税理士事務所のSEO完全ガイド！対策すべきキーワードや具体的な施策を解説

「税理士事務所のSEO対策をしたいけれど、何から始めればいいのかわからない…」
「とりあえずホームページは作ったけど、集客にはつながっていない…」

このような悩みを抱えている税理士・税理士事務所の方も多いのではないでしょうか。

近年、税理士の数は増加傾向にあり、税理士事務所でも集客の一環としてSEO対策に乗り出そうとしているところは多いです。

とはいえ、「SEOは専門的な内容が多くてよくわからない」というケースも少なくありません。

そのため、まずは税理士事務所におけるSEOの基本について理解することから始めてみましょう。

本記事では、SEOの基本的な考え方から、税理士事務所として実践しやすい具体的な施策、そして外部に依頼する際のポイントまでを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

「とりあえずSEOについて知っておきたい」「まずはできることから始めたい」
そう考えている方にとって、最初の一歩となる内容をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、そもそもSEO対策とは何か、基礎的な内容から知りたいという方は下記の記事をご覧ください。

税理士事務所がSEO対策をすべき3つの理由

ホームページを運営している税理士の中には、「SEO対策って本当に必要なの？」と感じている方もいるでしょう。

SEOはただの検索順位対策ではなく、新規顧客との出会いを広げる非常に重要なマーケティング手段です。

ここでは、税理士事務所がSEO対策に取り組むべき理由として、以下3つを紹介します。

• 得意な業務に関する問い合わせ増加が見込める
• 認知度拡大・ブランディングにつながる
• 将来的な費用対効果が高い

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

得意な業務に関する問い合わせ増加が見込める

税理士事務所がSEO対策を行う最大のメリットのひとつは、自社が強みとする業務での問い合わせを狙って増やせることです。

そもそもSEOとは、特定のキーワードで検索するユーザーに対して、自社のページを検索結果の上位に表示させることでアプローチするマーケティング手法のことです。

たとえば、「相続税に強い税理士を探している」「会社設立のサポートを依頼したい」といったニーズを持つユーザーが、「◯◯市 相続税 税理士」「会社設立 税理士 法人化」などのキーワードで検索した際に、自社のページが上位に表示されれば、相談につながる可能性があるでしょう。

例えば、「千代田区 相続税 税理士」と調べている人は、千代田区で相続税に関して相談できる税理士を探しています。
そうした検索で上位を獲れれば、問い合わせが見込めるでしょう。　

また、特定分野に特化したページや記事を用意し、検索上位を獲得できていれば、「この事務所はこの業務が得意なんだな」と印象づけることも可能です。

逆に言えば、自社で対応していない業務については、あえてコンテンツを作成しないことで、意図しないユーザーの流入を防ぐことができます。

広告の場合、ある程度は対象ユーザーを絞り込めますが、細かいフィルタリングを行うのは難しく、意図しないユーザーが流入するおそれも。さらに、意図しないユーザーがクリックした場合でも広告費が発生するため、費用が無駄になってしまうデメリットがあります。

その点、SEOではニーズのある人だけに情報を届けることが可能です。対策すべきキーワードを選定することで、質の高い問い合わせを効率的に獲得できるでしょう。

認知度拡大・ブランディングにつながる

SEO対策は単なる集客手段としてだけでなく、税理士事務所の認知度向上やブランド構築にもつながる点で大きなメリットがあります。

たとえば「◯◯市 税理士」や「税理士 無料相談」などのキーワードで検索したとき、自事務所のサイトが繰り返し検索結果に表示されることで、ユーザーの記憶に残りやすくなります。

たとえ自事務所のページがクリックされなかったとしても、何度も見かけることで「この事務所、よく見るな」「知っている名前だな」と感じてもらえるでしょう。

さらに、サイト上で有益な記事や丁寧な業務案内を提供していれば、「この税理士は説明がわかりやすくて信頼できそう」という印象を与えることも可能です。

SEOは、信頼感のある専門家としての立ち位置を築くためのツールでもあります。認知と信頼を同時に高められる点が大きな魅力です。

将来的な費用対効果が高い

税理士事務所がSEO対策を行うメリットとして、長期的なコストパフォーマンスが高い点も挙げられます。

SEOでは、リスティング広告のようにクリックや問い合わせごとに費用が発生することはありません。そのため、SEOで検索上位に表示されれば、広告費をかけずに継続的なアクセスを見込むことができます。

そして、一度上位表示されたページは数カ月、場合によっては年単位で上位に表示され続けることも珍しくありません。

もちろん、SEOには初期のコンテンツ制作やサイト改善のコストはかかります。しかし、それらは資産として蓄積され、長期的な安定集客の土台となってくれるのです。

特に税理士業界のようにリピートや紹介が見込めるビジネスでは、1件の問い合わせが将来的に大きな売上につながる可能性もあるため、費用対効果の観点から見ても、SEOは非常に優れた投資先といえるでしょう。

まずはSEO対策の全体像を理解しよう

そもそもSEO対策では、ターゲットが検索した際に自社のサイトを上位に表示されるようにし、アクセスを獲得。
アクセスしたユーザーを「相談」や「問い合わせ」につなげるマーケティング施策です。

検索した際に入力する言葉のことを「キーワード」と言い、まずはターゲットがどんなキーワードを使っているのかリストアップすることからSEO対策は始まります。

この作業のことを、「対策キーワード選定」といいます。

そして、リストアップしたキーワードで自社のサイト内の各ページが上位表示されるように、様々なSEO対策を行っていきます。

特定のキーワードで検索ランキングが決定する要因を図にすると以下の通りです。

例えば、「確定申告 税理士」といったキーワードで上位表示されたければ、「コンテンツの評価」と「被リンクの評価」と「内部構造の評価」の3つの評価指標を総合的に高める必要があります。

3つの評価指標に連動して、SEO対策は大きく3種類に分けて語られます。

SEO対策は大きく分けて3種類

SEO対策は、大きく分けるとコンテンツ評価を高める「コンテンツSEO」と被リンク評価を高める「外部SEO」、内部構造の評価を高める「内部SEO」の3つに分類可能です。

SEO対策の種類	概要
コンテンツSEO	ユーザーが検索するキーワード（例：「〇〇市 介護施設」）に合わせて、施設紹介やお役立ち記事などのページを作成。施設の魅力や情報を丁寧に届ける施策。
SEO外部対策	外部サイトやGoogleマップでの情報発信を通じて、信頼性や専門性、認知度などを高める施策。MEO対策や業界メディアからのリンク獲得なども含む。
SEO内部対策（テクニカルSEO）	サイトの構造や見出し、スマホ対応、SSL（セキュリティ）など、Googleがサイトを正しく評価できるように整える技術的な対策。

次からは、3種類のSEO対策について、それぞれ税理士事務所が行うべきことやポイントを紹介していきます。

税理士事務所が行うべきコンテンツSEO対策

3種類のSEO対策の中でも、特に重要なのが「コンテンツSEO」です。

コンテンツSEOとは、ユーザーが検索するキーワードに応じて、役立つ情報をわかりやすく発信することで、検索エンジンからの評価を高める施策のこと。

税理士事務所においては、「地域名＋税理士」「相続税 相談」「確定申告 いつまで」など、ユーザーの相談ニーズに基づいたキーワードから逆算式でコンテンツを作成し発信することがカギとなります。

ここでは、税理士事務所が取り組むべき具体的なコンテンツSEO対策について、以下3つの軸で解説します。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

「地域名×税理士」などのエリア系キーワードの対策

税理士事務所がコンテンツSEOでまず取り組むべきは、「地域名＋税理士」といったエリア系キーワードへの対策です。

「◯◯市 税理士」「◯◯区 相続税 税理士」など、ユーザーが地域に根ざしたサービスを探す際に使うキーワードを対策することで、地元の見込み顧客からの問い合わせ獲得につなげることができます。

対策すべき具体的なキーワードの例は、以下の通りです。

• 「新宿区 税理士」
• 「渋谷 相続税 相談」
• 「大阪市 税理士 法人化サポート」
• 「横浜市 開業 税理士」
• 「港区 確定申告 税理士」

これらのエリアキーワードは、競合が少ないケースも多く、早期に成果が見込める可能性もあります。

エリア系キーワードの対策方法

エリア系キーワードへの対策方法は、「特定のひとつの地域に対策するのみ」か、「複数の地域に対策したいか」でややアプローチが異なります。

 特定のひとつの地域で上位表示できればいいという場合

自社が対応している特定の地域のみで上位表示できればいいという場合は、ホームページの「トップページ」がその地域で検索上位に表示されるようにコーディネートすることが重要です。

まず前提として、Googleなどの検索エンジンは検索を行うユーザーの疑問や課題、要望に対して最も”適切”かつ”良質”なページをランキング順に表示するシステムです。

したがって、「○○区　税理士」と調べている人にとって、トップページを最も適切かつ良質なページとすることが検索上位表示のために重要です。

「○○区　税理士」と検索している人は、以下のような検索意図を持って検索しています。

「適切かつ良質なページ」とは、こうした検索意図に対して、「漏れなく」なおかつ「わかりやすく」応えられているページのことを指します。

例えば、トップページ内に事業所の特徴と住所や電話番号しか書かれていなかったら、クチコミを見たい人や料金を知りたい人、依頼の流れを知りたい人の検索意図に応えられていません。

そのため、そうしたユーザーが流入した際、すぐに離脱して他のサイトを見たり、もう一度検索しなおしてしまったりするでしょう。Googleではこうしたユーザーの動きをデータとして記録しており、検索ランキングに反映しています。

また、必要な情報が網羅されていても、ページの文字が小さすぎて読みにくかったり、スマホで見づらかったりすると、情報に漏れがあった場合と同じくユーザーの離脱を招くでしょう。

つまり、ユーザーの検索意図に漏れなく応えつつわかりやすくて見やすいトップページを目指すことが何より重要なSEO対策になるのです。

 複数の地域で上位表示させたい場合

複数の地域で上位表示させたい場合は、地域ごとにページを用意することがポイントです。

「○○区で税理士をお探しなら××税理士事務所」といったページを、地域ごとに作成してください。

ここでも、トップページの時と同じ考え方で検索意図に対して漏れなくなおかつわかりやすいページを目指しましょう。

加えて、ページ同士の内容が重複しないようにすることも重要です。

ページ内容が重複すぎると、重複コンテンツと判定され検索エンジンからの評価が下がってしまう場合が、うまくページ内容を地域ごとに特色が出るよう調整してください。

税金に関するお役立ちキーワードの対策

税理士事務所のSEO対策では、「確定申告 いつまで」「相続税 控除額」など、税金に関する疑問を抱えるユーザー向けのキーワードへの対策も重要です。

これらのキーワードは“今まさに悩んでいる人”が検索しているため、情報提供を通じて信頼を獲得すれば、最終的な相談につながる可能性があります。

狙うべきお役立ち系キーワードの例は、以下の通りです。

• 「相続税 控除額 2025」
• 「確定申告 医療費控除 方法」
• 「インボイス制度 中小企業 対応」
• 「開業費 経費 計上方法」
• 「青色申告 白色申告 違い」

ユーザーがかかる疑問や悩みに応える記事やQ&A形式のコンテンツを作成することで、検索流入が見込めるだけでなく、「この税理士は詳しくて信頼できそう」と感じてもらうきっかけにもなります。

なお、税金関連の情報には専門用語が多く登場するので、初心者にも読みやすい構成を意識することが大切です。

事務所に関する基本的なコンテンツの作成

SEOでは、検索流入だけでなくサイト訪問後に信頼されるための情報提供も重要です。

そのためには、「どんな税理士がどんなサービスを、どこで提供しているのか」がひと目で伝わる、基本情報ページをしっかり整備することが大切です。

最低限そろえておきたいページとしては、以下のようなものがあります。

ページ種別	内容のポイント
トップページ	強み・対応業務・対応エリアを簡潔に紹介
事務所案内ページ	所在地・沿革・代表挨拶・アクセス方法など
業務案内ページ	相続・法人税・確定申告など、業務別に分けて詳述
料金表ページ	項目別の目安料金や相談料、見積もりの有無
よくある質問（FAQ）	初回相談や契約の流れ、対応範囲などを記載
お問い合わせページ	フォーム・電話・メールの連絡手段を明記

これらの基本ページが整っていれば、ユーザーは安心して相談に進むことができます。

SEOと並行して、信頼性向上のためのページ設計も忘れずに行いましょう。

税理士事務所が行うべき内部SEO対策

税理士事務所のサイトは、業務内容や料金、実績など多くの情報を掲載することが多いため、サイトの構造が複雑になりやすく、放置するとSEO評価を下げる原因にもなります。

そこでここでは、初心者が押さえておきたい内部SEOの基本施策として、以下5つを紹介します。

サイト構造はSEOの土台ともいえる重要な要素です。検索順位を安定させ、ユーザーにとっても使いやすいサイトを目指すために、しっかりポイントを押さえておきましょう。

タイトル・見出しタグの最適化

検索エンジンにページの内容を正しく伝えるためには、HTMLのタイトルタグ（title）や見出しタグ（h1〜h3）を適切に設定することが重要です。

HTMLタグは、検索エンジンなどコンピューターシステム向けの言語で、Webページの中で「この文章は何を示しているのか」を構造的に伝えることができます。

たとえば、検索エンジンはHTMLタグの「titleタグが付与されている箇所＝ページ全体のテーマ」「h1タグが付与されている箇所＝そのページの主見出し」と判断し、ページ内容を読み取る大きなヒントとしています。

SEO対策としては、以下のように検索されたいキーワードを、titleタグやhタグに自然に含めることがポイントです。

ただし、キーワードの詰め込みすぎや不自然な表現は逆効果になりかねません。
読みやすさと自然さを保ちながら、検索ニーズに沿った表現を意識しましょう。

具体的な設定方法やルールについては、以下の記事も参考にしてみてください。

トピッククラスターモデルの構築

対応業務が幅広い税理士事務所の場合、SEO対策としてトピッククラスターモデルの構築を行うのがおすすめです。

トピッククラスターモデルとは、特定のテーマ（ピラーページ）に関連する複数の詳細記事（クラスターコンテンツ）を内部リンクでつなぐ構造のこと。

関連するコンテンツをグルーピングしてリンクでつなぐことで、検索エンジンに「このサイトはこのテーマに強い」ということを示すことができます。

たとえば、「相続税対策」というピラーページに対しては、以下のようなクラスター構成が考えられます。

「相続税対策」のトピッククラスターモデル
ピラーページ：相続税対策の方法とは？ 　┗クラスターページ①：相続税の計算方法 　┗クラスターページ②：小規模宅地等の特例とは？ 　┗クラスターページ③：相続税の基礎控除額はいくら？ 　┗クラスターページ④：生前贈与のやり方・注意点

このように記事を内部リンクでつなぐことで、Googleに専門性を強くアピールできます。

また、ユーザーも関連情報をスムーズに読み進められるため、回遊率や滞在時間の向上にも効果的です。

トピッククラスターの詳しい作り方や設計方法は、以下の記事も参考にしてください。

サイトのレスポンシブ化・SSL化

税理士事務所のWebサイトにおいて、スマホ対応（レスポンシブ化）とSSL化（通信の暗号化）は、SEO対策の“必須条件”です。

レスポンシブ化とは、スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるように、画面サイズに応じて自動でレイアウトが調整される設計のこと。現在の検索ユーザーの多くはスマホ経由で情報を探すため、スマホ非対応のサイトは離脱率が高まり、検索順位にも悪影響を及ぼす可能性があります。

実際に、Googleではモバイルファーストインデックスを採用しているため、スマホ対応していないWebサイトの場合、SEOに悪影響があるおそれもあるので注意しましょう。

Google のインデックス登録とランキングでは、スマートフォン エージェントでクロールしたモバイル版のサイト コンテンツを使用します。これをモバイルファースト インデックスと呼びます。
モバイル版のページを用意することは、コンテンツを Google の検索結果に表示させるための要件ではありませんが、非常に強く推奨されています。

引用元：モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法｜Google検索セントラル

またSSL化とは、Webサイトの通信を暗号化して安全性を高める仕組みのこと。SSL化されたサイトはURLが「https://」から始まるのが特徴です。

SSL化がされていない場合、ページを開こうとすると「保護されていない通信」という警告が表示され、ユーザーに不安を与えるだけでなく、SEO評価も下がってしまいます。

個人情報を扱うことも多い税理士事務所の場合、SSL化によって個人情報を保護することは事務所の運営上も非常に重要です。

いずれも基本的な技術対応ではありますが、ユーザーの安心感とGoogleの評価を同時に得るために、必ず実装しておきましょう。

パンくずリストの最適化

パンくずリストとは、ユーザーが「今どのページにいるのか」を示すナビゲーションのこと。ページの上部や下部に以下のような形式で表示されることが多いです。

パンくずリストは、ユーザーにとっての利便性を高めるだけでなく、検索エンジンに対してサイト構造を明確に伝える役割も果たします。

特に税理士事務所のサイトのように情報量が多い場合、パンくずリストを適切に設置することで、ユーザーが迷わず回遊でき、滞在時間や直帰率にポジティブな影響があります。

設定する際は、以下のように対応業務や情報の種別ごとにグルーピングを行い、ユーザーが求める情報にアクセスしやすいような構造を心がけましょう。

税理士事務所のパンくずリスト設定例
トップページ > 対応業務ジャンル > サービス詳細ページ > サービス別の口コミ トップページ > お役立ち記事 > お役立ち記事カテゴリ > 記事 トップページ > 当事務所について > 料金表　　など

さらに、設定したパンくずリストを構造化データ（schema.org）を使ってマークアップすることで、検索結果のスニペットにパンくずリストが表示され、クリック率（CTR）の向上にもつながる可能性があります。

インデックスの最適化

インデックスとは、Googleなどの検索エンジンに自社サイトのページが登録されることを指します。検索結果に表示されるためには、まずそのページがGoogleにインデックスされている必要があります。

しかし、サイト構造が複雑だったり、重複したコンテンツが多かったりすると、重要なページがインデックスされなかったり、逆に不要なページが登録されたりして、SEOの評価に悪影響を及ぼすことがあります。

そのため、ページの数が多い場合はインデックス状況を常に把握し、適切な対策を講じなければなりません。

インデックス対策としては、次のような設定が有効です。

• Googleサーチコンソールでインデックス状況を定期確認する
• robots.txtやnoindex タグを使い、不要なページをインデックスさせない
• canonicalタグで重複コンテンツを正規化する

インデックスの最適化は、サイト全体の評価を健全に保つための“裏側の整備”ともいえます。

そのため、設定方法がわからない場合は、無理に自分で行うのではなく、プロに頼るのがおすすめです。

税理士事務所が行うべき外部SEO対策

SEO対策は、サイト内部の最適化だけでなく、外部からの評価を高める施策＝外部SEO対策も欠かせません。

外部SEOは、他サイトからのリンク（被リンク）や、SNS・地図アプリ上での評価（サイテーションやMEO）など、“ネット上での信頼や話題性”を検索エンジンに伝える役割を担っています。

特に税理士業界のような専門性の高い業種では、他者からの推薦や言及があることで、「この事務所は信頼できる」という評価につながりやすくなります。

ここでは、税理士事務所が実践すべき以下3つの外部SEO対策について、具体的な手法とともに解説します。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

税務関連サイトからの被リンク獲得

被リンクとは、他社のWebサイトから自社サイトへ向けて貼られたリンクのこと。
「バック」と呼ばれることもあります。

検索エンジンは、被リンクを「第三者からの推薦」として評価し、SEOの順位に大きな影響を与える要素としています。

ただし、被リンクであれば何でもOKというわけではなく、運営するメディアや自社事業との関連性があり、信頼性が高いメディア・媒体からのリンクを獲得しなければなりません。

なかでも税理士事務所が狙いたいのは、信頼性の高い税務・経営・地域メディアなどからのリンクです。

具体的には、以下のような方法でメディア・媒体からの被リンク獲得を目指すとよいでしょう。

• 税理士検索サイト・ポータルサイトへ登録する
• 地元のビジネス支援サイトや経済メディアに掲載してもらう
• 税務署や自治体と連携したセミナー情報をWeb上に掲載してもらう
• 専門性のあるコラムや解説記事を外部媒体に寄稿し、著者リンクを設置する

また、自社ブログで独自性のある解説記事を発信し、「参考にしたい」と思われるコンテンツを育てることも、自然な被リンク獲得につながります。

なお、被リンクを獲得する際は、リンクの効力が引き継がれるdofollow設定になっているかどうかの確認が必須です。以下のように、リンク内にnofollowの記載がある場合は、被リンクの効力がない状態なので注意しましょう。

<a href="https://example.com" rel="nofollow">アンカーテキスト</a>

SNSを活用したサイテーション対策

サイテーションとは、自事務所名・住所・電話番号などのいわゆるNAP情報が他サイトやSNS上で言及されることです。

SEOでは、たとえリンクが貼られていなくても、自事務所についてインターネット上で繰り返し言及されることで、検索エンジンからの信頼性が高まるとされています。

特に、エリア系キーワードなどで上位表示を目指すローカルSEOにおいて、Googleは以下のように述べており、サイテーションが重要であることがわかります。

ビジネスについてのウェブ上の情報（リンク、記事、店舗一覧など）も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。

引用元：Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法｜Googleビジネスプロフィールヘルプ

*ここでの視認性とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。

税理士事務所がサイテーション評価を獲得するためには、日ごろからメディア露出をしたり、コンテンツを配信したりするほか、SNSでの情報発信がおすすめです。

たとえば、以下のような投稿を継続的に行うことで、事務所名や所在地などが自然に拡散される機会が増えるでしょう。

• 税制改正の解説や速報
• 相続や確定申告シーズンのアドバイス
• セミナー・相談会のお知らせ
• 専門記事の更新情報

投稿をする際は、事務所名や所在地をしっかり含めておきましょう。SNS活用によるSEO効果については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

MEO対策

MEO（Map Engine Optimization）とは、Googleマップ上でユーザーが検索した際に、自事務所が検索結果の上位に表示されるよう最適化する施策のことです。

MEO対策で重要なポイントは、以下の通りです。

• Googleビジネスプロフィールを登録・最適化
• 営業時間、対応業務、写真（外観・内観・スタッフなど）を充実させる
• ユーザーからの口コミを積極的に集め、返信も丁寧に行う
• 他サイトでも一貫した情報発信を心がける

なお、「◯◯市 税理士」「駅名＋税理士」といったエリア系キーワードの場合、通常の検索結果にGoogleマップが表示されるケースも多いです。

そのため、MEO対策はSEO対策の一環としても非常に有効です。

税理士事務所のSEO対策で重要なこと

ここまで、税理士事務所が行うべき具体的なSEO施策について解説してきましたが、実践するうえでは単にテクニックだけでなく、根本的な考え方や方針も非常に重要です。

特に税務・会計といった「お金・法律」に関わるテーマは、Googleが「YMYL（Your Money or Your Life）」領域として扱っており、専門性・信頼性・実績のある情報でなければ上位表示されにくい傾向があります。

つまり、SEO対策に取り組む際には「検索順位を上げるために何を書くか」だけでなく、「誰がどのように発信しているのか」までが問われるということです。

ここでは、YMYLを意識したSEO対策の考え方や、専門性を活かした独自コンテンツの作り方について、具体的に紹介していきます。

YMYL領域について理解し、E-E-A-T対策を行う

税理士事務所のWebサイトが扱う「相続」「確定申告」「税金対策」といったテーマは、Googleの検索品質評価ガイドラインでYMYL（Your Money or Your Life）領域に分類されます。

Google のシステムでは、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視します。Google はこうしたトピックを「Your Money or Your Life」、または略して YMYL と呼びます。

引用元：有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成｜Google検索セントラル

そして、YMYL領域のSEO対策では、ほかのジャンル以上に高い信頼性・専門性（E-E-A-T）が求められます。

E-E-A-Tとは、Experience（経験）、Expertise（専門性）、Authoritativeness（権威性）、Trustworthiness（信頼性）の頭文字をとった言葉のことです。Googleは、サイトやコンテンツを評価する際にE-E-A-Tを重視すると明記しています。

そのため、税理士事務所のSEO対策では以下のようなE-E-A-T対策を行い、専門性や信頼性、権威性をGoogleに示さなければなりません。

• 税理士本人が執筆・監修したコンテンツを掲載する
• 専門性のある内容を、根拠とともにわかりやすく解説する
• プロフィールや資格、実績など、信頼を裏付ける情報を明示する

以下では、具体的なE-E-A-T対策として「記事監修」や「メディア露出」などについて解説します。

　代表税理士がコンテンツを監修する

YMYL領域におけるSEO対策では、「誰がその情報を発信・監修しているか」が非常に重要な評価要素となります。

特に税務のような専門性の高いテーマでは、税理士本人による監修があるかどうかで、Googleからの信頼性やユーザーからの安心感が大きく変わります。

そのため、ブログ記事やQ&Aコンテンツには、「◯◯税理士事務所 代表 ◯◯◯◯が監修」などと記載し、発信者の専門性や信頼性を示すことが大切です。

さらに、プロフィールページへのリンクを設けて資格・経歴・所属団体などを記載すれば、より信頼度が高まります。

当社でも、著者・監修者情報として代表の情報を掲載しています。

監修者の記載は、SEO対策だけでなくコンバージョン率（問い合わせ率）にも良い影響を与えるため、コンテンツ公開時の必須対応として取り入れましょう。

また、著者や監修者情報については、余裕があれば構造化データをマークアップすることをおすすめします。

構造化マークアップとは、HTML内に「この文章は著者名」「この部分は肩書き」といった意味を記述する仕組みのことで、検索エンジンにコンテンツの発信者や信頼性を正確に伝える役割があります。

詳しくは、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

　所属税理士の露出を増やす

E-E-A-Tの観点では、所属税理士それぞれの「顔」と「専門性」を外部にも発信していくことも大切です。

複数の専門家が在籍し、それぞれが専門分野で活躍している実態を示すことで、Googleに「この事務所は組織としての専門性が高い」と評価されやすくなります。

具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。

• 所属税理士ごとのプロフィールページや顔写真の掲載
• 税理士本人名義によるコラム執筆・署名記事の発信
• 他サイトや業界メディアへの寄稿・監修（例：税理士ドットコム・マネーフォワードなど）
• セミナー登壇・取材協力・SNSでの情報発信の実績紹介

また、メディア露出などをした場合は、事務所サイトにも掲載しましょう。

サイト外の実績と内部コンテンツを結びつけることで、検索エンジンにもユーザーにも「この人たちに任せられる」という印象を与えやすくなります。

専門性を活かした独自コンテンツを作成する

YMYL領域で評価されるサイトを目指すには、税理士としての専門知識を活かし、自社にしか書けない“独自性の高いコンテンツ”を発信することが重要です。

検索エンジンは、他サイトと似たような情報ではなく、一次情報や経験に基づいた内容を高く評価します。

たとえば、以下のような情報は、独自性・信頼性の両面で有効です。

• 実際の相談事例をもとにした解説（匿名化の配慮が必要）
• 特定業種向けの節税や会計処理に関するノウハウ
• 最新の税制改正への対応方法と実務視点での注意点
• 地域ならではの補助金・助成金制度の解説
  

また、コンテンツを作成する際は、ユーザーの検索意図を抜け漏れなく把握し、網羅的に情報を提供することが大切です。また、難しい税務知識をやさしく丁寧に解説することも、ユーザーの信頼を得ることにつながります。

検索ユーザーの多くは初心者なので、「専門家にしかわからない」記事ではなく、「専門家が初心者に向けてわかりやすく書いた」記事を意識しましょう。

質の高いコンテンツの作成方法については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

税理士事務所のSEO成功事例

SEO対策を効果的に実施することで、税理士事務所はオンラインでの集客力を大幅に向上させることが可能です。

以下に、実際に成果を上げた事務所の事例を紹介します。

税理士法人レガシィ｜レガシィマネジメントグループ

税理士法人レガシィは、東京に事務所を構える税理士法人です。

「相続税 いくらから」や「遺産分割協議証明書」など、検索ボリュームが大きい相続系キーワードを中心に、数多くのキーワードで検索上位を獲得しています。

SEO対策で特徴的なのは、「相続の知識」というオリジナルコンテンツを多数配信している点。税理士監修のもと、「マンガでわかる相続」などのトピックで専門的な内容をわかりやすく解説しています。

また、「相続税・申告報酬概算シミュレーション」や「失敗しない相続手続き」などのホワイトペーパーも配信しており、相続に悩むユーザーに役立つ情報・コンテンツが満載。経歴や実績を数字で表示し、信頼性を高めている点も印象的です。

植村会計事務所

植村会計事務所は、東京に事務所を構える会計事務所です。代表が公認会計士・税理士として活動しており、会計・税務に関するさまざまなコンテンツを配信しています。

SEOにおいては、「個人事業主 税理士 丸投げ 費用」や「会社 個人事業主 どっちが得」などの確定申告や法人化に関するキーワードで検索上位を獲得しています。

特徴的なのは、豊富なコンテンツと外部対策。開設から1年前後と運営期間は短いものの、多くのコンテンツと被リンクによってSEOで高い評価を獲得しています。

また、代表のXアカウントでは時事ネタや最新情報などを頻繁に配信しており、日ごろから情報発信を積極的に行っている点も特徴的です。

税理士事務所のSEO対策はプロに依頼するのがおすすめ

SEO対策は、「キーワード選定」「記事作成」「構造の最適化」などやるべきことが多岐にわたるため、本業と両立しながら自力で進めるのは非常に大きな負担となります。

そのため、税理士業務のような専門性が高く、検索ニーズが多様な分野では、プロによる戦略的なサポートを受けるのがおすすめです。

シュワット株式会社では、税理士業界にも対応したSEO支援サービスを提供しています。コンテンツSEOから被リンク獲得支援、内部構造改善、リンク設計のアドバイス、定期的なリライト提案なども含めて、総合的な支援が可能です。

また、国内でもトップクラスのシェアを誇るSEO記事制作代行サービス「記事作成代行ウルトラ」も提供中。

専門ライターがキーワード選定から記事構成・執筆・改善提案までを一貫して対応するため、Web集客の仕組みづくりを安心してお任せいただけます。

「何から始めればいいか相談したい」そんな段階からでも大歓迎です。ぜひお気軽にご相談ください。

税理士事務所がSEO対策以外に行うべきマーケティング施策

SEOは長期的な集客チャネルとして非常に有効ですが、それだけに依存するのはリスクもあります。

特に、税理士業界のように信頼関係が重視される業種では、「直接の接点を持つ仕組み」や「関係を育てる施策」を採用し、より安定した集客と受任につなげることが大切です。

ここでは、SEOと並行して実践すべき以下3つのマーケティング施策を紹介します。

• 公式LINEやメルマガの活用
• ホワイトペーパーの配信
• YouTubeやセミナーなどのユーザー参加型コンテンツの配信

いずれも少人数の事務所でも始めやすく、継続することで信頼性・再訪率を高めやすい手法です。SEOとこれらの施策を掛け合わせて活用することで、集客の幅と安定感をぐっと高めていきましょう。

公式LINEやメルマガの活用

SEOで集客したユーザーと継続的な接点を持つためのツールとして、公式LINEやメルマガは非常に有効です。

特に税理士業務では、申告時期や税制改正などの「タイミング」が重要なため、定期的に情報を届ける仕組みがあることで再相談につながりやすくなります。

たとえば、以下のような情報発信が効果的です。

• 「確定申告の受付開始」などのタイムリーなお知らせ
• 相続税やインボイス制度に関する簡単な解説
• 無料相談会・セミナー開催の告知
• ブログやコラムの更新通知

登録のハードルが低いLINEでは「気軽な接点づくり」ができ、メルマガでは「信頼性ある情報提供」が可能です。

どちらも、SEOでは拾いきれない“その後の関係構築”に役立つ手段として、併用を検討してみましょう。

ホワイトペーパーの配信

ホワイトペーパーとは、特定のテーマについて専門的にまとめた資料のことで、Web上でPDFなどの形式で提供されることが一般的です。

税理士事務所にとっては、「専門性を伝えるツール」としての相性がよく、リード（見込み顧客）獲得にも高い効果を期待できます。

たとえば、以下のようなテーマでホワイトペーパーを作成・配信するのがおすすめです。

• 初めての相続税対策ガイド
• フリーランス向け確定申告チェックリスト
• インボイス制度の対応ポイントまとめ

これらの資料のダウンロード時にメールアドレスや会社名を入力してもらうことで、見込み客との接点を持つことができ、後のフォローにもつなげやすくなります。

YouTubeやセミナーなどのユーザー参加型コンテンツの配信

SEOやメルマガだけでは伝わりにくい「人となり」や「信頼感」を高める施策として、YouTube動画やオンラインセミナーといった“ユーザー参加型コンテンツ”の配信も非常に有効です。

たとえば、以下のようなコンテンツの発信を検討してみましょう。

• 「個人事業主のための確定申告ガイド」などの動画解説
• インボイス制度や相続税改正をテーマにした無料ウェビナー
• 実際の質問に答えるライブ相談会

特にセミナーは、オフラインでの接触機会を通じて信頼関係を築けるため、その後の個別相談や契約につながりやすいのが特徴です。

また、録画した動画をWebサイトに掲載すれば、SEOコンテンツとして活用できる点も大きなメリットといえます。

まとめ

本記事では、税理士事務所が取り組むべきSEO対策の基本から、具体的な施策、成功事例までを網羅的に解説しました。

税理士業界は検索ニーズが明確な分野であり、SEO対策を行うことで「相談される専門家」として自然な集客が実現できます。

特に、「地域名×業務名」といったローカルキーワードや、相続税・インボイス制度などの時事トピックで適切にSEO対策を行うことで、成果に直結しやすくなるでしょう。

「SEOは難しそう」と感じた方も、まずはできることから一歩ずつ始めてみることが大切です。もし自力での運用に不安がある場合は、ぜひシュワット株式会社にご相談ください。