インターネット上に自社サービスや製品の広告を出したい!と思っても、どんな広告を、どう出すのが良いか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
数多くの企業が取り入れている代表的なWeb広告のひとつ「リスティング広告」も選択肢になります。
しかし、リスティング広告を活用するかどうか検討するにあたり、以下のような疑問や不安を感じたという方も多いのではないでしょうか。
「リスティング広告は効果があると聞いたけど、本当かな?」
「そもそもリスティング広告ってなんだろう?費用はどれくらいかかる?」
そこで本記事では、上記の疑問や不安を解決できるように、リスティング広告の基礎知識からメリット・デメリット、費用、商材ごとの向き不向きなど、わかりやすく解説していきます。
後半では、実際にリスティング広告を出稿する手順や成功のポイント、頻出用語集やトレンド情報についても盛り込まれた網羅的な内容となっていますので、ぜひブックマークしていただき繰り返し読んでみてください!
リスティング広告とは?
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!など検索エンジンの検索結果に表示されるテキスト形式の広告のことです。
ユーザーが検索窓にキーワードを入力して検索すると、検索結果に並んでそれに関連した広告が表示されます。
このスタイルから、「検索連動型広告」とも呼ばれます。

リスティング広告は、他のオンライン広告やデジタルマーケティング施策に比べ、短期間で高い効果が見込めることが特徴です。
ユーザーの検索意図を狙ったアプローチが可能なため、購買意欲の高い見込み客を効率的に集客できる手法として多くの企業に利用されています。
例えば、新橋駅で働いているサラリーマンが、会社近くの皮膚科を検索する際、「新橋 皮膚科」や「新橋 皮膚科クリニック」といったキーワードを用いて検索します。
そこで、新橋にある皮膚科クリニックであれば、「新橋 皮膚科」や「新橋 皮膚科クリニック」というキーワードにリスティング広告を出稿すれば、以下のように新橋で皮膚科を探している人にダイレクトに広告を届けることができるのです。

このように、リスティング広告では、検索キーワード単位で広告を出稿することができるので、購買意欲の高いターゲットを”狙い撃ち”することができます。
しかし、やみくもに広告を出稿しても効果は期待できません。
広告の目的を明確に、ターゲットを絞り、適切なキーワードで広告配信することが非常に重要です。
課金形態はクリック課金&広告費は自由に決められる
リスティング広告の課金方式は、「クリック課金方式」です。
クリック課金方式では、ユーザーが広告をクリックして初めて費用が発生します。
広告が検索結果に表示されただけでは費用が発生しないのが、他の多くの広告と異なるポイントです。
クリックごとの単価、すなわちCPC(Cost Per Click:クリック単価)は業種や配信するキーワードによって異なり、数十円から数千円単位までとかなり幅があります。

CPCは頻繁に出てくる用語なので、しっかり覚えておきましょう。
また、広告費は掲載主が1日の上限予算や月間予算をあらかじめ設定できるため、自社の予算や目標に応じて柔軟に広告費を調整できることができる点もリスティング広告が人気の理由といえるでしょう。
掲載フォーマット
リスティング広告では、主に次の4つの要素が表示されます。
- 広告見出し(Yahoo!ではタイトル)
- 説明文
- 誘導したい先のURL
- 画像※表示されない場合も多い

画像は表示が小さかったり、表示されなかったりするので、基本的には見出しと説明文のテキストで、広告の内容や商品の魅力を的確に伝えることが重要です。
リスティング広告を配信できる媒体の種類
リスティング広告を配信できる媒体は、主に「Google」「Yahoo!」「Microsoft Bing」の3つが代表的です。

ただ、国内の検索エンジンシェアは、Googleが圧倒的なので、これから新たに始めるという場合は基本的にGoogle広告の活用が推奨されます。
なお、Yahoo!やMicrosoft Bingにもそれぞれ特徴があるので、複数の媒体で配信している企業も多いです。
また、それぞれ同じくリスティング広告ですが、広告設定方法や仕様は細かく異なります。

まずはGoogle広告を配信してみてうまくいったら、次にYahoo!広告⇒Bing広告という順で配信をする企業が多いです。
リスティング広告のメリット
リスティング広告のメリットには、以下のようなものがあります。
- 少ない予算から始められる
- 購買意欲の高いユーザーへ狙ってアプローチできる
- 広告運用の成果が可視化しやすく改善しやすい
- SEOに比べて短期間で効果が出やすい
以下に解説していきます。
少ない予算から始められる
リスティング広告は、少ない予算でも気軽にスタートできる広告手法です。
リスティング広告では最低入稿金額が設定されていないため、理論上は1円からでも出稿できます。
ただし、効果を出すには月額十万円以上からが最低限の予算目安です。
理由は後述しますが、リスティング広告はオークション形式なので、1クリックあたりの金額を高く設定したほうが広告が表示されやすくなるからです。
少ない予算から始めて、具体的な成果を見ながら広告運用してみることができるのは大きな強みと言えるでしょう。
したがって、「はじめてだから効果を確かめてみたい」「新商品のテストマーケティングをしてみたい」という方に、リスティング広告はおすすめの手法となっています。
購買意欲の高いユーザーを狙ってアプローチできる
冒頭にも述べましたが、リスティング広告は、広告主が指定したキーワードが検索された際にのみ表示されるため、購買意欲を持ったユーザーに効率よくアプローチできることが特長です。
一般的に、消費者が商品が購入に至るまでの流れは「認知」⇒「興味・関心」⇒「比較・検討」⇒「行動(購入)」となりますが、リスティング広告はこのうち最も購入に近い「比較・検討」層に直接アプローチすることができます。

たとえば、「エアコン 修理 即日」といったキーワードで検索するようなユーザーは、すでにエアコン修理は決めていて依頼先の会社探しのために検索をしているという状況です。
こうした明確なニーズを持っているユーザーに広告でリーチできるのは、リスティング広告最大の強みとも言えるでしょう。
このように、リスティング広告では、適切な検索キーワードを設定することで、購買意欲の高いユーザーに対してピンポイントに広告配信できます。
さらに広告費は広告がクリックされた段階で発生するため、購入意思が低いユーザーに無駄な広告費を使わずに済むこともポイントです。

同時に、リスティング広告が比較・検討層を狙い撃ちしやすい広告だという特性をよく理解したうえで、取り組むことも重要です。例えば、認知前の層に認知を広げようとリスティング広告を選択するのはナンセンスで、費用対効果が悪くなる場合がほとんどでしょう。
広告運用の成果が可視化しやすく改善しやすい
リスティング広告は、運用の成果が可視化しやすく、随時PDCAを回しながら広告効果を改善することができる広告手法です。
こうした緻密な効果測定とリアルタイムでの運用改善が可能な広告のことを、「運用型広告」と呼び、現在の広告手段の主流となっています。
リスティング広告では、次のような指標がリアルタイムに確認できます。
- インプレッション数(広告が表示された回数)
- クリック数(広告がクリックされた数)
- コンバージョン数(購入や問い合わせなど、成果に至った数)
- コンバージョン率(CVR:広告からコンバージョンに至った割合)
- クリック単価(CPC:1クリックあたりの費用)
このような「具体的なデータ」を確認することができるので、広告成果の緻密な分析と課題発見、そして改善が可能です。
また、現在ではAI技術が発展し、運用中にAIが広告成果を最大化できるようにデータに基づき自動で改善してくれるようにもなっています。

AIによる運用改善機能と、人間の運用担当者のスキルをうまく組み合わせることが成功のポイントです。
SEOに比べて短期間で効果が出やすい
リスティング広告は、もうひとつの代表的なデジタルマーケティング手段である「SEO」と比べると、短期間で効果が実感しやすい広告手法です。
SEOも同じく検索エンジンを用いたマーケティング手法ですが、SEOの場合、検索エンジンに評価され、検索結果の上位に表示されユーザーからのアクセスを集めるまでに数ヶ月~半年かかることがあります。
これに対してリスティング広告は、広告の審査を通過した後すぐに配信が可能で、早ければその日からユーザーのアクセスがあります。
短期的な成果を重視する企業にとって、リスティング広告は有効な施策です。

ただし、リスティング広告も運用を始めてから改善を繰り返すことで徐々に効果が最大化する特性があるため、効果を実感できるタイミングは2~3ヶ月先になることを理解しておきましょう。
リスティング広告のデメリット
リスティング広告のデメリットには、以下のようなものがあります。
- 継続的に費用がかかる
- 競合他社との競争が激しいと広告費が高騰する
- ユーザーに避けられることがある
- テキストのみで訴求する必要がある
以下に解説していきます。
継続的に費用がかかる
リスティング広告は、広告を出し続ける限り継続的な費用がかかります。
クリックごとに毎回費用が発生する仕様となっていることから、安定した効果を狙うためには、広告費用を一度払って終わりではなく継続的に予算を投入する必要があります。
たしかに予算の上限設定ができるため、使い過ぎを防ぐことは可能ですが、成果を維持するためには継続的に一定の予算が必要になります。
そのため、リスティング広告では費用対効果を細かく見極めながら、運用をすることが大切です。
一方、SEOは難易度が高く時間もかかりますが、一度上位表示できればクリック単価なしでユーザーからのアクセスを集め続けることができます。
競合他社との競争が激しいと広告費が高騰する
競合が多いキーワードでリスティング広告を出稿すると、クリック単価(CPC)が高騰し、広告費が想定以上に増えることがあります。
特に成約あたりの利益が大きい業界、例えば不動産業界や保険業界などはクリック単価が高騰しがちです。
(その分利益も大きいのでうまく運用すれば費用対効果は十分とれます。)
クリック単価が高騰した業界でリスティング広告を始めると、費用対効果を出すためにはそれなりの予算(数十万円~数百万円)を確保しておく必要があります。
このように、必ずしもスモールスタートができない場合もあるので、慎重に実施を判断しましょう。
想定クリック単価はGoogleのキーワードプランナーで調査可能ですので、事前に確認しておくことをおすすめします。

競争の激しい市場では、自社にとって費用対効果が高いキーワードをしっかり見極めつつ、予算管理を慎重におこなうことが重要です。
ユーザーに避けられることがある
リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果に表示される広告です。
しかし、ユーザーの中にはリスティング広告を意識的に避ける傾向を持っている人もいます。
2024年に実施された調査によると、「広告やスポンサー表示のある検索結果をクリックしないようにしている」と回答したユーザーは48%と約半数にのぼっています。
ユーザーの広告クリック意識 | 割合 |
---|---|
クリックしないようにしている | 48% |
特に意識していない | 29% |
気にせずクリックする | 5% |
実際、以下のように同じ検索キーワードの場合、SEOで上位表示したページの方がクリック率は大幅に高いです。
表示順位 | 平均クリック率 |
---|---|
広告第1位 | 2.1% |
広告第2位 | 1.4% |
広告第3位 | 1.3% |
広告第4位 | 1.1% |
検索第1位 | 39.8% |
検索第2位 | 18.7% |
検索第3位 | 10.2% |
検索第4位 | 7.2% |
データからもわかる通り、多くのユーザーは広告を避け自然検索の上位ページを見る傾向があります。
広告運用にあたっては、ユーザーに不信感を与えない、検索意図と一致した適切な広告文が重要です。
テキストのみで訴求する必要がある
リスティング広告は検索結果の一覧に表示される都合上、テキストメインで写真や動画などのビジュアル要素は部分的にしか活用できません。

それゆえ視覚に訴える表現には向かず、広告の魅力やイメージが伝わりにくくなります。
見た目やイメージが購入意欲に直結する商材の場合、リスティング広告だけでは訴求力が不足する可能性が高いです。
こうした商材の特長を魅力的に伝えるには、ショッピング広告など、他の画像や動画を利用できる広告の活用を検討ましょう。


自社の商材にマッチした広告・マーケティング手法を用いるのが何より重要です。ベンチマークとなる競合他社や類似のビジネスモデルの手法をよく研究しましょう。
リスティング広告と「SEO」や「他のデジタル広告」との違い&シナジー
ここでは、リスティング広告とSEOや他の各種デジタル広告の違いについて解説します、
加えて、各手段を併用することによるシナジー(相乗効果)についても触れています。
デジタルマーケティングの手段は様々で、それぞれの特性を見極め自社に最適な組み合わせを見つけることが何よりも大切です。
それでは、詳しく見ていきましょう。
SEO(自然検索)とリスティング広告の違いとシナジー
SEOとは、検索(オーガニック検索)における検索順位を高くすること、またその手法を指します。
SEOはクリック課金がなく、一度上位表示されれば費用をかけずに安定した集客が可能です。
例えば、「新橋 クリニック」という検索を行っているユーザーからのアクセスを得るのに、リスティング広告だと都度費用が発生しますが、SEOで成功できればいくらアクセスを得ても費用はかかりません。
両者の違いを表で整理すると以下のようになります。
SEO | リスティング広告 | |
---|---|---|
表示場所 | 検索結果の広告枠の下 (オーガニック検索結果) | 検索結果の上部や下部の広告枠(「スポンサー」ラベル表示あり) |
即効性 | △ 数ヶ月〜1年かかることも | ◎ 広告出稿後、すぐに表示可能 |
費用 | △ 間接費用 (コンテンツ制作費、人件費など) | ✕ 直接費用 (クリック課金が発生) |
費用対効果 | ◎ /× 成功すれば最高の費用対効果 失敗すればまったく成果なし | 〇 適切な運用で高い費用対効果が 期待できる |
持続性 | ◎ 一度上位表示されると資産となり、継続的な集客が見込める | ✕ 広告を停止すると表示されなくなる |
コントロール性 | ✕ 順位は検索エンジンのアルゴリズムに依存し、直接操作は不可 | ◎ 予算、キーワード、広告文、リンク先などを調整可能 |
ターゲット層 | ◎ 潜在層〜顕在層まで幅広くアプローチ | ◎ 購買意欲の高い「顕在層」に直接アプローチしやすい |
クリック率 | 〇 上位なら広告を避ける傾向のあるユーザーにもクリックされやすい | △ 広告と認識されるため、自然検索よりクリック率が低い傾向 |
信頼性 | ◎ ユーザーから信頼されやすく、ブランディング効果が高い | △ 広告であるため、信頼性が自然検索より低く見られることも |
シナジー
両者の違いをここまで示してきましたが、リスティング広告とSEOは相性が良く、組み合わせることで以下のようなシナジーを発揮する点も見逃せません。
①検索結果をジャックできる
リスティング広告とSEOを組み合わせることで、検索結果を自社の情報で占有し、検索エンジンで商材を探す顧客を独占可能です。
実際、会計ソフトの「freee」はリスティング広告とSEO、さらにポータルサイトも組み合わせて、「会計ソフト」と検索した際の検索結果をジャックしています。

②リスティング広告により間接的に検索順位が上がりやすくなる場合がある
リスティング広告によって、ブランド認知度が増えると指名検索が増えたり、SNSでの言及が増えたり、サイト内に良いユーザー行動データがたまったりと、検索順位上昇にポジティブな影響が得られます。

こうしたシナジーがあるので、リスティング広告とSEO両方に取り組んでいる企業は多いです。
ディスプレイ広告・SNS広告との違い
リスティング広告とディスプレイ広告・SNS広告は、それぞれ特徴が異なります。
リスティング広告は検索キーワードに連動したテキスト形式の広告で、ユーザーが自ら関心を持ち検索した際に表示されます。そのため、購買意欲が高い「顕在層」へのアプローチに向いています。
一方、ディスプレイ広告は画像や動画を用いてWebサイトなどの広告枠に表示され、「潜在層」へ広く認知を拡大する目的で利用するのが適切です。
SNS広告は、FacebookやX(旧Twitter(InstagramなどのSNSに表示され、細かなターゲティング設定ができるため、「特定の属性や興味関心を持つ層」を狙い撃ちできる広告です。(例:ゴルフ好きの40代男性経営者、ファッション好きの20代女性など)
以下に各広告の違いをまとめました。
リスティング広告 | ディスプレイ広告 | SNS広告 | |
---|---|---|---|
主な目的 | コンバージョン獲得 (購入、問い合わせ) | 認知拡大 (ブランディング) | 認知拡大、ファン獲得、コンバージョン獲得 (興味・関心層への訴求) |
アプローチ層 | 顕在層 (今すぐ客) | 潜在層 (これから客) | 潜在層〜顕在層 (特定の属性を持つ層) |
表示場所 | 検索結果画面 | Webサイト・アプリの広告枠 | SNSのタイムライン、ストーリーズなど |
ターゲティング精度 | △ (キーワードに依存) | 〇 (サイト、ユーザー属性など) | ◎ (興味・関心など詳細) |
強み | CVRが高い即効性がある | 視覚的な訴求リターゲティング | ターゲティング精度拡散性がある |
弱み | 潜在層に届かない単価が高騰しやすい | 直接的なCVRは低い無視されやすい | 炎上リスククリエイティブの工夫が必要 |
以上の点を踏まえ、目的別の使い分け方としては下記の通りです。
- すぐに売上や問い合わせが欲しいなら → リスティング広告
- 新商品やブランドを広く認知させたいなら → ディスプレイ広告
- 特定の趣味・関心を持つ層に届けたいなら → SNS広告
それぞれの特徴を踏まえて、効果的に使い分けていくことが大切です。
リスティング広告と相性が「良い」ビジネスの特徴
リスティング広告と相性がいいビジネスの特徴には、以下のようなものがあります。
- 顕在ニーズに応えるビジネス
- テキストのみで魅力を伝えられるビジネス
- 商品単価が高いor繰り返しの購入が見込めるビジネス
- テキストのみで訴求力が限られるビジネス
- 認知が進んでいるビジネス
以下に解説していきます。
顕在ニーズに応えるビジネス
顕在ニーズとは、ユーザーがすでに課題や欲求を明確に自覚している状態を指します。
例えば、ピザの宅配をしてもらいたいと考え、ピザ屋探しのために検索を始めた人は明確な顕在ニーズを持っていると言えるでしょう。
リスティング広告は、ユーザーがキーワードを検索した時点で表示されるため、検索者がすでに持っている需要に応えるビジネスと特に相性が良いです。
顕在ニーズを含むキーワードの一例を、表にまとめました。
業種 | 検索ワードの例 |
---|---|
飲食店(宅配) | ピザ 宅配 町名 |
整体院 | 腰痛 改善 整体 |
不動産 | 新宿 賃貸 一人暮らし |
引っ越し | 引っ越し 東京 |
リスティング広告 | リスティング広告運用代行 |
地名を含んでいることや、「改善」「代行」などの具体的な要望を含んでいる傾向があり、検索者が「今解決したい」ニーズを持っていることが推測できます。
テキストのみで魅力を伝えられるビジネス
リスティング広告は、基本的にテキストのみで訴求する必要があります。
そのため、文字情報だけでも商品の特徴やメリットを明確に伝えられるビジネスである必要があります。
たとえば以下のような商材が、リスティング広告と相性が良いといえるでしょう。
- スペックや性能の差が明確に数値化できる製品
- 他社商品と比較したときのメリット・優位性を端的に示せるサービス
- キャンペーン価格や割引率などの数値情報を活用できる商品
一方、テキストで魅力を伝えにくい商品例としては、
- 色やデザインなど視覚的な訴求が強みとなる商品
- 使用感やイメージを感覚的に伝えることが重要な商材
などが考えられます。
テキストと相性が良い例 | テキストと相性が悪い例 |
---|---|
・PC周辺機器 ・家電製品(性能差が数値化できる) ・通信サービス ・金融商品 (価格・料金が明確) など | ・ファッションアイテム(デザイン重視) ・化粧品 ・食品(使用感や味など感覚的な要素) |
自社の商品が文字情報で魅力を伝えやすいか、リスティング広告を活用する前に確認しましょう。
商品単価が高いor繰り返しの購入が見込めるビジネス
商品単価が高い商品や、繰り返し購入される商材され結果的にLTVが高くなる商品は、リスティング広告に向いています。
▼商品単価と広告効果の関係
商品タイプ | 商品単価 | クリック単価 | CVR | 1件獲得コスト(CPA) | 費用対効果(ROAS) |
---|---|---|---|---|---|
高額サービス | 500,000円 | 2,000円 | 2% | 100,000円 | 500% |
安価な商品 | 1,000円 | 50円 | 2% | 2,500円 | 40% |
たしかにリスティング広告はクリック単価のオークションで表示順位が決まるため、高額商品はクリック単価が高騰しがちです。しかし商品単価が高ければ、多少広告費が高騰しても、利益を出しやすくなります。
また、ウォーターサーバーや定期購入型サプリメントなど、繰り返し購入が見込める商品ならLTVが高くなるため、初回購入で赤字でも、リピート購入で費用を回収できます。
こういった継続的なサービスや、サブスクリプションはリスティング広告との相性が良くいです。
認知が進んでいるビジネス
すでに認知が進んでいる商品やサービスの場合も、リスティング広告との相性が良いといえるでしょう。
なぜなら、すでにブランドや商品名が広く知られていると、検索エンジンでその名前を直接検索するユーザーが多く、画面に表示される回数が増えるためです。
例として、「アップル製品」や「ユニクロ」といった企業は認知度が高いため、関連キーワードによる指名検索が多く行われています。
ただし、ターゲットにするキーワードは自社のものに限定しましょう。他社の商標等を含むと、商標権侵害等のトラブルにつながるおそれがあります。
リスティング広告と相性が「悪い」ビジネスの特徴
リスティング広告と相性が悪いと費用対効果が悪く採算が合わなくなります。
以下のようなビジネスはリスティング広告と相性が悪いため、別の広告手段を検討するのが推奨されます。
向いていないビジネス | 例 |
---|---|
そもそも検索されていない商品・サービス | これまでにない全く新しい商品/ニッチすぎる商品 |
単価が安くて、LTVも低い商品・サービス | 100円ショップの商品 |
ビジュアルが魅力の商品・サービス | バッグ |
他社との比較優位性がない商品・サービス | 普通のテニスボール、一般的なボールペン |
Web上で具体的な成果地点が設定できないビジネス | 焼きそばの屋台といった予約制のないレストラン |
こうした特徴に当てはまる場合、リスティング広告を出稿すべきかは慎重に検討した方がよいでしょう。
その際、まずは実際に検索してみて競合他社がリスティング広告を配信しているか確かめてください。
複数の競合他社が配信している場合、自社も成功できる可能性は高いでしょう。
一方でどこの競合他社も配信していない場合でどうしてもリスティング広告を試してみたいという場合は、テストマーケティングで少額予算から始めてみてください。
リスティング広告にかかる費用と課金形態
この項目では、リスティング広告にかかる費用について、以下のポイントから解説していきます。
- 月々の推奨予算額はどれくらい?
- 業種・ジャンルごとのクリック単価相場一覧をチェック
- 予算設定の具体的な手順は?
それぞれ見ていきましょう。
月々の推奨広告予算額はどれくらい?
リスティング広告の月々の推奨予算額は、業種や目的によって大きく異なりますが、一般的には月20万円~50万円前後が目安です。
たしかに始めようと思えば、月1万円程度の低予算からでも始められます。
しかし昨今、リスティング広告の運用はAIがデータを学習し最適化させていくスタイルが主流で、広告費が少なすぎるとデータ量が少なく、AIの学習が進まず費用対効果が落ちてしまう点に注意が必要です。
リスティング広告を積極的に活用する大企業の場合は数百万~数千万円に達することも珍しくありません。
こうした企業は予算が多いので、AIの学習が進み、抜群のROIで効率的な運用ができている場合が多いです。
実際の予算を決める際は、下記の項目を判断基準に、調整しましょう。
- 売上目標
- 獲得したいコンバージョン数
- クリック単価の相場
詳しくは後述しますが、まずはAIの学習ができる最低限の予算(月20万円程度)でスモールスタートしつつ、得られた結果を分析し、適正予算を随時見直していく、といったスタイルでの運用がおすすめです。
業種・ジャンルごとのクリック単価相場一覧をチェック
リスティング広告は1クリックあたりの単価(CPC)が業種やジャンルによって大きく変動します。
一般的に、競争が激しい業界や利益率の高い業界はクリック単価が高くなる傾向があります。
以下は業種ごとにおおよそのクリック単価の相場を一覧表にしたものです。
業種ジャンル | クリック単価(CPC)の目安 |
---|---|
金融(ローン・カード) | 500円〜2,000円以上 |
法律業界 | 300円~1500円 |
保険 | 300円〜1,500円 |
BtoB | 200円~800円 |
医療(美容整形・歯科) | 400円〜1,500円 |
不動産 | 300円〜1,200円 |
人材採用・求人 | 200円〜800円 |
教育 | 100円〜500円 |
介護 | 50円〜400円 |
飲食・レストラン | 50円〜300円 |
日用品 | 200円~300円 |
例えば金融や法律業界など、単価が大きい業界は、競争相手が多く入札単価も高騰しています。
一方、地域密着型の飲食業などターゲットが絞られる場合は、比較的安価なクリック単価で広告出稿が可能なことが多いです。
予算設定の具体的な方法は?
リスティング広告の予算設定は、「平均クリック単価」「目標コンバージョン数」「売上目標」のいずれかを基準に決めていきましょう。
それぞれ解説していきます。
①平均クリック単価から決める
各キーワードの平均クリック単価に基づき、1日の目標クリック数との掛け算で予算を算出することができます。
例えば、1クリック100円のキーワードで1日100クリックを目指す場合、1日の予算は1万円、月間の予算は30万円となります。
②目標コンバージョン数から決める
コンバージョン目標数と目標CPA(1件あたりの獲得単価)を掛けて予算を逆算することができます。
例えば、目標コンバージョン数を10件、目標CPAを5,000円とした場合、必要な広告予算は5万円と算出できます。
③売上目標から決める
売上目標に対して許容できる広告費用の割合(広告費用÷売上)を決めて、予算規模を設定することができます。
売上目標が100万円で、広告費率を20%とするなら、広告予算は20万円が上限となります。
以上の内容を表にもまとめました。
設定方法 | 計算方法 | 具体例 |
---|---|---|
平均クリック単価から | クリック単価×クリック数 | 単価100円×100クリック=10,000円 |
目標コンバージョン数から | 目標CPA×CV数 | CPA5,000円×20件=100,000円 |
売上目標から | 売上目標×広告費率 | 売上100万円×広告費率20%=200,000円 |
自社の状況や広告目的に合わせ、柔軟な調整を行うことが重要です。
初心者向け低予算からの始め方
初心者が限られた予算でリスティング広告を始めるなら、まずは月20万円程度の予算からスタートするのがおすすめです。
この予算規模なら、ある程度のクリック数を得て、広告の効果や改善ポイントを見極めるデータを蓄積できます。
また、はじめてのリスティング広告出稿の場合、以下のポイントに注意しましょう。
- Google広告に絞って配信を集中させる
- 購買意欲が高く、競合が少ないキーワードに絞り込む
- 最初は手動で入札価格を調節し、成果が確認できたら自動入札を活用する
上記の方法で始めれば、限られた予算でも効果的に広告運用を展開することが可能です。
リスティング広告は「ROAS(費用対効果)」が重要
記事内で繰り返し出てきている言葉ですが、リスティング広告はその特性から「ROAS(費用対効果)」が極めて重要です。
従来型のマス広告とは違い、成果がデータとして現れるため、投じた広告費に対して利益がどれくらい出ているかが明確にわかります。
そのため、広告費に対して、黒字であれば予算額を増やせばさらに利益を伸ばしていく、赤字であれば運用を改善し黒字にするか、広告をストップするか、といった判断が可能なのです。
費用対効果が黒字になる運用方法が確立できたら、あとは予算を増額していくだけで会社や事業を大きく成長させられるという点が、リスティング広告の何よりの魅力とも言えるでしょう。
費用対効果の測定方法
費用対効果の測定方法には、以下のようなものが挙げられるので自社の取り入れやすいものを選択しましょう。
- CPA(顧客獲得単価)をベースに測定する方法
- 平均LTVをベースに測定する方法
それぞれ解説していきます。
CPA(顧客獲得単価)をベースに測定する方法
リスティング広告は、CPAをベースに費用対効果を測定するのが最も一般的です。
なお、CPAとは「顧客獲得単価」のことで、1件のコンバージョン(商品購入や資料請求といった目標アクション)を獲得するために、いくらの広告費用がかかったかを示す指標です。
CPAを使った効果測定のステップを紹介します。
まず、運用しているリスティング広告の管理画面で、実際のCPAを確認しましょう。
Google広告やYahoo!広告の管理画面では、キャンペーンや広告グループ、キーワード単位でCPAの数値を確認できます。
- 確認する場所: Google広告 / Yahoo!広告の管理画面
- 確認する項目: 「コンバージョン単価」「費用/コンバージョン」などの列
なお、CPAの計算式は以下の通りです。
CPA=広告費用÷コンバージョン数
次に、自社のビジネスが利益を出せるCPAの上限、すなわち「目標CPA」または「許容CPA」を設定します。この目標値がなければ、出てきたCPAの数値が良いのか悪いのかを判断できません。
目標CPAは、1件のコンバージョンから得られる利益を基に算出するのが一般的です。
目標CPA=顧客単価-原価-その他経費
最後に、Step1で確認した「実際のCPA」と、Step2で設定した「目標CPA」を比較し、費用対効果を評価します。
平均LTVをベースに測定する方法
近年、リスティング広告の効果測定にLTVを用いるのが主流となってきています。
なお、LTV(顧客生涯価値)とは、一人の顧客があなたの企業やブランドと取引を開始してから終了するまでの全期間にわたって、どれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標です。
リスティング広告の費用対効果をLTVベースで測定する具体的なステップは以下の通りです。
まず、自社の顧客の平均LTVを計算します。LTVの計算方法はビジネスモデルによって異なりますが、一般的には以下の計算式が用いられます。
LTVの基本的な計算式
LTV=平均顧客単価×平均購買頻度×平均継続期間
より精度を高めるためには、売上ではなく利益ベースで計算する方法もあります。
利益ベースのLTV計算式
LTV=(平均顧客単価×平均購買頻度×平均継続期間)×粗利率
または
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間−(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)
正確なデータを取得するために、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)ツール、顧客データ基盤などを活用することが推奨されます。
算出したLTVを基に、新規顧客獲得にかけられる広告費の上限、つまり「許容CPA(または目標CPA)」を定めます。
許容CPAの計算式
許容CPA=LTV×粗利率
例えば、LTVが50,000円で粗利率が40%の場合、許容CPAは20,000円となります。
これは、1人の顧客獲得に最大20,000円まで広告費をかけても、長期的には利益が出るということを意味します。
算出した「許容CPA」と、実際のリスティング広告のCPAを比較して費用対効果を評価します。
- 実際のCPA<許容CPA:費用対効果は良好。広告予算の増額や、さらなる顧客獲得のための施策を検討できます。
- 実際のCPA>許容CPA:費用対効果に課題あり。広告運用の見直しや、LTV向上のための施策が必要です。
また、ROAS(広告費用対効果)もLTVを考慮することで、より本質的な評価が可能になります。
短期的なROASが100%を下回っていても、LTVを加味した結果、将来的に大きなリターンが見込めるのであれば、その広告投資は「成功」と判断できます。
リスティング広告の掲載順位が決まる要素と改善方法
リスティング広告の掲載順位の決定には「広告ランク」という指標が使われます。
広告ランクが高いほど掲載順位は上位になりやすいです。

掲載順が高いほど、クリック率も高くなるため、広告ランクを意識することは重要です。
どのような要素で決定されるか、順位の改善にはどんな方法があるのか、詳しく見ていきましょう。
広告ランクを決定する要素
広告ランクは以下の式で算出されます。
広告ランク=入札単価×品質スコア
入札単価とは、広告主が1クリックあたりに支払う金額のことです。
品質スコアとは広告の質を示す指標で、主に以下3つの要素で評価されます。
- 広告の推定クリック率
- キーワードと広告文の関連性
- キーワードとランディングページの関連性
掲載順位を上げるには、最適な入札単価の調整と品質スコアの向上がカギになります。
掲載順位の改善方法
掲載順位を改善したいという場合は以下のようなポイントをおさえるように意識しましょう。
- キーワードを選び直し、広告とキーワードの関連性を高める
- 広告文を見直して推定クリック率を改善する
- ランディングページの読み込み速度やコンテンツを改善する
- 入札方法を変更し、適切な入札単価に設定する

品質スコアを高められれば、入札単価に頼らずに掲載順位を上昇させられます。
リスティング広告の始め方・出稿手順(Google広告の例)
ここでは、実際にGoogle広告でリスティング広告(検索広告)を掲載するまでの手順を紹介します。
Google広告は、初心者でも比較的簡単に始められますが、設定項目が多く、最初は戸惑うかもしれません。
ここでは、画面のキャプチャ付きで、設定方法を分かりやすく解説していきます。
※情報は2025年6月時点のものです。
まずはキャンペーンを作成する
まずはビジネスの名前と、サービスのWebページを入力しましょう。

キャンペーンの目標を設定する
今回はサービスのランディングページの閲覧数を増やしたいので、ページビューを選択しました。

キャンペーンタイプを選ぶ
ページ上部の「他のキャンペーンタイプを確認」をクリックしてください。
これを選ばずに次へ進んだ場合、Google広告の提供するAI最適化機能「P-MAX」が自動的に有効化されます。
P-MAXはリスティング広告以外もAIが判断してさまざまな広告を自動で出稿するため、予算が少額な場合、効果が分散してしまいがちです。

予算が少額な場合は、「検索」広告を選択しましょう。

ランディングページのURLやサービスの概要、広告を出稿したいキーワードを選択する
Googleが、貼り付けたページ内容やサービス名に合わせてキーワードを提案してくれます。
一旦はこのキーワードのまま、設定を進めてみましょう。

キーワードについては非常に重要なので、実際に配信を開始する前に自身でピックアップしたものを加えることも大切です。Googleの提供している「キーワードプランナー」を活用してみましょう。
キーワードプランナーは、設定が完了したら使用できるようになります。
広告を設定する
実際に広告として表示される見出しや説明文を設定します。

入札価格を設定する
自動入札を設定することもできますが、今回はコンバージョン単価を300円としました。

予算上限を設定する
1日の平均予算を設定できます。
設定した予算に応じて推定コンバージョン数や1週間の費用も表示されます。

広告を配信開始すると設定した1日の平均予算を日単位でオーバーすることもあります。
ただし、月単位では予算上限を超えないよう、帳尻合わせが行われるのでご安心ください。
支払い設定をしたら配信開始可能に
ここまで設定出来たら、支払いの設定をして、入稿は完了です。
実際に出稿してみましょう。

ここまでの流れを踏まえれば、リスティング広告の配信は開始できます。
ただし、ROI(投資対効果)を十分なプラスにするためには、このような初期設定だけでは不十分な場合もあります。次に紹介する成功のコツも抑えて配信を行いましょう。必要に応じて外部のリスティング広告運用代行会社を活用するのもおすすめです。
リスティング広告を成功させるコツ
リスティング広告を成功させるために、知っておきたいコツは以下の通りです。
- ターゲットユーザーをしっかり定めて”狙い撃ち”する
- 注力キーワードをしっかり選定する
- ランディングページを魅力的にする
- 運用するなかで素早く改善していく
それぞれ解説していきます。
ターゲットユーザーをしっかり定めて”狙い撃ち”する
広告を「誰に」届けるかを明確に定義し狙い撃ちすることは、リスティング広告成功の第一歩です。
ターゲットが曖昧なまま広告を配信すると、関心のないユーザーにも広告が表示され、無駄なクリック費用が発生し、費用対効果が著しく低下します。
以下のポイントをおさえておきましょう。
①ペルソナを具体的に設定する
年齢、性別、居住地、職業、年収といったデモグラフィック情報に加え、「どのような課題や悩みを抱えているのか」「情報を探す際にどんなキーワードを使いそうか」「どのようなメッセージに心を動かされるか」といった心理的な側面まで深く掘り下げ、具体的な人物像(ペルソナ)を描きましょう。

②適切なターゲティング機能を活用する
Google広告やYahoo!広告には、地域、年齢、性別、興味関心、特定のウェブサイトを閲覧したユーザー(リマーケティング)など、詳細なターゲティング機能が備わっています。
設定したペルソナに合わせてこれらの機能を組み合わせ、広告を表示する対象を精密に絞り込みます。
③「届けない」ユーザーも明確にする
ターゲットユーザーを定めることは、同時に「広告を届けないユーザー」を明確にすることでもあります。
例えば、高所得者層向けのサービスであれば、特定の年齢層や興味関心を除外設定することで、より効率的な広告運用が可能になります。
注力キーワードをしっかり選定する
ターゲットユーザーが検索するであろう「言葉(キーワード)」を的確に捉えることが、広告成果の最大化に直結します。
キーワード選定の精度が、広告の成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。
以下のポイントをおさえておきましょう。
①ロングテールキーワードも狙っていく
ロングテールキーワードとは、「東京 美容室 安い」など、3語以上の複合キーワードで検索数が比較的少ないものを指します。
検索数は少なめですが、具体的なニーズをもったユーザーが検索するため、コンバージョン率が高くなる傾向があります。
リスティング広告は競争が激しく、1語~2語のキーワードだけではクリック単価が高騰しやすくなります。
そこで、ロングテールキーワードも積極的に狙うことで、低コストで効果的な集客を実現できます。
例えば以下のような具体例があります。
キーワード | 検索ボリューム | 競合度合い | コスト効率 |
---|---|---|---|
美容室 | 非常に多い | 高い | 低い |
美容室 渋谷 | 多い | やや高い | 中程度 |
美容室 渋谷 カット 安い | 少ない | 低い | 高い |
上記表のように、3語以上の具体的なロングテールキーワードは競合が少なく、ユーザーもニーズが明確なため、費用対効果が高くなります。
ぜひ、ロングテールキーワードも積極的に取り入れて運用を行いましょう。
②対象外キーワードを設定する
「対象外キーワード」とは、リスティング広告を運用するうえで、広告配信を避けたいキーワードのことです。
対象外キーワードを設定するメリットとしては、
- 無駄なクリック課金の削減
- コンバージョンに繋がりにくいクリックの抑制
- 広告の品質向上およびクリック率の改善
などが挙げられます。
例えば、自社が有料の学習サービスを運営している場合、「無料」「格安」といったキーワードでクリックされても成果につながりにくいため、これらを対象外キーワードに設定するのが効果的です。
その他にも潜在層が検索するキーワードも、今すぐ客ではないため、クリックが無駄になりやすいでしょう。
代表的な対象外キーワードの例は以下の通りです。
業種・サービス | 対象外キーワードの例 |
---|---|
有料サービス | 無料・格安・割引 |
BtoB向けサービス | 個人・家庭用・趣味 |
高級品販売 | 激安・安い・アウトレット |
自社サービスの特性・ターゲット層を踏まえて、慎重に設定しましょう。
③自社だけのキーワードを見つける
自社だけのキーワードとは、競合他社があまり使用していないものの、自社商品やサービスに深く関連し、自社サイトへのアクセスを増やせるような独自性の高いキーワードのことです。
見つけ方のポイントとしては、次のようなことが挙げられます。
- 自社の強みや特徴に基づく専門的な言葉を選ぶ。
- 自社商品・サービスに関連した造語やニッチな専門用語を活用する。
- 自社ブランド名や商品名を組み合わせ、オリジナルのキーワードにする。
あくまで一例ですが、以下のようなものを考えてみました。もちろん、自社のサービスや製品に合わせて強みを分析し、それぞれ探す必要があります。
通常キーワード | 自社だけのキーワード(ニッチキーワード) |
---|---|
美容液 | 天然由来98%美容液 |
英語塾 | 3ヶ月集中ビジネス英語塾 |
コーヒー豆 | 中南米直輸入有機コーヒー豆 |
こうした独自のキーワードを設定することで、競合と直接的な競争を避けつつ、自社サイトへの関心度が高いユーザーのアクセスを効率よく獲得できます。
キーワード選定はキーワードプランナーが便利
キーワード選定は、Googleが公式に提供するツール「キーワードプランナー」が便利です。
下図の通り、キーワードプランナーには主に2つの機能があります。

「新しいキーワードを見つける」機能では、入力したキーワードやウェブサイトから、Googleがキーワード候補を提示してくれます。

「検索のボリュームと予測のデータを確認する」機能では、入力したキーワードの検索ボリューム(月間検索回数)や想定クリック単価などを調べられます。


キーワードプランナー以外にも、ラッコキーワードなど無料で便利なキーワードツールがあるため、積極的に活用していきましょう。
ランディングページを魅力的にする
ランディングページ(LP)は、リスティング広告で広告をクリックした後に表示されるページのことです。
LPは、リスティング広告経由で訪問したユーザーに対して、サービスや商品の魅力を効果的に伝え、行動(商品購入や資料請求)を促す重要な役割を担っています。
クリックされて終わりではなく、しっかり購入・申し込みなどにつながるよう、魅力的なLPを作成しましょう。
LPを魅力的にするために押さえるべきは、以下のようなポイントです。
- シンプルに情報を整理したデザイン
- ユーザーの興味を引く説得力のあるキャッチコピー
- 入力負担を抑えた簡潔なフォーム設計
- 効果を検証するためのA/Bテスト実施 など
また、広告経由の成果を適切に把握して改善を繰り返すには、LPへの「コンバージョンタグ」の設定が欠かせません。
コンバージョンタグは、購入や申し込み完了時に動作する計測用タグで、広告運用の成果を可視化してくれます。
また、Google広告のAIもコンバージョンデータに沿って、運用を改善するため、コンバージョンタグは非常に重要です。

LPの中身も、広告を運用しながら改善を図っていくことが重要です。LPの広告成果が最大化するように改善を施していくことを、LPO(LP最適化)と言います。
運用するなかで素早く改善していく
リスティング広告では、実際の運用データをもとに素早く改善を繰り返していくことが重要です。
成果を最大化するためには、「計画→実行→評価→改善」のPDCAサイクルをスピーディに回していくことが不可欠になります。
日々の運用管理の中でも特に注目すべきポイントとして、以下の3つがあります。
- 広告のクリック率(CTR)
- クリック単価(CPC)
- コンバージョン率(CVR)
この3つの指標の変化を毎日または毎週くらいのペースで定期的に確認し、「改善点」を洗い出しましょう。
以下は一例です。
改善のポイント | 改善例 |
---|---|
CTRの改善 | 広告文の変更、より魅力的な訴求へ変更する |
CPCの改善 | 入札戦略の変更、除外キーワードの設定 |
CVRの改善 | ランディングページの改善、ターゲットの再設定 |
このように、問題点を早期に発見し改善施策を実施することで、成果の出やすい運用体制を構築できます。
少なくない広告予算をかける以上、広告が実際にどのように動いているかを注視し、常に改善の余地を探していきましょう。

毎日広告の結果を確認することが大切ですが、リソース的に難しい場合はリスティング広告運用代行サービスを利用しましょう。
リスティング広告を運用するときの注意点
リスティング広告を運用するときは、次の注意点を必ず理解しておきましょう。
- リスティング違反にならないよう入稿規定を理解する
- 自社以外が登録している商標を含まないようにする
また、キーワードの選定や予算設定などでノウハウが不足していると、広告費ばかりがかさんで成果につながらないこともあります。
運用開始前に十分な知識を準備するか、信頼できる外部の専門家に依頼するのも有効です。
リスティング違反にならないよう、入稿規定を理解する
リスティング広告を配信する場合は、広告媒体ごとに定められた入稿規定を守る必要があります。
特に注意すべきなのが広告文の文字数制限や使用できる記号の種類です。
広告文は基本的にレスポンシブ広告形式を採用しており、次のような文字数の制限があります。
項目 | Google検索広告 | Yahoo!検索広告 |
---|---|---|
見出し | 半角30文字以内(3~15本) | 半角30文字以内(3~15本) |
説明文 | 半角90文字以内(2~4本) | 半角90文字以内(2~4本) |
パス | 半角15文字以内(2本) | 半角15文字以内(2本) |
また、使用可能な記号も細かく規定されています。例えば、「¥」は全角のみ、「$」は半角のみ使用可能です。
規定を守らないと審査時に広告不承認となり、掲載が遅れる場合や掲載自体ができないことがあります。
事前に入稿規定をしっかり確認し、ルールを遵守した広告制作を行いましょう。
自社以外が登録している商標を含まないようにする
リスティング広告では、自社以外が登録済みの商標をキーワードや広告文に使用すると、商標権侵害に問われるリスクがあります。
万が一、他社の商標を使用すると、商標権侵害として広告掲載差し止めや損害賠償の請求をされる可能性があります。
また、各リスティング広告サービス(例:Google広告、Yahoo!広告)では商標権侵害を禁止しており、違反した場合は広告停止やアカウント停止措置が取られることも。
広告を配信する前に、特許庁の公開している商標データベースを検索して、ターゲットにしたいキーワードが商標登録されていないかを確認しておくのがよいでしょう。
リスティング広告代理店(運用代行サービス)を活用しよう
リスティング広告の成功を目指すなら、専門の広告代理店(運用代行サービス)を活用するのもおすすめです。
代理店を活用するメリットは主に以下の通りです。
- 成功確率アップ&成果が最大化できる
- 運用工数が削減できる
- 代理店の専門知識やノウハウが活用・吸収できる
リスティング広告は、費用対効果高く運用するのに、専門知識やノウハウが求められます。
運用経験豊富な代理店であれば、高い確率で成功に導きつつ成果を最大化してくれるでしょう。
なおかつ、広告データの確認や運用改善施策の実施、レポーティングなど、膨大な作業を一任できるのも魅力です。
まあ、成功のためにはリスティング広告代理店選びも重要です。
以下のようなポイントを軸に依頼先に会社を絞り込みましょう。
- 実績と得意分野を確認する
- 費用や料金体系を確認する
- 担当者の質とコミュニケーションを確認する
- サービスの対応範囲を確認する
- 契約期間や解約条件を確認する

これらのポイントを踏まえて複数の代理店から提案を受け、比較検討することで、自社に最適なリスティング広告代理店を見つけることができるでしょう。
リスティング広告の成功事例から学ぶ運用のヒント
ここでは運用のヒントになるような、リスティング広告の成功事例を紹介していきます。
新サービス開始にあたってテストマーケティングとしてリスティング広告を配信

運用目的 | 新規サービスのテストマーケティング |
---|---|
実施施策 | 配信キーワードの入念な選定 除外キーワードの設定 LPの作成/リニューアル |
成果 | テストマーケティング成功と本格的な広告運用を開始 |
弊社シュワット株式会社でも、SEO記事制作代行サービス「記事作成代行ウルトラ」のリリースにあたり、リスティング広告の運用を始めています。
初期段階では、新サービスにつきテストマーケティングをしたかったため、簡易的なLPを作成し配信を開始しました。
ただし、配信するキーワードにはこだわり、「SEO記事制作代行」や「記事作成代行」など、顕在的なニーズのキーワードに絞ってピックアップしています。
配信開始後、運用を進めながら除外キーワード設定を積極的に行い、できるだけ顕在層による検索キーワードに広告が配信されるように調整をしました。
結果、事業として十分黒字で成り立つCPAで広告が回せたため、本格的に予算を割き、LPも現在のデザインに大きくリニューアルしています。
リニューアルの結果、CPAはさらに改善されました。また、LPは現在「SEO記事制作」などSEO側でも検索1位を獲得できており、検索結果の占有に成功。多数のリードを獲得できています。
リスティング広告は、このように新サービスのテストマーケティングに非常に向いています。
リスティング広告の頻出用語一覧【絶対に覚えておきたい】
リスティング広告の運用にあたっては、専門用語の理解は不可欠です。
かなりの種類があり、初心者にとってはハードルになることも少なくありません。
そこでここでは、リスティング広告で頻繁に使用される重要な用語を体系的にまとめ、それぞれの意味を分かりやすく解説していきます。
【重要指標編】広告の効果測定に関わる必須用語
まずは、広告の成果を評価するために最も重要となる指標に関する用語を紹介します。
用語 | 読み方 | 概要 | 計算式 |
---|---|---|---|
インプレッション(Impression) | いんぷれっしょん | 広告が検索結果に表示された回数。 | – |
クリック(Click) | くりっく | 検索結果に表示された広告がユーザーにクリックされた回数。 | – |
CTR(Click Through Rate) | くりっくするーれーと | 広告が検索結果に表示された回数のうち、クリックされた割合。広告文やクリエイティブの魅力を測る指標。 | クリック数 ÷ インプレッション数 |
CPC(Cost Per Click) | こすとぱーくりっく | 1クリックあたりの広告費用。「クリック単価」とも呼ばれる。 | 広告費用 ÷ クリック数 |
CV(Conversion) | こんばーじょん | 商品購入、問い合わせ、会員登録など、広告における最終的な成果。 | – |
CVR(Conversion Rate) | こんばーじょんれーと | クリック数のうち、コンバージョンに至った割合。広告とLPの親和性やLPの質を測る指標。 | コンバージョン数 ÷ クリック数 |
CPA(Cost Per Action/Acquisition) | こすとぱーあくしょん/あくいじしょん | 1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費用。「顧客獲得単価」とも呼ばれる。 | 広告費用 ÷ コンバージョン数 |
ROAS(Return On Advertising Spend) | ろあす | 投下した広告費用に対して、どれだけの売上が得られたかを示す指標。「広告費用対効果」とも呼ばれる。 | 売上 ÷ 広告費用 × 100 (%) |
【アカウント構造編】広告の管理に関わる用語
次に、広告管理のために知っておきたいアカウント構造に関する用語を紹介します。
リスティング広告は、いくつかの階層に分かれた構造で管理されます。
この構造を理解することが、効果的な運用の第一歩です。
用語 | 読み方 | 概要 |
---|---|---|
アカウント | あかうんと | 広告を管理する最上位の単位。請求情報などを管理する。 |
キャンペーン | きゃんぺーん | 広告の目的(例:商品の売上向上、ブランド認知度向上など)や予算、配信地域などを設定する単位。 |
広告グループ | こうこくぐるーぷ | キャンペーンの下に位置し、キーワードや広告文を管理する単位。 |
広告 | こうこく | 実際にユーザーに表示される広告文やバナー、動画など。 |
キーワード | きーわーど | ユーザーが検索した際に、広告を表示させるために設定する単語やフレーズ。 |
【入稿・設定関連編】広告配信の土台作りに関わる用語
次に、広告配信のために知っておきたい入稿や設定に関わる用語を紹介します。
用語 | 読み方 | 概要 |
---|---|---|
キーワードのマッチタイプ | きーわーどのまっちたいぷ | 設定したキーワードと、ユーザーが実際に検索した語句(検索クエリ)をどの程度一致させるかを決める設定。「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」などがある。 |
検索クエリ | けんさくくえり | ユーザーが検索窓に実際に入力した単語やフレーズ。 |
除外キーワード | じょがいきーわーど | 特定の検索クエリに対して、広告が表示されないように設定するキーワード。無駄なクリックを防ぐために重要。 |
ランディングページ(LP) | らんでぃんぐぺーじ | 広告をクリックしたユーザーが最初に訪れるページ。コンバージョンを達成するための重要な要素。 |
広告表示オプション | こうこくひょうじおぷしょん | 広告見出しや説明文以外に、電話番号や住所、特定のページへのリンクなどを追加で表示できる機能。広告の視認性を高め、クリック率の向上が期待できる。 |
品質スコア(品質インデックス) | ひんしつすこあ | 広告の品質を10段階などで評価する指標。キーワード、広告文、ランディングページの関連性などが考慮され、広告の掲載順位やクリック単価に影響を与える。 |
【その他】知っておくと便利な略語・関連用語
その他、広告運用にあたってよく出てくる略語・関連用語を紹介します。
用語 | 読み方 | 概要 |
---|---|---|
GDN | じーでぃーえぬ | Googleディスプレイネットワークの略。Webサイトやアプリなどの広告枠に表示されるディスプレイ広告のネットワーク。 |
YDA | わいでぃーえー | Yahoo!ディスプレイ広告の略。Yahoo! JAPANの提携サイトに表示されるディスプレイ広告。 |
SEM | えすいーえむ | Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング)の略。リスティング広告やSEOなど、検索エンジンを活用したマーケティング手法の総称。 |
リマーケティング (リターゲティング) | りまーけてぃんぐ(りたーげてぃんぐ) | 一度自社のサイトを訪れたユーザーに対して、再度広告を配信する手法。 |

これから運用担当者を目指す方は特に、すべての用語を必ず覚えておきましょう。
【2025年版】リスティング広告運用で注目すべきトレンドと最新情報
リスティング広告で、注目のトレンドと最新情報は以下の通りです。
- AI・自動入札ツールなど運用の自動化が主流に
- ポストCookie時代への本格的な対応
- 検索体験の変革(生成AI)と広告フォーマットの多様化
- 効果測定の高度化とデータ活用の深化
リスティング広告の技術やトレンドは日々変化するため、高いパフォーマンスを発揮するためには、常に最新情報にキャッチアップすることが大切です。
それぞれ解説していきます。

この章はやや専門的な内容が中心になります。
AIによる自動化技術がさらに進化
Google広告のP-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンに代表される、AIによる運用自動化が完全に主流化しています。
単なる入札調整に留まらず、ターゲティング、クリエイティブ生成、配信先までをAIが統合的に最適化。
人間の役割は、AIを使いこなすための戦略立案や、AIの学習源となる質の高いデータ・クリエイティブを提供する、より上流の業務へとシフトしています。

代理店を利用する際も、広告に関するスキルだけでなく、より上流にあたるビジネスサイドの知見・素養が十分にあるかどうかを確認しましょう。
ポストCookie時代への本格的な対応
プライバシー保護のため、サイトを横断してユーザーを追跡する「サードパーティーCookie」という技術が使えなくなりました。
今までは、あなたのサイトを訪れた人に、目には見えない「追跡用のシール(サードパーティCookie)」を貼り、その人が他のサイトで何をしているか追いかけることで、「Aさんが広告を見て商品を買ってくれた」と判断していました。
しかし、「知らないうちにシール(サードパーティーCookie)を貼られて、ずっと行動を見られているのは気持ち悪い」という考え方が世界的に広まり、プライバシー保護のため、この「サードパーティーCookie」を勝手に貼る仕組みが禁止されました。
そこで、2つの新しい技術が登場しました。
拡張コンバージョン(=会員情報を使った答え合わせ)
お客様があなたのサイトで会員登録や購入をした際のメールアドレスなどを、個人が特定できない「秘密の暗号」に変えます。 そして、「この暗号を持つ人が商品を買いましたよ」とGoogleに教えることで、広告をクリックした人と同じ暗号なら「広告のおかげで売れた!」と答え合わせができる技術です。
同意モード(=「データを使ってもいいですか?」の意思表示)
サイト訪問者に「あなたのデータを広告効果の測定に使ってもいいですか?」ときちんと許可を取る仕組みです。ユーザーが「OK」か「NO」か、その意思表示をGoogleに伝えることで、プライバシーに配慮していることを示します。
これらの新しい技術を導入しないと、広告の成果データが途切れ途切れの「穴だらけ」の状態になってしまいます。
データが不正確だと、広告を自動で最適化してくれるAIが「何が正解か分からない…」と混乱してしまい、どんどん的外れな広告配信をしてしまう可能性があります。

しっかりと新しい技術に対応し、正確なデータをAIに与え続けることが、今後の広告運用で成果を出すための生命線となるのです。
検索体験の変革(生成AI)と広告フォーマットの多様化
生成AIによる対話型の検索体験(SGE)が本格化し、検索結果の表示が大きく変化しています。

また、従来のテキスト広告に加え、AIの回答内に表示される広告や、より視覚的なフォーマットが多様化しています。
この新環境に対応するため、P-MAX等では画像や動画といった多彩なクリエイティブアセットを予め用意し、あらゆる広告枠で機会を逃さない戦略が不可欠です。
効果測定の高度化とデータ活用の深化
CPAやROASといった広告指標だけでなく、事業利益への貢献度を測る動きが本格化しています。
CRMデータと広告データを連携させ、顧客生涯価値(LTV)を基に広告の投資対効果を評価するのが新常識に。
短期的な獲得単価に囚われず、長期的に優良な顧客を獲得・育成するための、より本質的な広告運用とデータ活用が求められています。
リスティング広告に関するよくある質問
SEOで検索1位ですがリスティング広告は併用した方が良いのでしょうか?
はい。以下のような理由から多くの場合、併用した方がビジネス機会の最大化に繋がり、非常に効果的です。
①画面占有率を最大化し、競合を締め出せるから
検索結果画面の最上部に表示される広告枠と、その下の自然検索枠の両方を自社で埋めることで、画面の大部分を占有できます。同時に、競合他社の表示を画面の下へと追いやる効果もあります。
②広告をクリックするユーザー層を取りこぼさない
ユーザーの中には、「広告と自然検索を意識せず、一番上にあるものをクリックする層」が一定数存在します。
③メッセージを完全にコントロールできる
SEOの検索結果(タイトルや説明文)はある程度Googleのアルゴリズムに依存しますが、リスティング広告なら訴求したい内容、価格、キャンペーン情報をリアルタイムで確実にユーザーに届けられます。SEOでは難しい、「期間限定セール中!」「今なら20%OFF」といった、タイミングが重要なメッセージの発信が可能です。
とはいえ、以下のような場合は併用が不要です。
- 指名検索(会社名やサービス名)で、競合の出稿が全くない場合
- 収益に全く繋がらない情報提供のみのキーワード
- 広告予算が極端に限られている場合
自社の商品名で検索した際に他社のリスティング広告が表示されていますが対策はありますか?
はい、あります。
以下の2点の方法で対策しましょう。
①広告文での使用停止を求める
配信する広告文に自社の商品名が含まれている場合は、停止要求をしましょう。
また、商標登録している場合は、そもそも商標権侵害にあたります。GoogleやYahoo!に申し立てを行うことで、その広告の配信を停止させることが可能です。
②除外キーワード設定を依頼する
自社の商品名を含むキーワードで広告が配信されている場合、多くはAIによって自動でピックアップされた結果、配信されている可能性が高いです。
そのため、配信企業側も意図していないものである可能性が高いため、できるだけ穏便な除外キーワード設定依頼文を問い合わせフォーム等から送ると良いでしょう。
その他、自社の「指名キーワード広告(商品名を含むキーワードでの広告配信)」の出稿も検討しましょう。
まとめ
ここまでリスティング広告について、基本的な仕組みから実際に運用していく際のポイントまで幅広く紹介しました。
リスティング広告は、少額の予算からでも始めやすく、即効性があるのが魅力です。
ただし、競合の多さによる広告費上昇のリスクや継続コストがかかる点には注意が必要です。
リスティング広告の運用成功のためには、
- ターゲットの明確な絞り込み
- キーワード選定の精度向上
- ランディングページの改善
といったポイントを意識しましょう。
特に初心者の方は、まずは小規模な予算で試しながら、改善を積み重ねることが重要です。
自社の商材やターゲットユーザーに適した運用方法を学び、効果的な広告運用を目指しましょう。
ぜひ本記事の内容を活かし、効果の高いリスティング広告を運用してください。