502 Bad Gatewayとは？原因や対処法・予防策を解説

ネットで検索する際に特定のサイトにアクセスを試みたら「502 Bad Gateway」と表示されたことはありませんか？

502 Bad Gatewayは、サイトのサーバーで何かしら問題が起きた時に発生するエラー表示です。
自分の運営するサイトで、エラーが表示されるとSEOやサイトの収益にマイナスの影響をもたらしかねません。

そこで本記事では、サイト運営者とユーザーそれぞれに向けて、502 Bad Gatewayの概要から原因や対処法・予防策までわかりやすく解説していきます。

502 Bad Gatewayの速やかな対処や未然の防止のためにも、ぜひご一読ください！

502 Bad Gatewayとは？

502 Bad Gatewayとは、Webサイトのサーバーの通信になんらかの問題が発生したことを示すエラーメッセージです。

発生すると画面が以下のようになります。

Gatewayとはコンピューターとサーバーの中継システムのようなもので、その部分に異常が生じサーバーが機能しなくなっている状態が”502 Bad Gateway”になります。

現在ではGatewayを担うものとして、プロキシサーバーが主流です。
ブラウザとサーバーの中間役を担っていて、リクエストとレスポンスを代理で送信する役割を担当しています。

セキュリティの強化やページ表示の高速化などメリット多く、ほとんどのレンタルサーバーにはプロキシサーバーが導入されています。

したがって、もし自分のサイトで502 Bad Gatewayが発生したのであれば、まずはサーバー本体よりもむしろプロキシサーバーでなんらかの問題が発生している可能性を疑いましょう。

ユーザー側から502 Bad Gatewayにできることは特にない

サイトを利用するユーザー側の立場である場合、502 Bad Gatewayに対してできることは特にありません。

502 Bad Gatewayはサイトを運営する側が原因で発生しているエラーなので、サイト運営者が対処を行うのを待つ必要があります。

ただし、502 Bad Gatewayの原因がアクセス集中など一時的なものである場合は、キャッシュクリアで正常なページを表示できる場合があるので試してみましょう。

キャッシュクリア機能は、Chrome、Firefox、Safariなど主要ブラウザには備わっているので、ブラウザの設定画面から操作を行いましょう。

なお、Ctrl + Shift + R (Windows/Chrome) または Command + Shift + R (Mac/Chrome) を押すことでもキャッシュクリアができます。

502 Bad Gatewayによる悪影響

自分の運営しているサイトで502 Bad Gatewayが発生したら以下のように複数の悪影響があるため、スピーディな対処が求められます。

それぞれ見ていきましょう。

SEOに悪影響を及ぼす

502 Bad Gatewayの発生により、以下のような点からSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。

クローラーがページ内容を読み取れなくなる

502 Bad Gatewayが発生すると、Googleのクローラーはそのページの内容を読み取ることができなくなります。

そして放置していると、対象のページはいずれインデックスから削除されてしまうわけです。

また、低品質なコンテンツであると評価されてしま、サイト全体の検索順位が低下する要因となるリスクもあります。

ユーザー行動データが悪くなる

502 Bad Gatewayのページが表示されるとユーザーはすぐに離脱するでしょう。

Googleでは、ユーザーの滞在時間や直帰率などユーザー行動データを検索ランキング要因のひとつとしているため、502 Bad Gatewayにより即離脱するユーザーの割合が多いと検索評価の低下につながります。

以上のように、502 Bad Gatewayは複数の側面からSEOに悪影響を及ぼします。

また、検索評価を落としてしまった後に502 Bad Gatewayから復旧しても、すぐに順位が元に戻るわけではありません。再度評価を得るまでには時間がかかるという点も留意しておきましょう。

502 Bad Gatewayが発生したら迅速に対処するのはもちろんのこと、事前に防ぐように心がけてください。

収益にマイナスの影響を及ぼす

当然ですが、サイトの収益が減少する可能性もあるでしょう。

502 Bad Gatewayになると、そのページにはエラーメッセージ以外に何も情報が表示されません。

ユーザーがせっかくアクセスしてくれてもエラーが表示されれば、すぐに離脱されてしまうでしょう。
せっかく獲得したユーザーを収益につなげられなくなるわけです。

特にリスティング広告やその他のWeb広告を利用して、ユーザーを獲得している場合には、迅速な対処をしましょう。クリック課金型の広告が中心であるため、無駄な広告費を投じることになってしまいます。

502 Bad Gatewayが発生した時に、リスティング広告等を利用しているのであれば、修正が完了するまで広告を一時的に停止することも検討してください。

502 Bad Gatewayが発生する原因

502 Bad Gatewayが発生する原因は主に以下の通りです。

もし502 Bad Gatewayが発生した場合は、まずサーバーのログを確認し、エラーの原因を特定しましょう。
原因がわかることで、講じるべき対策も見えてきます。

原因について、それぞれ解説していきます。

アクセス集中

一時的にサイトへのアクセス（リクエスト）が集中した場合、502 Bad Gatewayが発生しやすくなります。

サーバーに過度な負荷のかかることで、正常な通信を阻害してしまうために画面が表示できなくなるのが原因です。

アクセス集中は、設定の不具合によって起こる症状ではありません。
アクセス数が減少するまで見守ることで回復しますが、サーバーを再起動しても復活します。

テレビで放映されたり、SNSでバズが発生したりといった原因でアクセス集中が発生するため、PR施策の実施でアクセス集中が予測される場合にはサーバーのスペックをあらかじめ考慮しておく必要があります。

また、アクセス集中にともなう502 Bad Gatewayが繰り返し発生するのであれば、サーバーの性能がサイトのアクセス数にマッチしていないかもしれません。

より上位スペックのサーバーに切り替えて、多くのアクセスが集中しても耐えられるようにしましょう。

サーバーのスペック不足

アクセス数に対してサーバーのスペックが不十分だと、過剰な負荷により502 Bad Gatewayが表示されやすくなります。

事例として、レンタルサーバーを低価格なプランで契約し、はじめは問題なくてもサイトのアクセス数が増えてスペックが不十分になってしまうというケースなどが想定されるでしょう。

また、サーバースペックの不足は502 Bad Gatewayにならなくても、サイト速度の低下を引き起こすため、ユーザビリティの悪化を招きます。

サーバーのスペック不足が想定される場合は、よりハイスペックなものへの切り替えを検討しましょう。

サーバーセキュリティの設定不良

502 Bad Gatewayを引き起こす原因として、サーバーセキュリティの設定不良も挙げられます。

主なケースは、ファイアウォールやセキュリティソフトウェアの設定ミスです。

これらのセキュリティ対策は、外部からの不正アクセスや攻撃を防ぐために重要ですが、設定が誤っていると、正当なリクエストまでもブロックしてしまうことがあります。

具体的には、以下のような設定ミスが考えられます。

WAF（Webアプリケーションファイアウォール）の設定ミス

WAFが、特定のパターンを持つリクエストを攻撃と誤認し、ブロックしてしまう場合があります。

ファイアウォールルールが厳しすぎる

ファイアウォールが、プロキシサーバーやCDN（コンテンツデリバリーネットワーク）からのリクエストを不正アクセスと誤認し、ブロックしてしまう場合があります。

セキュリティソフトウェアの設定ミス

セキュリティソフトウェアが、特定のIPアドレスやポートからのアクセスを制限する設定になっている場合、プロキシサーバーやCDNからの通信が遮断される可能性があります。

必要に応じて、ファイアウォールルールを緩和したり、セキュリティソフトウェアの例外設定を追加したりして対策をしましょう。

DNSの設定ミス

DNSに設定ミスがあると、ドメイン名に対応する正しいIPアドレスが取得できず、サーバーへの接続に失敗し、502 Bad Gatewayが発生します。

なお、DNS（Domain Name System）は、ドメイン名とIPアドレスを結びつけるシステムです。

具体的には、以下のようなDNS設定ミスが考えられます。

DNSレコードの誤り

ドメイン名とIPアドレスの対応関係が正しく設定されていない場合、リクエストが誤ったサーバーに送信され、502 Bad Gatewayが発生します。

DNSサーバーの障害

ファイアウォールが、プロキシサーバーやCDN（コンテンツデリバリーネットワーク）からのリクエストを不正アクセスと誤認し、ブロックしてしまう場合があります。

DNSキャッシュの誤り

セキュリティソフトウェアが、特定のIPアドレスやポートからのアクセスを制限する設定になっている場合、プロキシサーバーやCDNからの通信が遮断される可能性があります。

以上のような原因が考えられます。

WordPressのプラグイン

WordPressのプラグインが502 Bad Gatewayエラーを引き起こす原因になる場合もあります。

主に以下のようなケースが考えられるでしょう。

• プラグインの互換性問題：他のプラグイン、WordPressバージョン、テーマとの競合
• プラグインのコーディングエラー：不適切なコードやメモリリーク
• サーバー側の問題：過負荷、設定ミス、障害

特に、WordPressのプラグインが更新された際に、502 Bad Gatewayが発生することが多いです。
プラグインの更新時には、サイトの動きに注意を払いましょう。

対処としては、プラグインの無効化・更新、競合プラグインの特定、サーバーログの確認などが有効です。

コードの記述ミス

HTMLやJavascriptといったソースコードの記述ミスで502 Bad Gatewayエラーが表示される可能性もあります。

スペルミス、括弧の不一致、セミコロンの欠落など、基本的な構文エラーやゼロ除算、存在しないファイルへのアクセス、データベース接続エラーなど、スクリプト実行中のエラーなどが原因です。

その他、無限ループに陥ると、スクリプトが処理を完了できず、タイムアウトとなり、502エラーが返されることがあります。

また、設定ファイルのミスも原因になることがあり、 Webサーバーやアプリケーションの設定ミスにより502 Bad Gatewayエラーが発生する場合があります。

サイトを更新したり、コンテンツを追加したりした際に、ソースコードの記述ミスによるエラーが発生しやすくなるので注意してください。

502 Bad Gatewayの発生した場合の対処法

502 Bad Gatewayを放置していると悪影響があるため、早めに以下の対処を講じましょう。

それぞれ解説していきます。

サーバーの確認

まずは、サーバーで何かしらの問題が起きていないか確認してみましょう。

サーバーに過度の負荷がかかったことで、ダウンしている可能性など、502 Bad Gatewayの原因はサーバーである場合が多いです。

パソコン同様サーバーは再起動することでエラー部分がリフレッシュされ、復活する可能性があります。

サーバーが重たくなっているのであれば、現在使っているスペックではサイト運営が物足りなくなっているかもしれません。

レンタルサーバーの見直しやアップグレードなども検討してください。

DNSサーバー設定の確認

原因の章で解説した通り、DNSサーバーの設定に間違いがあると502 Bad Gatewayの発生する場合があります。

DNSサーバーの設定を変更してから502 Bad Gatewayが発生するようになったら、設定がうまくいっていないかもしれません。

設定不良がないか、一度見直してみると良いでしょう。

サーバーログから作業ミスの有無の確認

502 Bad Gatewayが起きたら、以下のようなポイントに沿ってサーバーログを確認してみましょう。

これらのポイントを踏まえ、サーバーログを注意深く確認することで、502 Bad Gatewayエラーの原因を特定し、適切な対処を行うことができます。

コードの記述ミスの有無を確認

コードの記述ミスが原因だと想定される場合は、ミスのある部分を見つけて、正しい記述に変更しましょう。

人の手で行う作業なので、些細なタイピングミスでも発生する可能性があります。
サイトのソースコードを変更したタイミングで502 Bad Gatewayが発生した場合は、注意を払うようにしましょう。

エラーの発生個所をスピーディに見つけるためにおすすめなのは、こまめなバックアップです。

バックアップを取っておけば、エラー発生前後の記述を比較して問題個所を見つけやすくなります。

ブラウザ・端末側の設定を確認（キャッシュクリア）

502 Bad Gatewayの原因として、ブラウザや端末の設定ミスが考えられる場合は、設定を確認しましょう。

もしネットワークやサーバーをチェックして問題が特定できなかった場合、ブラウザや端末の確認を進めてください。

具体的には設定時に使用した端末とは別のものでサイトにアクセスしてみましょう。

もし接続できれば、端末やブラウザの設定になんらかの問題が起きていると推測できます。

キャッシュや閲覧履歴を消去することで、エラーメッセージが解消される場合もあるでしょう。

ファイアウォール設定の確認

ファイアウォール設定に問題があると想定される場合は、設定が正しいかどうか見直してみましょう。

もし問題点があれば、修正すると問題が解決する可能性もあります。

こちらもバックアップを取っておくことで、エラー前後の違いを見つけやすくなるのでおすすめです。

WordPressのテーマやプラグインを確認

原因の章で解説した通り、WordPressを使っている場合、その設定に問題があって502 Bad Gatewayのメッセージが表示される場合もあります。

特にWordPressの場合サイトのテーマやプラグインのアップデートの際に、エラーが発生しやすいと言われているので注意してください。

問題のプラグインが特定できれば、そちらを削除もしくは停止にしてください。
これだけでもエラーが解消される場合があります。

中にはWordPressのダッシュボードにアクセスしようとしてもエラーになってしまう場合もあるでしょう。
その場合には、サーバー内のプラグインフォルダやテーマフォルダを直接削除するなり、名前変更するなりしましょう。

FTPソフトを利用すれば、直接の対処が可能です。
こちらも変更や更新する際にはバックアップを取っておくと、エラーの特定を迅速に行えます。

PHPのバージョンを確認

原因の章で解説した通り、PHPのバージョンになんらかの問題があると、エラーメッセージの発生する場合があります。

この場合、PHPの設定ファイルを再設定してみてください。
具体的にはバージョンを切り替えて、ファイルの設定をし直してみましょう。

レンタルサーバーで運用しているのであれば、管理画面からバージョンの切り替えが可能です。
いったん前のバージョンに戻して、正しく設定し直してください。

PHPのバージョン変更に伴い、サイト全体に影響を及ぼす可能性があります。
そこでテスト環境で実行するように心がけてください。

502 Bad Gatewayの予防＆再発防止策

502 Bad Gatewayが発生すると検索順位が下がるなどデメリットが多いので、そもそも未然に防ぐことを心がけましょう。

502 Bad Gatewayの予防＆再発防止策は以下の通りです。

それぞれ解説していきます。

サーバーの見直し

サーバーのスペックが現状にマッチしているか、定期的に見直すことは大切です。

サイトへのアクセス数が時間の経過とともに増加し、はじめは問題なくても502 Bad Gatewayが発生するようになる可能性があるので定期的に見直しを行いましょう。

また、スペックが足りないとサイトの速度低下やフリーズなどパフォーマンス低下を引き起こすことにもなります。
特にサイト速度はSEOに直接影響しますし、ユーザビリティ的にも重要な要素。

もしスペックが不足していると思ったら、サーバーを増強したりご契約のプランを見直したりしてみてください。

ソースコードの見直し

サイトのソースコードが複雑だと、ミスが起きやすく502 Bad Gatewayの発生リスクも高まります。
コーディング内容の見直しを図り、エラーの発生リスクを低減させましょう。

社内だけでコーディングの見直しが難しいという場合は、外部のパートナーの手を借りるのも選択肢です。

また、サイトを編集した直後に、記述したコードが誤っており502 Bad Gatewayの発生することはしばしば見られます。そこで実装する前にソースコードを入念に確認してみてください。

実装前にミスに気づければ、502 Bad Gatewayも表示されません。

特に、PHPやMySQLのようなサーバーに直接影響を及ぼすようなプログラム編集は影響が大きいので、いったん入念に確認する習慣をつけましょう。

また、WordPressにプラグインを追加・更新する際にも、502 Bad Gatewayになりやすいので注意してください。

慎重を期すのであれば、いきなり実装するのではなくテストサイトに追加して問題なく稼働していれば自分のサイトに導入すると良いでしょう。

画像やテキストデータの圧縮をする

502 Bad Gatewayは、サーバーへの負担が大きくなった時に発生するエラーですので、画像やテキストデータの圧縮をして負担を軽減することで発生リスクを減らすことができます。

特に画像は容量が大きいため、502 Bad Gatewayの他、サイト速度などにも影響を与えるため、できるだけ圧縮することを心がけましょう。

WordPressを利用している場合、EWWW Image Optimizerというプラグインで簡単に画像サイズが圧縮できます。
簡単な操作で、サイト内の画像をすべて短時間で圧縮可能ですのでおすすめです。

また、画像形式は、サイズの小さい、”jpg”や”Webp”、”AVIF”が推奨されます。

画像の他、CSSやJavaScriptの最適化も有効です。不要なコードを削除したり、圧縮したり、結合することで、ファイルサイズを削減し、読み込み時間を短縮できます。

502 Bad Gatewayを防ぐだけでなく、サイト速度の改善にもつながる方法なのでぜひ実施してみてください。

バックアップを取っておく

サイトに変更を加える際には、サイトのバックアップを取っておく習慣を身につけましょう。

たとえ変更した直後に502 Bad Gatewayが表示されても、バックアップがあれば変更前の状態にすぐにロールバックできます。すぐに502 Bad Gatewayの状態から脱却できるので悪影響を最小限に食い止められるでしょう。

焦らず、なぜ問題が発生したのか時間をかけて分析する余裕も生まれます。

まとめ

ここまで、502 Bad Gatewayについて詳しく解説してきました。

自らのサイトで502 Bad Gatewayが発生すると、そのページの内容が表示されなくなります。
ユーザーの離脱を招き、SEOにもマイナスの影響を与えます。

ここで紹介したように、502 Bad Gatewayの発生する原因は様々です。
502 Bad Gatewayが発生した際はまず原因を特定し、それに合わせた修正を行ってください。

また502 Bad Gatewayが繰り返し発生するのは、現在使っているサーバーが適していないのかもしれません。
サーバースペックの見直しなど、抜本的な解決も視野に入れましょう。