オウンドメディアのKPI設定|指標や具体例、目標設定の流れを解説

オウンドメディアのKPI設定

この記事は、当ブログのコンテンツ制作・編集ポリシーに沿って制作されています。

この記事でわかること
  • オウンドメディアでKPIを設定する重要性
  • オウンドメディアのKPI設定方法や具体例
伊藤寛規

この記事の著者伊藤 寛規

月間5,000万PV越えのWebサービス「mybest」でコンテンツ制作責任者を経験後、弁護士ポータルサイト「ベンナビ」のSEO担当として、コンテンツSEOやテクニカルSEO、新規メディア立ち上げ、CVR/CTR改善などに携わる。ユーザーファーストとSEO最適化を両立したコンテンツ制作が得意。

オウンドメディア運用コンサルタント紹介①渡邉志明

この記事の著者渡邉 志明(シュワット株式会社 代表取締役)

SEO記事制作代行会社の経営者。
これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。

オウンドメディアの運用を始める際に欠かせないKPI設定。

オウンドメディアの進捗度合いの確認や振り返り、PDCAを回すために必要不可欠ですが、実際のところどうやって設定すればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、オウンドメディアにおけるKPI設計の流れを徹底解説。指標となる項目や具体的な数値の考え方、フェーズごとのKPI設定など、目標設定に関する基本知識を余すことなく紹介します。

これからオウンドメディア担当になる方は必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご確認ください。何度も読み返すことで、適切なKPIを設定して成果につなげられますよ。

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参考記事:オウンドメディア戦略設計ガイド|目的・目標設定、運用方法まで

目次

オウンドメディアのKPIとは?指標はなぜ必要?

そもそもKPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、主要業績評価指標という意味になります。
企業や組織が目標を達成するためのプロセスにおいて、達成度合いを評価するための具体的な指標のことで、例えば「売上目標達成のためには営業マンが月間40件商談が必要」というのはKPIです。

オウンドメディア運用においてもKPIを設計することで、メディアの成長・拡大に向けて、より効率的に施策を実施したり、予算を投下したりできるようになります。

また、KPIをオウンドメディア運用のチームやメンバー間で共有することで、全員が同じ目的意識を持って課題に取り組めるようになるのもメリットです。

反対にKPIが設定されていないと、何に向かって業務に取り組めばよいかわからず、成果を出せない恐れも。振り返りもできないので、PDCAを回すことができずに”なんとなく運用”している状態になってしまう可能性もあります。

オウンドメディア運用には、必ず目的が存在します。目的に対してどれくらい進捗しているのかや成果を上げているのかを確認し、より効率的に取り組むためにもKPI設定は必要不可欠なのです。

オウンドメディアのKPI・指標になりうる具体例

オウンドメディア運用におけるKPIの指標となり得る項目は以下のとおりです。

指標となる項目概要
CV(コンバージョン)オウンドメディア経由のCV数
PVオウンドメディアのPV数
SSオウンドメディアのセッション数
UUオウンドメディアのユニークユーザー数
記事内CVRオウンドメディア内の記事におけるCVR
記事内CTRオウンドメディア内の記事におけるCTR(申し込みページなどへの遷移率)
作成記事数オウンドメディアで作成した記事の数
インデックス数公開したページのインデックス数
検索上位表示率(数)公開したページの検索上位率、もしくは検索上位数
SNSシェア数公開した記事のSNSシェア数

オウンドメディアにおけるKPIの指標項目は、自社サイトやSNS、YouTubeなど、どの媒体でコンテンツを配信するかや配信するコンテンツによって異なります。

上記は、自社サイトとしてオウンドメディアを立ち上げた場合に指標となり得る項目です。

これ以外にもYouTubeをオウンドメディアとする場合は、再生回数や登録者数などが指標となり得るでしょう。

オウンドメディアとして立ち上げる媒体ごとに、KPIとして適切な指標を選んでください。

オウンドメディアのKPI設定には「KGI」が必要

オウンドメディアにはKPIの設定が必要不可欠ですが、そもそもKPIを設定するには「KGI」が必要です。

KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、「重要目標達成指標」という意味があります。簡単にいうと、会社のビジネスにおける最終目標やゴールのことです。

出典:いまさら聞けないKGIとKPI|マーケティングにも使える設定手順を解説!

KGIの例としては、「20XX年までに年間売上〇億円」「20XX年までに月間申し込み数〇〇件」などが挙げられます。

オウンドメディアのKPIを設定する際は、KGIを達成するための要素を分解し、オウンドメディアで達成すべき指標を逆算して考える必要があるのです。

オウンドメディアのKPI設定手順

ここからは、オウンドメディアのKPI設定の手順を具体的に解説します。

オウンドメディアのKPI設定手順
  1. KGIを要素分解し、KPIツリーを作成する
  2. KPIの中で”オウンドメディアで達成すべき指標”を洗い出す
  3. KPIごとの具体的な数値を決める

それぞれの手順について、以下で詳しく解説します。

①KGIを要素分解し、KPIツリーを作成する

まずは、KGIを要素分解してKPIツリーを作成します。
KGIを構成する要素を洗い出し、必要な項目を細分化してみましょう。

例えば、最終目標であるKGIが「6か月後のオウンドメディア経由の資料請求数100件」だとした場合のKPIツリーは以下のようになります。

KGIを要素分解してKPIツリーにする

KGIを要素分解すると、KGIは以下の要素で構成されていることがわかります。

  • 資料請求フォームへの流入数:資料請求フォームに何件流入しているか
  • フォームの送信完了率:資料請求フォームの送信完了率
  • セッション数:検索結果からサイトを閲覧した数
  • フォームへの遷移率:サイトを閲覧した人が資料請求フォームに遷移した割合
  • 検索結果表示数:検索結果でサイトが何回表示されたか
  • 検索結果クリック率:検索結果で自社サイトがどれくらいの割合でクリックされたか

それぞれの要素に対して目標を設定することで、何をすべきかが明確になるでしょう。

例えば、資料請求を100件発生させるためにそもそものセッション数が足りていなければ、新しく記事を作成したり、検索順位が低い記事をリライトしたりといった施策が考えられます。

②KPIの中で”オウンドメディアで達成すべき指標”を洗い出す

KPIを設定する際は、要素分解した項目の中から”オウンドメディアで達成すべき指標”を洗い出すことも大切です。

例えば、毎月定額の勤怠管理システムを運営・販売する企業を例に挙げて考えてみましょう。

KGIが「月間売上100万円」だったときに考えられるKPIには、以下のようなものが挙げられます。

  • セッション数
  • 資料請求・申し込み数
  • 既存顧客の解約率
  • 申し込みからの本契約率

しかし、要素分解したKPIのすべてをオウンドメディアで達成する必要があるかというと、そうではありません。

既存顧客の解約率や本契約率は、オウンドメディアで対策できる部分が少なく、どちらかというとカスタマーサービスや営業担当が対策すべき指標といえるでしょう。

KGIから逆算すると大量のKPI項目が荒い出せるので、そのうちのどの部分をオウンドメディアで達成しなければならないのかを考える必要があるのです。

③KPIを施策に落とし込み、具体的な数値を決める

オウンドメディアで達成すべきKPIが決まったら、具体的な数値目標を決めます。具体的な数値目標を決める際は、KPIを施策に落とし込むことが大切です。

先ほどの「6か月目の資料請求件数100件」を達成するためのKPI設定を例にみていきましょう。

資料請求件数を増やすために、まずやらなければならないのはセッション数を増やすことです。仮に、セッションから資料請求までのCVRが1%だとした場合、月100件の資料請求を発生させるには、10,000セッションが必要になります。

しかし、ここでKPIを「6か月後までに10,000セッション&CVR1%達成」としてしまうと、何をすべきかが明確ではなく、具体的な施策・行動が見えてきません。

“6か月後までに10,000セッション&CVR1%”を達成するには何をすべきなのか、施策レベルまで落とし込んでみましょう。

まず、10,000セッションを発生させるには、どれくらいの記事数が必要でしょうか。

仮に、1記事あたりの月間セッション数が100セッションだとすると、10,000セッションを達成するには100記事必要になります。加えて、実際に1記事あたり100セッションを発生させるには、少なくとも検索順位が10位圏内であることが理想でしょう。

また、”セッションから資料請求までのCVR1%”を現実的にするためには、記事内にCTAを設置したり、資料請求フォームを改善したりして、フォームへの遷移率やフォーム送信率を改善する必要もあるでしょう。

ここまでの内容を、それぞれを表にまとめると以下のようになります。

大目標(KGI)中目標(中KPI)小目標(小KPI)
6か月後までに月間資料請求100件6か月後までに月10,000セッション月100セッションの記事を100記事作る
全ての記事で検索順位10位以内を獲得する
6か月後までにセッションから資料請求までのCVR1%記事内にCTAを設置する
資料請求フォームを改善する

ここまでで、KPIを具体的な数字に落とし込むことができました。しかし、KPI設定はここで終わりではありません。

いきなり「100記事作成して全部の記事で検索順位10位圏内獲得」を目標にされても、初月にできることは限られます。中長期的なKGIに向けてKPIを設定する場合は、フェーズごとにKPIを設定する必要があります。

KPIはオウンドメディアのフェーズに合わせて変える

オウンドメディアのKPIは、メディアのフェーズに合わせて設定するのが大切です。

先ほど設定したKPIをフェーズごとに分割してみましょう。

スクロールできます
フェーズ大目標中目標小目標施策・タスク
1か月目資料請求数:0件月セッション:0累計記事数:30記事
検索上位表示率:0%
新規記事作成:30本
2か月目資料請求数:0件月セッション:1,000累計記事数:60記事
検索上位表示率:10%
新規記事作成:30本
フォームのセッション:10セッションフォーム遷移率:1%
フォーム送信率:0%
記事内にCTAを設置
資料請求フォームを設置
3か月目資料請求数:3件月セッション:3,000累計記事数:80記事
検索上位表示率:30%
新規記事作成:20本
記事リライト:10本
CVR:0.1%フォーム遷移率:5%
フォーム送信率:2%
記事内CTAをカテゴリ別に最適化
CTAの設置個所増加
4か月目資料請求数:15件月セッション:5,000累計記事数:100記事
検索上位表示率:50%
新規記事作成:20本
記事リライト:10本
CVR:0.3%フォーム遷移率:10%
フォーム送信率:3%
CTAを記事ごとに最適化
5か月目資料請求数:42件月セッション:8,000累計記事数:100記事
検索上位表示率:80%
記事リライト:30本
CVR:0.525%フォーム遷移率:15%
フォーム送信率:3.5%
CTAのデザイン・ボタン改善:2案でABテスト
フォームデザインの改善:2案でABテスト
6か月目資料請求数:100件月セッション:10,000累計記事数:100記事
検索上位表示率:100%
記事リライト:30本
CVR:1%フォーム遷移率:20%
フォーム送信率:5%
CTAのデザイン・ボタン改善:2案でABテスト
フォームデザインの改善:2案でABテスト

6か月目のKGI達成に向けて、セッション数やCVRなどの要素をさらに細かくフェーズごとに分割しました。

このうち、オウンドメディア運用の初期段階でKPIとして設定するのは「施策・タスク」の部分です。実際に行う施策レベルにまでKPIの数字を落とし込むことで、段階的に目標を達成できるでしょう。

ただし、施策やタスクはあくまでも行動指標です。行動指標だけをKPIにすると、施策をやっていれば目標をクリアできる状態になり、最終ゴールであるKGI達成への意識が薄れてしまいがちです。

そのため、フェーズによって小目標や中目標、大目標もKPIに組み込むとよいでしょう。施策・タスク、小目標、中目標でKPIのウェイトを設定することで、KGIの達成意識を損なうことなく業務に取り組めます。

フェーズごとのKPIのウェイト設定の例は以下のとおりです。

フェーズ大目標のKPIウェイト中目標のKPIウェイト小目標のKPIウェイト施策・タスク(行動指標)のKPIウェイト
1か月目0%0%0%100%
2か月目0%0%0%100%
3か月目0%0%10%90%
4か月目0%10%20%70%
5か月目10%20%30%40%
6か月目20%30%40%10%

行動指標のKPIのウェイトを段階的に減らしていくことで、施策の幅も広がり、メンバーの成長や自立にもつながるでしょう。

なお、ここまで紹介してきたKPIの指標や例は、あくまでも参考にする程度にとどめてください。オウンドメディアの戦略や会社の状況、メンバーの数によって、設定すべき指標や数値は異なるので、自社の状況に応じて適切な数字が何なのか考えてみましょう。

KPIの妥当性を確認できる「SMART」の法則

オウンドメディアのKPIを設定できたら、最後にKPIの妥当性をチェックしましょう。
KPIの妥当性は「SMARTの法則」と呼ばれる5つの項目で確認できます。

それぞれの項目は以下のとおりです。

  • S(Specific):明確かどうか
  • M(Measurable):測定可能かどうか
  • A(Achievable):現実的に実現可能かどうか
  • R(Relevant):ゴールとの関連性があるか
  • T(Time-bound):期限があるか

目標が明確かどうかはKPI設定の流れで解説しましたので、その他の4点について以下で詳しく説明します。

計測できない指標は設定しない

オウンドメディアのKPIは、必ず測定可能な指標を設定しましょう。

セッション数やCVR、フォーム送信数などの数値化できる指標を設定することで、振り返りや課題の洗い出しができ、KGIの達成に向けて動きやすくなります。

測定できないKPIを設定してしまうと達成度合いがわからず、リソースの分配や施策実行の判断ができなくなってしまいます。KPIを設定したら、必ず数量的に測定できる指標になっているか確認しましょう。

オウンドメディアの効果測定ができるツール4選

オウンドメディアのKPIを測定する際に便利なツールを4つ紹介します。

ツール名測定できる指標費用
Google AnalyticsセッションCVCVRUU など無料
Google Search Console検索表示回数検索流入数検索クリック率検索順位 など無料
GRC検索順位月495円~
Ahrefsトラフィック数検索順位ドメインランク被リンク数 など月19,900円~

オウンドメディア運用を行っている多くの企業で取り入れられているツールなので、必要に応じて導入を検討しましょう。

このほかにもKPIの指標を測定できるツールは数多く存在しています。計測したい指標ごとに「〇〇 計測ツール」などで検索して調べてみましょう。

KPIの達成がKGI達成につながるかを確認する

次に、KPIの達成がKGIの達成につながる構造になっているか確認しましょう。

例えば、KPIが「月100件の新規顧客の獲得」、KGIが「月間売上1,000万円」であったときに、新規顧客1件あたりの売上が5万円だと、100件の顧客を獲得しても売上は500万円にしかなりません。

KPIの達成がKGIの達成とイコールになるには、KPIを「新規顧客を200件獲得する」に設定する必要があります。

KPIは段階的に設定するものですが、最終的にKGI達成につながるように設定することを意識しましょう。

KPIの数字は”高すぎ”も”低すぎも”NG

KPIとして設定した数値が現実的に達成可能か、また簡単に達成できてしまわないかをよく確認しましょう。

目標が高すぎて現実的に達成できない場合、現場で働くメンバーの目標達成への意欲が薄れてしまう恐れも。
反対に、目標達成が簡単すぎる場合はメンバーが手を抜いてしまい、会社や事業部の成長につながりません。

高すぎず、低すぎない目標を設定するのは難しいところですが、これまでの実績やメンバーの能力を見極めて現実的な数字を設定してください。

KPIは期限を設定する

KPIを設定する際は、必ず期限も一緒に設けるようにしましょう。

期限を設けていないと、振り返りや分析が行われなくなり「これをやっていればいつか達成できる」という緩い考え方が定着してしまいます。

段階的にKPIを設定する際も、1か月目・2か月目・3か月目など明確な期限を設けて、期限内の目標達成を必達として取り組みましょう。

短期的な目標を期限内に確実に達成していくことが、中長期的な目標の達成にもつながりますよ。

KPI設定はスタート地点!目標達成のための運用ポイント4つ

オウンドメディアのKPIを設定できたら、いよいよ目標達成に向けて運用を開始します。
KPIの設定はあくまでもスタート地点。成果を出して目標を達成するためのポイントも押さえておきましょう。

目標に合わせて必要なキーワードを選定する

オウンドメディア運用で成果を出すために、最も重要といっても過言ではないのが「キーワードの選定」です。

キーワード選定とは、作成するコンテンツを洗い出すことを指し、オウンドメディアのターゲットとするユーザーが抱えている悩みやニーズから逆算して実施します。

キーワード選定を誤ると、成果につながらない記事ばかり作成してしまい、時間もお金も無駄にしてしまう恐れも。正しい方法でキーワードを洗い出し、目標達成までの最短ルートでコンテンツを作成するために、やり方を押さえておきましょう。

キーワード選定の方法は、大きく以下2つです。

  • ターゲットの悩み・ニーズを分析し、軸となるキーワードの周辺キーワードを調査して洗い出す
  • 競合サイトが作成しているコンテンツを調査し、キーワードを洗い出す

なお、キーワード選定の方法については「SEOキーワード選定完全ガイド|実行手順や注意点・活用ツールまで」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

「良質なコンテンツ」を制作できる体制を構築する

オウンドメディアの運用においては、良質なコンテンツを作成できる体制を作ることも非常に重要です。

なぜなら、Googleでは良質なコンテンツを作成することを大切にしているからです。実際、Google検索セントラルでは、検索順位で上位に掲載されるコンテンツについて、以下のように明記しています。

Googleの自動ランキングシステムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。*Google検索セントラルより引用

つまり、ユーザーにとって有益で信頼できる良質なコンテンツを作成し続ければ、検索順位で上位を獲得することができるのです。

良質なコンテンツを作成するには、少なくとも以下のような人員が必要になります。

  • Webマーケター・ディレクター
  • SEOに精通した編集者
  • 自社業界に詳しいライター
  • 業界の有識者・監修者
  • 校閲・校正担当者

特に、ユーザーにとって有益な情報を発信するために重要なのは、その業界に詳しいライターを採用すること。最近のGoogleでは、記事の著者や監修者を重視する傾向にあるので「ライターなら誰でも良い」と考えず、有識者や有資格者を探すとよいでしょう。

オウンドメディア運用を始める際に、成果を求めるあまりに低品質なコンテンツを量産してしまったり、作ったコンテンツの改善・分析を疎かにしてしまったりするケースがよくあります。

オウンドメディアで成果を出すには、一つひとつのコンテンツの質にこだわり、ユーザーにとって有益な情報を発信することを心がけてください。

なお、オウンドメディアにおける記事作成については「オウンドメディアの記事作成完全ガイド|書き方のコツ・制作の流れ」で詳しく解説しています。「良質なコンテンツって何?どうやって作ればいいの?」という方は、ぜひ参考にしてください。

作成したコンテンツは分析・改善を繰り返す

オウンドメディアで作成したコンテンツは、定期的に分析・改善を行いましょう。

一度作成したコンテンツは、オウンドメディア上で資産として蓄積されますが、情報が古くなったり、検索順位が下落したりすることもしばしば。

特に、重要なキーワードやセッション数が多い記事は毎日順位や流入数を確認し、何かあったときにすぐに対応できる状態にしておくのがおすすめです。

Googleの検索順位を決めるアルゴリズムは、日々変動しています。これまで検索順位で上位を獲得できていた記事でも、突然順位が落ちることもあるので注意しましょう。

検索順位が落ちた場合は、競合サイトの記事の内容を調査し、不足している情報や自社が持っている独自の情報を追記するなどして対策が必要です。

なお、コンテンツのリライト方法は「SEOリライトのやり方完全ガイド|コツ・記事選定法をプロが解説」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

コンテンツ制作以外のSEO対策も実施する

事業内容にもよりますが、オウンドメディアへの集客において最も有効なのは基本的にSEO対策です。

SEO対策では、ここまで紹介してきた「キーワード選定」や「コンテンツの制作・リライト」の他以下のような施策を実行する必要があります。

  • SEO外部対策:被リンクやサイテーション獲得してWebサイトの権威性を高める。
  • SEO内部対策:Webサイトの内部構造(コーディング)を最適化し検索エンジンが理解しやすくする。

SEO対策は、以上の施策を実行したうえでのサイトの総合的な評価が競合よりも高ければ、上位が取れるというメカニズムです。コンテンツ制作に関連したいわゆる「コンテンツSEO」施策が最も重要ではありますが、「外部対策」と「内部対策」も欠かさずに行いましょう。

特に、内部対策に関してはオウンドメディア構築段階でできるだけカバーしておくことが大切です。
そのためにも、オウンドメディア未構築という場合は、制作会社のSEO知識の有無を見たうえで、できるだけ慎重に選定しましょう。

なお、オウンドメディアのSEO対策について詳しく知りたい方は、「オウンドメディアのSEO対策完全ガイド【2024年最新版】」を参考にしてください。

初期段階は運用の外注も検討する

オウンドメディアでいち早く成果を出すには、運用の外注化も検討しましょう。

特に、オウンドメディア運用の実績がない企業の場合、ノウハウがないのはもちろん、社内体制を整えるのが難しいことも。運用を外注化することで、以下のようなメリットを得られます。

  • プロのノウハウを活用して最短ルートで成果を出せる
  • 社内に人員やリソースがなくてもオウンドメディア運用を始められる
  • 社内のノウハウ蓄積に役立つ
  • 社内体制を整えるまでの期間だけの契約もOK

外注化は費用がかかるものの、オウンドメディアの運用初期からプロのノウハウを活用できる点がメリット。ノウハウがない状態でコンテンツを作ると、後になって作り直しやリライトの工数や費用が追加でかかります。

最初からプロが記事を作成すれば、後々のリライト工数や費用も安く済むので結果的に費用の節約にもつながりますよ。

なお、外注先のパートナーを選ぶ際は以下のポイントをチェックしましょう。

  • 実績は十分か
  • 自社業界のコンテンツ作成に対応しているか
  • 費用は明確で相場と比べて適切か
  • 契約内容は適切か

実績や費用は言わずもがな、特に重要なのは契約内容です。著作権の扱いや最低契約期間などをよく確認しましょう。

初回の契約時には、トライアルプランなどを活用して短期間で契約するのがおすすめです。トライアル期間中に担当者の対応力やコミュニケーション力を確認し、問題なければ契約を更新するのがよいでしょう。

PDCAを回す中でKPIを変更することも検討する

オウンドメディアで成果を出すには、最初に設定したKPIを柔軟に変更することも大切です。

オウンドメディア立ち上げ段階で設定したKPIは、仮説に基づいて設定されることもあります。メディアの状況や社員の成長度合いに応じて、KPIも柔軟に変更しましょう。

ただし、KPIを変更する際は必ずSMARTの法則に則って妥当性を確認してください。KPIを変更していくうちに、KGIとの関連性が薄れてしまったり、現実的に達成が難しくなってしまったりすると意味がありません。

また、KPIを変更した際は、必ず背景や変更後の数値をメンバーに共有し、全員で共通認識を持って行動できるように心がけましょう。

なお、オウンドメディア運用の流れやポイントについて詳しく知りたい方は、「オウンドメディア運用で成果を出す5つのコツ|成功事例や運用方法も紹介」を参考にしてください。

まとめ|オウンドメディアのKPIで迷ったらプロにご相談ください

本記事では、オウンドメディアにおけるKPI設定の方法について解説しました。

オウンドメディアのKPIを設定するには、KGIから逆算して要素を分解し、より具体的な数字に落とし込むことが重要です。また、フェーズごとに目標数値や指標ごとのウェイトを変更することで、中長期的な目標達成につなげられるでしょう。

オウンドメディア運用の実績がない企業の場合、KPIの設定はもちろん、実際の運用ノウハウがなく、成果がなかなか出ない状況に陥ることも。立ち上げの初期段階は、オウンドメディア運用代行を利用することも検討しましょう。

記事作成代行ウルトラでは、オウンドメディアの運用代行やコンサルティング支援にも対応しています。初期費用0円で記事の作成はもちろん、サイトの構築や施策の立案・実行まで対応させていただきます。

オウンドメディア運用にお困りの場合は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

1997年生まれ。SEOマーケター。
月間5,000万PV越えのWebサービス「mybest」でコンテンツ制作責任者を経験後、弁護士ポータルサイト「ベンナビ」のSEO担当として、コンテンツSEOやテクニカルSEO、新規メディア立ち上げ、CVR/CTR改善などに携わる。ユーザーファーストとSEO最適化を両立したコンテンツ制作が得意。