業担当のスキルによらず一定の成果が出せるようになるため、属人性の排除も期待できます。

なお、従来型のスタイルで、リストに対し上からガラ回し方式で架電していくのも十分成果がでるため、リードクオリフィケーションを絡めた手法とうまくミックスさせることが大切です。

また、ホットリードの中でも、リードごとに適切なアプローチの方法は異なります。

その点、リードナーチャリングの過程で顧客の属性や課題を把握し、最適な提案を行うことで、受注率アップにも貢献できるでしょう。

リードナーチャリングの代表的な7つの手法

リードナーチャリングは、検討段階の異なる見込み顧客に対して、最適な情報を適切なタイミングで届けるための活動です。

とはいえ、「どんな手法から始めればいいのか」「うちの会社に合う方法はどれか」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。

ナーチャリングには、デジタルチャネルを活用したものから人的接点を活かしたものまで、さまざまな手法があります。

ここでは代表的な7つのナーチャリング施策を取り上げ、それぞれの特徴や活用ポイントをわかりやすく解説します。

  • メールマガジン
  • ステップメール
  • オウンドメディア
  • セミナー・ウェビナー
  • リターゲティング広告
  • インサイドセールス
  • DM(ダイレクトメール)

自社のリソースや顧客特性に合わせて、最適な組み合わせを検討してみましょう。

メールマガジン

メールマガジンは、見込み顧客との定期的な接点をつくり、情報提供を通じて信頼関係を構築する代表的なナーチャリング手法のひとつです。

検討段階に応じて配信内容を調整することで、購買意欲を徐々に高めていくことができます。

以下で、検討ステージ別のメールマガジンの例と目的を見てみましょう。

検討ステージメールの内容例ナーチャリングの目的
初期(認知段階)業界動向・お役立ち情報・自社コラム関心を引き、企業名・サービスを覚えてもらう
中期(比較検討)導入事例・活用ノウハウFAQ特集など商品理解を深め、比較のなかで優位性を示す
後期(意思決定)キャンペーン告知・無料相談案内最後のひと押しでコンバージョンを後押しする

ただし、メールマガジンは配信の頻度や内容に注意が必要です。頻繁に同じ内容のメールマガジンを配信してしまうと、かえってリードとの関係性を悪化させるおそれがあります。

週1~2回、月に4~8回程度を目安に適切な頻度での配信を心がけましょう。

伊藤

開封率を最適化するためには、配信の曜日や時間帯を工夫することも大切です。

ステップメール

ステップメールとは、ユーザーの行動や登録タイミングに応じて、あらかじめ設定したシナリオに沿って自動配信されるメールのことです。

特定の興味・関心をもったリードに対し、段階的に情報を届けることで、効率的にナーチャリングが行えます。

具体的なステップメールの例は、以下の通りです。

起点となる行動ステップメールの例
資料ダウンロード3日後:「導入事例」の紹介メールを送信
7日後:「無料相談の案内」メールを送信
セミナー参加翌日:「セミナー内容の復習コンテンツ」
1週間後:「関連サービスや事例集」の送信
サイト内の製品ページを複数回閲覧翌日:「製品の活用方法に関する動画コンテンツ」やホワイトペーパーDLリンクの送信

このように起点となる行動(ポイント)ごとにシナリオを設計することで、受け手にとって自然で無理のない情報提供ができます。

なお、最近ではメールだけでなく、LINEなどのメッセージアプリを活用したステップ配信も一般的になってきました。

自社のユーザー層や開封率・到達率が高いチャネルを選ぶことで、ナーチャリングの効果をさらに高められます。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社で運営・管理するメディア全般を指します。
一般的には、コーポレートサイトやサービスサイトが該当します。

たとえば、弊社の場合はSEO記事制作代行サービスの「記事作成代行ウルトラ」というサービスを提供しており、サービスサイトをオウンドメディアとして運用しています。

記事作成代行ウルトラ

リードナーチャリングにおいては、見込み顧客に対して段階的に情報提供し、関係性を構築する手段として非常に有効です。単なるコンテンツの集合ではなく、ユーザーとの関係性を育てる「情報インフラ」として機能するので、積極的に取り組むのがおすすめです。

オウンドメディアを用いたリードナーチャリング手法には、具体的に以下のようなものがあります。

施策タイプ概要
お役立ち記事悩み解決型コンテンツで信頼を醸成(例:「〇〇の選び方」「比較記事」など)
ホワイトペーパー詳細な課題・解決策をPDFで提供し、深い関心層を抽出
動画コンテンツ製品紹介や使い方、導入事例を動画で伝え、視覚的に理解を促す

それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。

お役立ち記事

お役立ち記事とは、見込み顧客の悩みや疑問に寄り添い、課題解決のヒントを提供する情報コンテンツです。リードナーチャリングにおいては、検討初期〜中期のユーザーとの接点づくりに有効で、信頼関係を築く第一歩となります。

具体的なコンテンツとしては、以下のようなものがあります。

目的記事例
初期接点をつくるため「〇〇とは?初心者向けにわかりやすく解説」
興味を深めてもらうため「〇〇を選ぶときに見るべき3つのポイント」
比較・検討を促すため「〇〇と△△を徹底比較|自社に合うのはどちら?」
導入の不安を解消するため「導入前に確認すべき5つの注意点」

特にBtoBの場合、顧客側の担当者は情報収集に時間をかけて検討を進めるため、こうした記事を通じて「この会社は専門性があり信頼できる」と感じてもらうことが重要です。

実際、SEO支援を行う弊社でも、SEOに関するノウハウやハウツーをコンテンツとして公開し、自社のオウンドメディアを訪れたユーザーが「この会社に頼みたい」と思ってもらうように心がけています。

ULTRAブログ
渡邉

実際、弊社で受注にいたったお客様の中にも「ブログを日常的に読んでいて頼りになりそうだったから」という企業が毎月数社はいらっしゃいます。

また、お役立ちコンテンツは、SEO対策に強い側面を持っているのも大きなメリットです。

作成したコンテンツで検索上位を獲得できれば、ナーチャリングだけでなく、流入やリード獲得にもつながります。

リードナーチャリング施策の中でも比較的手軽に始めやすい施策ですので、まずはお役立ち記事の作成から始めてみるのもよいでしょう。

伊藤

お役立ち記事はリードジェネレーションとリードナーチャリングを同時に推進できる施策です!作成したコンテンツは資産となって蓄積されるので、中長期的な費用対効果が高い点でも大きな利点があります。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、業界の課題や自社のノウハウ、導入事例などを体系的にまとめた資料のことです。

ダウンロードしてもらうことで、見込み顧客の連絡先(メールアドレスなど)を取得でき、リードナーチャリングの起点にすることができます。

「リードの育成」という観点では、ホワイトペーパーをどのように活用すべきかイメージしづらい方も多いかもしれませんが、ホワイトペーパーによって「情報収取段階にあるユーザーが自社に興味を持つ状態に変わる」とイメージするとわかりやすいでしょう。

ナーチャリング向けのホワイトペーパーの種類としては、以下のようなものがあります。

ホワイトペーパーの種類内容の例
業界動向レポート「2025年版〇〇業界の最新トレンドと課題」
ソリューション解説資料「〇〇で業務効率を30%改善する方法」
比較ガイド・チェックリスト「ツール導入前に押さえておくべき10のポイント」
導入事例集「成功企業に学ぶ〇〇活用事例5選」

なお、ホワイトペーパーの設計ポイントとしては、「課題提示 → 解決方法 → 自社サービスの強み」の流れを意識することが大切です。

単なる売り込み資料ではなく、顧客にとって“読む価値のある情報”を提供する姿勢が、信頼獲得と関係性構築につながります。

伊藤

ホワイトペーパーは、リード獲得の手法としても代表的ですが、実はリード獲得とナーチャリングを同時に行える万能施策でもあります。お役立ち記事と同様、優先的に取り組むべき施策といえるでしょう。

動画コンテンツ

動画は視覚と聴覚の両方に訴求できるため、短時間で情報をわかりやすく伝えるのに適したコンテンツです。

テキストよりも記憶に残りやすく、リードナーチャリングにおいてもユーザーとの関係構築やサービス理解の促進に効果的です。

特に検討段階の初期〜中期において、複雑なサービス内容や導入メリットを伝える際に重宝されます。

動画コンテンツのタイプ活用シーン・内容例
サービス紹介動画機能や料金プラン、他社との違いを短時間で説明
お客様インタビュー動画導入効果やリアルな活用イメージを伝える
セミナーアーカイブ・ハイライトセミナーやウェビナーの録画を編集し、オンデマンドで提供
How-to動画・操作ガイド自社ツールの操作方法や活用ノウハウをわかりやすく解説

また、最近では動画コンテンツでノウハウやハウツーを配信するケースも増えています。

実際に、デジタルマーケティング支援を行うクロスリスティング社では、「MarketingX / クロスリスティング」というYouTubeチャンネルで、マーケティングの最新情報や基礎知識、応用的なノウハウまでを幅広く配信。

日ごろから情報を発信して潜在層のユーザーと接点を持つことで、リード獲得やナーチャリングにつなげています。

▼弊社代表渡邉も出演中!MarketingX チャンネル

伊藤

動画コンテンツは、特に近年注目されているリード獲得・リードナーチャリング手法ですが、事業によっては相性が良くないケースもあるので注意しましょう。自社の顧客層が日ごろどんなチャネルで情報収集をしているのかを分析し、施策を実施するかどうか判断してください。

セミナー・ウェビナー

セミナー(対面)やウェビナー(オンライン)は、リードとの直接的な接点を持ち、双方向のコミュニケーションを通じて信頼関係を築ける重要なナーチャリング手法です。

特にBtoBにおいては、商材理解や導入ハードルを下げるための「教育的コンテンツ」として機能します。

具体的には、以下のような内容のセミナー・ウェビナーが効果的です。

セミナーの種類目的/内容例
製品・サービス紹介基本的な機能や使い方を紹介。導入前の不安を払拭する
顧客事例紹介成功事例を通じて、導入後のイメージや信頼性を高める
業界トレンド・課題分析専門家を招いた対談や講義形式で、企業の信頼性や知見をアピール
導入検討企業向けQ&A双方向コミュニケーションを重視した形式で、参加者の疑問にその場で回答

セミナーを企画する際は、リードの検討段階に応じて、「初回接触用の入門セミナー」から「意思決定段階向けの詳細解説ウェビナー」まで段階的に設計することが重要です。

また、参加後のフォローメールやアンケートを活用することで、その後のナーチャリング施策につなげやすくなります。

伊藤

近年では、コロナ禍によってウェビナーへの注目が集まっており、多くの企業が取り組んでいます。とはいえ、オフラインセミナーでは直接顧客と接点を持てるメリットがあるので、シーンに応じて使い分けると良いでしょう。

リターゲティング広告

リターゲティング広告(リマーケティング広告)は、一度自社サイトやコンテンツに訪れたユーザーに対し、他サイトやSNS上で再び広告を表示する施策です。

検討段階にあるリードへ継続的に接触し、再訪やCV(コンバージョン)を促すうえで非常に有効です。

ナーチャリングの観点からは、以下のような運用が考えられます。

活用シーン配信内容の例
ホワイトペーパーDL後のユーザー製品紹介セミナーの案内、導入事例コンテンツへの誘導など
サービスページを閲覧したが離脱したユーザー利用料金・FAQページへのバナー、導入企業の声など
資料請求済みで検討中のユーザー競合比較コンテンツ、初期導入支援キャンペーンなど

検討段階に応じたクリエイティブ・導線設計ができれば、ニーズが高まりつつあるリードへの最適な“後押し”が可能です。

さらに、広告のクリック率・CV率といった指標を元にPDCAを回すことで、ナーチャリング全体の精度も高められます。

伊藤

リターゲティング広告の配信方法には、GoogleディスプレイネットワークやFacebook・Instagram広告、LinkedIn広告などさまざまなものがあります。顧客層が見ているであろうチャネルでうまくリターゲティング広告を配信することで、自然と関係を深め、コンバージョンにつながる可能性があるでしょう。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議ツールなどを活用し、非対面で見込み顧客にアプローチする営業活動のことです。

「インサイドセールスって営業でしょ?」と思う方も多いかもしれませんが、実はリードナーチャリング手法としても効果があります。

たとえば、収集した情報をもとに顧客の関心度や状況を確認し、適切なタイミングで次のステップ(商談や資料送付など)へつなげることが可能です。

特に以下のようなケースでは、インサイドセールスがナーチャリングへとつながりやすくなります。

活用シーンインサイドセールスの対応内容の例
メール開封率・資料DLなどの反応があったリード関心度をヒアリングし、セミナー・商談へと案内
Webセミナーに参加したが離脱したリード視聴後の感想を聞き、興味のある製品や課題を深堀り
定期接触しているが反応が鈍い既存リード最新の導入事例やアップデート情報を共有し、興味喚起を試みる

このように、インサイドセールスがリード獲得からナーチャリングへの橋渡しを行うことで、顧客の取りこぼしを防ぐことが可能です。

フォローコールも忘れずに

インサイドセールスを用いたリードナーチャリングでは、タイミングを見極めた「フォローコール」も非常に重要です。

資料請求やセミナー参加など、顧客が何らかのアクションを取った後にタイムリーに電話をかけることで、関心が高まっているうちに会話をスタートできます。

具体例としては、以下のようなケースが挙げられます。

アクション内容フォローコールの目的
資料をダウンロードした内容の理解度を確認し、より具体的なニーズをヒアリング
セミナーに参加したセミナーの感想を聞き、個別相談の案内や提案の打診
メールを複数回開封した興味を持っている可能性が高いため、情報提供や日程調整を試みる

フォローコールは、単なる営業電話ではなく、顧客の状況を把握しながら「必要なタイミングで、必要な情報を届ける」ナーチャリングの一環として位置づけましょう。

DM(ダイレクトメール)

ダイレクトメール(DM)とは、見込み顧客に対して郵送やメール便などで直接資料を届ける手法です。

デジタル施策が主流の現代においても、「紙媒体だからこそ目に留まる」というメリットから、リードナーチャリングにおける有効な手段として活用されています。

「紙媒体なんて誰も見てないのでは?」という理由で敬遠されるケースもありますが、実は業界や業種によってはまだまだアナログでのやり取りが主流になっているケースも多いです。

士業や地方の中小企業などの場合、むしろデジタルによるナーチャリングよりも、紙を用いたアナログのナーチャリングの方が訴求力が強い可能性もあるでしょう。

伊藤

アナログ施策を行う際はデジタル施策との連携も重要です。たとえば、DMにQRコードを添えてホワイトペーパーのダウンロードやセミナー登録へ誘導するなど、オンライン行動につなげる設計をすることで、より効果的な運用が可能です。

リードナーチャリングを実施する流れ・プロセス

リードナーチャリングは、ただ施策を実行するだけでは効果が出にくく、目的設計からターゲットの選定、施策の実行、検証・改善までを一貫して行うことが重要です。

また、リードの属性や検討段階に応じて適切なコミュニケーションを行うためには、あらかじめ明確な設計と社内連携も求められます。

ここでは、リードナーチャリングを実施する際に押さえるべき基本的なステップを6つのフェーズに分けて解説していきます。

リードナーチャリングの目的・目標を決める

リードナーチャリングを始める際は、最初に「何のために行うのか」「どんな状態を成果とみなすのか」を明確にすることが欠かせません。

目的と目標が曖昧なままでは、施策の方向性がブレてしまい、途中の改善や効果測定が困難になるおそれもあります。

以下のように、具体的な目的を設定しましょう。

目的の例設定できる目標の例
商談化率を上げたいメール開封率30%以上/資料請求CV数10%アップ
失注リードの掘り起こしをしたい3か月以内に再商談を5件創出
アカウント単位で関係を深めたい月に1回の接点(セミナー・メルマガ)を継続

設定した目的・目標は、可能な限り「数値で計測できるKPI」に落とし込むことで、施策の評価と改善につなげやすくなります。

リードナーチャリングのターゲットを決める

次に行うべきは、「誰にナーチャリング施策を届けるのか」を明確にすることです。

リードのなかにはすでに検討が進んでいる層もいれば、まだ課題意識が芽生えたばかりという層もいます。

それぞれの状態に合ったアプローチを行うためには、あらかじめナーチャリングの“ターゲット像”を整理しておく必要があります。

場合によっては、リードの検討フェーズごとに、複数のターゲットを設定し、それぞれに最適化した施策を展開するのもよいでしょう。

リードジェネレーションで決めたペルソナも参考にする

リードナーチャリングのターゲットを考える際は、リードジェネレーションの時点で設定したペルソナも参考にしましょう。

▼ペルソナの例

ペルソナの例

リード獲得時に定義したペルソナには、役職・企業規模・業種・課題・情報収集の傾向など、ナーチャリングの設計に有用な情報が含まれています。

ペルソナを再確認し、ナーチャリング施策の対象として優先すべき層を選定しましょう。

リードをステータス・属性ごとにセグメント分けする

リードナーチャリングを成功させるには、「誰に」「何を」「いつ届けるか」の設計が欠かせません。

その第一歩が、保有しているリードを「ステータス」や「属性」で分類(セグメント)することです。

たとえば、以下のような切り口でセグメント分けを行うことで、よりパーソナライズされた施策を実行できます。

セグメント項目具体例
検討ステータス認知段階/興味段階/比較・検討段階/決定直前
業種・業界IT、製造、小売、建設など
役職・職種経営層、マーケティング担当、営業担当など
会社規模従業員数10人未満/〜100人/〜1,000人以上
流入チャネルSEO/広告/展示会/紹介など
行動履歴資料請求済/セミナー参加済/メール開封なし等

全てのリードに同じ情報を一斉送信しても、ニーズの異なるユーザーには響きません。セグメントごとに最適化した情報を提供してナーチャリングを行うことが大切です。

カスタマージャーニーを意識したセグメント分けも

セグメント分けをする際は「カスタマージャーニー(顧客の意思決定プロセス)」を意識することも重要です。

▼カスタマージャーニーの例

カスタマージャーニーマップの例

カスタマージャーニーを意識することで、検討初期のユーザーには「課題理解を促す情報」、検討後期のユーザーには「導入メリットを強調する資料」など、段階に応じたアプローチが可能になります。

セグメントごとに施策を実施する

リードをセグメント分けしたら、各セグメントに最適な施策を実施しましょう。検討段階や属性に応じた情報提供を行うことで、効果的にリードを育成できます。

たとえば以下のように、セグメント別にアプローチ方法を変えると、ナーチャリング効果が高まります。

セグメント例適した施策内容の例
検討初期(課題認識前)・業界課題を解説するお役立ち記事リンクを記載したメルマガの提供
・ライトな無料セミナーへの招待 など
興味・関心段階・導入事例を掲載したホワイトペーパーの配信
・ステップメールでの自社の魅力
・メリット紹介 など
比較・検討段階・料金表やサービス詳細のダウンロード資料
・個別相談会や営業担当からの連絡 など
小規模企業の担当者・「はじめての○○」といった初心者向けコンテンツの提供
・導入しやすさやコストに焦点を当てた施策の実施
マーケ部の意思決定者・ROIや実績を明確にしたプレゼン資料の提供
・Webトラッキング結果に基づいたリターゲティング広告の配信

このように、セグメントごとのニーズや温度感に合わせて施策を設計することで、受注に向けたリードの育成がスムーズになります。

PDCAを回す

リードナーチャリングは「一度やって終わり」ではなく、継続的な改善が欠かせません。そのためにも、施策ごとにPDCA(Plan→Do→Check→Act)を回す体制を整えることが重要です。

たとえば以下のように進めていくと、効果の高いナーチャリング施策に近づけます。

ステップやり方の例
Plan・対象セグメントに合った施策を立案・目標(KPI)を設定
Do・ステップメールやセミナーなど、実際の施策を実行
Check・開封率・クリック率・問い合わせ数などを指標に効果を測定
Act・成果が出ていない部分を分析し、内容やターゲティングの改善を図る

たとえば、あるメール施策で「開封率は高いがクリック率が低い」という結果が出た場合、タイトルは魅力的でも中身が期待に応えていない可能性があります。

その場合、本文構成やリンク位置の調整など、小さな改善を繰り返すことで、より精度の高いナーチャリングが実現できます。

伊藤

どの施策においても、PDCAは必ず行いましょう。「やって終わり」の施策は、仮に成果が出ていたとしても、今後の運用において機会損失や無駄な予算消化につながるおそれがあります。

リードナーチャリングで成果を上げるポイント

リードナーチャリングを成功させるには、ただ情報を届けるだけでは不十分です。

施策の精度を高め、継続的に成果を出し続けるためには、「効果測定」「ツール活用」「部門連携」など複数の視点からの工夫が求められます。

ここでは、ナーチャリングの効果を最大化するために押さえておきたい重要なポイントを紹介します。

各施策ごとに適切なKPIを設定する

リードナーチャリングを効果的に行うには、施策ごとに明確なKPI(重要業績評価指標)を設定することが欠かせません。

KPIが曖昧なままだと、何が成功で何が改善点なのか判断できず、成果につながりにくくなります。

たとえば、メールマーケティングなら「開封率」「クリック率」「コンバージョン率」、オウンドメディアであれば「検索順位」や「PV数」、「フォーム到達率」などが代表的なKPIです。

施策の目的に応じて適切なKPIを設定することで、PDCAを回しやすくなり、改善もスムーズに進みます。

各施策ごと、以下のようなKPIを設定できないか検討してみましょう。

施策主なKPI
メールマガジン開封率・クリック率・CV率
オウンドメディア検索順位・CTR・PV数・滞在時間・直帰率・CV率
セミナー・ウェビナー参加率・アンケート回収率・商談化率
インサイドセールス架電数・接続率・商談化率

なお、KPIは「施策の目的」にひもづけて設計するのが鉄則です。単に数字を追うのではなく、「次のアクションにつながるかどうか」を基準に設計しましょう。

さまざまな指標から効果検証を行う

リードナーチャリングでは、単一のKPIだけで効果を判断するのではなく、複数の視点から総合的に評価することが重要です。

たとえば、メールマガジンにおいて、メール開封率が高くてもコンバージョン率が低ければ、コンテンツの内容や遷移先の導線に課題があるかもしれません。

効果検証で見るべき代表的な指標は以下の通りです。

指標カテゴリ具体例
アクション指標メール開封率、クリック率、資料DL数など
エンゲージメントサイト滞在時間、ページ遷移数、再訪率など
成果指標商談化率、受注率など

施策によって重視すべき指標は異なりますが、目的に応じて複数の指標を組み合わせて評価することで、より的確な改善点が見えてくるはずです。

Webトラッキングを活用するのも効果的

Webトラッキングとは、ユーザーのWeb上の行動履歴(閲覧ページ、クリック箇所、滞在時間など)を可視化・分析する仕組みです。

リードナーチャリングにおいては、見込み顧客が「どのページを何回見ているか」「どの資料をダウンロードしたか」などの情報をもとに、興味関心や検討度合いを把握できます。

たとえば、以下のような使い方が可能です。

  • 特定のサービスページを何度も閲覧しているユーザーに対し、セールスフォローをかける
  • 読了率が高い記事をもとに、ホワイトペーパーやメールの内容をブラッシュアップする
  • 資料DL後にサイト離脱しているユーザーに、再訪を促す広告を配信する

Googleアナリティクスやヒートマップツール、MAツールを活用してトラッキングを行い、ユーザー行動を分析すれば、精度の高いナーチャリング施策につなげられます。

リードを適切に分析・管理・共有する

リードナーチャリングを成功させるには、見込み顧客一人ひとりの行動や属性情報を「見える化」し、組織内で共有・活用していくことが不可欠です。

せっかく獲得したリード情報も、分析されず放置されたままでは意味がありません。

たとえば、次のような分析・管理が重要です。

  • 属性ごとの反応傾向(例:業種別のホワイトペーパーDL率)
  • フェーズ別の接触履歴(例:商談直前に閲覧したコンテンツ)
  • インサイドセールス・営業・マーケティングでの対応履歴

こうした情報を部門間でスムーズに共有できれば、「誰が・いつ・どんな対応をしたのか」が明確になり、最適なタイミングでのアプローチが可能になります。

加えて、定量的な成果分析にもつながり、施策の改善にも役立ちます。

このような管理を効率化するために、次で紹介する「MAツール・CRM」の導入も検討してみましょう。

MAツール・CRMの導入も検討する

リード情報の管理・活用をより効果的に行うためには、MA(マーケティングオートメーション)ツールやCRM(顧客関係管理)ツールの導入がおすすめです。

これらのツールは、リードごとの行動履歴やスコアリング、対応履歴を一元管理でき、マーケティングから営業までの連携をスムーズにします。

たとえばMAツールでは、次のような活用が可能です。

  • メール開封・リンククリックなどの行動を自動記録
  • ステータスに応じた自動アクション(メール送信、スコア加算など)
  • ステップメールやホワイトペーパーDLの分析と最適化

一方、CRMは営業支援に特化しており、以下のような情報の蓄積・共有に適しています。

  • 顧客管理
  • 商談履歴
  • 案件ステータス管理
伊藤

代表的なツールとしては、MAツールでは「HubSpot」「Marketo」「SATORI」、CRMでは「Salesforce」「Zoho CRM」などが挙げられます。自社の規模や目的に応じて適切なツールを選びましょう。

部署間の連携を強化する

リードナーチャリングの成果を最大化するためには、マーケティング・営業・カスタマーサクセス(CS)などの部署間で、密な情報連携と戦略共有が不可欠です。

部門がバラバラに活動していては、せっかく育成した見込み顧客をスムーズに受注につなげられず、機会損失を生むリスクも高まります。

たとえば、以下のような連携が重要です。

  • マーケティングが獲得・育成したリード情報を営業部門にタイムリーに引き継ぐ
  • 営業が得た顧客ニーズや失注理由をマーケ部門にフィードバックし、施策改善に生かす
  • CSが把握している既存顧客の課題や成功事例を共有し、ナーチャリングコンテンツに活用する

このように、各部門が持つ情報を相互に活用することで、リードナーチャリングの質が高まり、商談化率や受注率の向上にもつながります。

マーケティングと営業・CSの連携にはインサイドセールス部隊が不可欠

マーケティング・営業・カスタマーサクセス(CS)といった各部門がスムーズに連携するためには、「インサイドセールス部隊」が不可欠です。

インサイドセールスは、マーケティングで獲得・ナーチャリングされたリードの状況を確認し、適切なタイミングで営業へとつなぐ役割を担います。

マーケティングから上がってきた見込み顧客(リード)を、いきなり営業が対応すると、タイミングが合わなかったり、情報が不十分だったりするケースが少なくありません。

そこで、インサイドセールスが間に入り、以下のような対応を行うのです。

  • ホットリードかどうかをスコアリングやヒアリングで見極める
  • 潜在的な課題やニーズを把握し、営業に適切に引き継ぐ
  • 商談化しなかったリードを再度ナーチャリングへ戻す

また、受注後は営業からCSへのスムーズな情報共有にも貢献でき、アップセル・クロスセルの支援や顧客満足度向上にも寄与します。

このように、インサイドセールスがハブとして機能することで、部門間の情報断絶を防ぎ、組織全体でリードナーチャリングの精度を高めることが可能です。

リードナーチャリングの成功事例

ここまでリードナーチャリングの基本や実践ポイントを解説してきましたが、「実際にどんな成果が出るのか?」という点が気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、BtoB企業を中心にナーチャリング施策を導入・強化し、成果につなげた具体的な事例を2つ紹介します。自社の取り組みに置き換えて考えるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

シュワット株式会社【弊社】|オウンドメディア運用によるナーチャリングの成功事例

シュワット株式会社

当社シュワット株式会社では、記事作成代行サービス「記事作成代行ウルトラ」のサービスサイト上でオウンドメディアを運用し、リード獲得・ナーチャリングの両方からアプローチを行っています。

具体的には、SEOに関するノウハウやハウツーをお役立ち記事として公開。自然検索経由での流入を獲得するのはもちろん、ユーザーが記事を読むことで「弊社への信頼性を獲得し、依頼へとつなげる」という行動変容を促しています。

実施施策

  • お役立ちコンテンツの公開
    • SEOキーワードを意識したコンテンツを公開し、流入を獲得。
    • ユーザーの検索意図を網羅したコンテンツで、課題解決・信頼性の獲得へとつなげる。
    • ユーザー行動を意識したUI/UX設計により、問い合わせ率を改善。
  • 導入事例の掲載
    • 具体的な他社実績を公開することで、信頼性・専門性を獲得。

成果

  • 商談化率:検索意図に沿った質の高いコンテンツにより、高い商談率を維持。
  • 成約率:信頼性・専門性の高いコンテンツによって、高い成約率を維持。

当社では、創業間もないスタートアップ企業である強みを生かし、選択と集中によってリード獲得・ナーチャリングまでを成功させてきた実績があります。

さまざまな支援実績から、各企業ごとの課題解決に向けて最適な提案をさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

株式会社シンフィールド|メールマーケティングによるリードナーチャリングの成功事例

株式会社シンフィールド
引用元:株式会社シンフィールド

株式会社シンフィールドは、展示会やセミナー、営業活動で獲得した名刺情報を活用し、メールマーケティングを中心としたリードナーチャリング施策を実施しています。

特に、定期的な「お役立ちメール」と不定期の「引き上げ目的メール」を使い分け、見込み顧客の関心を高めているのが特徴です。

実施施策

  • メール配信
    • お役立ちメール:2週間に1回、ランディングページ作成のノウハウや導入事例などをHTML形式で配信。
    • 引き上げ目的メール:不定期にテキスト形式で配信し、営業色の強い内容で関心度の高いリードを抽出。
  • フォローアップ
    • 引き上げ目的メール内のURLをクリックしたリードに対し、当日から翌日にかけて電話フォローを実施。

成果

  • アポイント率:メール内のURLをクリックしたリードへの電話フォローにより、アポイント率が10~15%に向上。
  • 成約率:アポイントからの成約率は約20%を達成。

このように、メールマーケティングと電話フォローを組み合わせたリードナーチャリング施策により、効率的な営業活動と高い成約率を実現しています。

まとめ

本記事では、リードナーチャリングの基本的な意味から、代表的な手法、成果を上げるためのポイント、具体的な成功事例までを詳しく解説しました。

リードを獲得するだけでは、商談や受注にはつながりません。特にBtoBビジネスでは、検討期間が長く、複数人の意思決定を経るため、リードナーチャリングによって関係性を丁寧に築くプロセスが欠かせないでしょう。

どの企業もすぐに高い成果が出せるわけではありませんが、正しい考え方と仕組みを持ち、顧客理解を深めながら継続的に改善していくことで、確実に受注率の向上につなげることができます。

「せっかく獲得したリードを無駄にしたくない」「営業とマーケの連携をもっと強化したい」と感じている方は、まずは今回紹介した施策のうち一つからでも始めてみてはいかがでしょうか。

ナーチャリングの強化は、貴社の営業生産性と顧客満足度の双方を高める大きな一歩となるはずです。

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この記事を書いた人

1997年生まれ。SEOマーケター。
月間5,000万PV越えのWebサービス「mybest」でコンテンツ制作責任者を経験後、弁護士ポータルサイト「ベンナビ」のSEO担当として、コンテンツSEOやテクニカルSEO、新規メディア立ち上げ、CVR/CTR改善などに携わる。ユーザーファーストとSEO最適化を両立したコンテンツ制作が得意。