- トピッククラスターモデルの意味やSEO効果
- トピッククラスターモデルの作り方
- トピッククラスターモデルの具体的な事例
この記事の著者:渡邉 志明(シュワット株式会社 代表取締役)
SEOコンサルティング会社の経営者。
これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。
昨今、注目を集めているSEO戦略のひとつ「トピッククラスターモデル」。
検索順位上昇やE-E-A-Tの内の専門性評価向上といった高いSEO効果が期待できるため、多くのサイトで取り入れられています。(弊社でももちろん取り入れています。)
本記事では、トピッククラスターモデルについて、意味やSEO効果から実際の作り方まで徹底解説。
具体的な事例や細かなポイント・注意点まで詳しく解説しているので、ぜひご一読ください!
- 狙ったキーワードで検索上位がとれていない
- 戦略的にSEO対策をしたい
- 検索順位改善だけでなく売上・利益にもつなげたい
現在、上記のようなお困りごとがありましたら、SEOコンサルティングで圧倒的な成果を創出してきた我々『ULTRA』へご相談ください。SEO対策にとどまらず売上・利益などビジネス的な成果を追求し、戦略設計から施策の実行、インハウス化支援まで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。
トピッククラスターモデルとは
トピッククラスターモデルとは、Webサイト内のコンテンツを特定のテーマ(トピック)ごとにグループ化し、それらのコンテンツ同士を内部リンクで結びつけることで、検索エンジンからの評価を高めるためのSEO戦略です。
詳細は後述しますが、トピッククラスター戦略により、内部リンクで結びつけたコンテンツ群全体の検索順位上昇やE-E-A-Tの内の専門性評価向上といった高いSEO効果が期待できます。
トピッククラスターモデルの根幹には、Googleが取得したリンクに関連した特許である「リーズナブルサーファーモデル」というアルゴリズムがありますが、かなり専門的な内容なので興味ある方だけ下記の記事をご覧ください。
トピッククラスターモデルの具体例
新宿の形成外科クリニック「ふるやばし形成外科」の成功事例から、トピッククラスターについて具体的に見ていきましょう。
新宿のような都心部の形成外科クリニックにおいては、”脂肪腫治療”や”粉瘤治療”など、症状で検索しているユーザーを集客することが重要です。
そこで、ふるやばし形成外科では症状単位でトピッククラスターを実施し、SEO対策に大きく成功することができました。
下図のように、粉瘤なら「粉瘤 治療」や「粉瘤 原因」、脂肪腫なら「脂肪腫 治療」や「脂肪腫 原因」、といった形でトピックに関連したコンテンツを制作し、それぞれを内部リンクで結びつけています。
実際のサイトでは、以下のようになっています。
この取り組みにより、ふるやばし形成外科では脂肪腫や粉瘤など各トピックの重要なキーワードで多数の検索1位を獲得。クリニックのホームページとしては圧倒的な月間20万PV弱を実現しており、集患に大きく成功できています。
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ピラーページとクラスターページの意味と役割
トピックラスターモデルでは、コンテンツに対してピラーページかクラスターページかどちらかの役割を与えることになります。
まずは、それぞれの意味について見ていきましょう。
ピラーページとは
ピラーページとは、特定のテーマを包括的に解説する中核となるページです。
そのトピックにおいて、最も包括的な情報を取り扱うページで、トピック全体のことを幅広く解説したような内容になります。
例えば、SEOというトピックであれば「SEO」「SEO対策」「SEOとは」といったキーワードに対策したコンテンツがピラーページになるでしょう。弊社においては下記のページになります。
ピラーページには、検索ボリュームの多いビックキーワードやそのトピック内で最も優先度の高いキーワードに対策したコンテンツが選ばれる場合が多いです。
ケースバイケースですが、基本的にはそのトピック内で最も検索上位表示の優先度が高いページを選ぶのが推奨されます。
クラスターページとは
クラスターページとは、ピラーページのテーマに関連するより具体的な内容を扱うページです。
ピラーページ内では様々な内容を浅く広く解説することになりますが、クラスターページではその各内容を主テーマとしてより詳しく解説するようなコンテンツになります。
例えば、先ほど例に挙げた「SEO」のピラーページ内では、コンテンツSEOや被リンク獲得、テクニカルSEOなどについて浅く広く解説しており、それらをそれぞれ主テーマとしてより深く掘り下げたコンテンツがクラスターページになります。
クラスターページの対策キーワードには、「SEO 費用」や「SEO 効果」といった複数のキーワードが組み合わさったキーワードが選ばれることが多いです。
ピラーページとクラスターページの内部リンクの結び方
ピラーページとクラスターページの内部リンクの結び方を図にすると以下のようになります。
ポイントは下記の通りです。
- ピラーページからすべてのクラスターページにリンクさせる
- すべてのクラスターページからピラーページへリンクさせる
- 関連するクラスターページ同士は相互にリンクさせる
- 別のトピック群のページへの無駄なリンクは避ける(関連性があるページの場合はリンクを結ぶ)
- リンクはできるだけメインコンテンツ内に設置する
内部リンクを設置する際は、以下のようにメインコンテンツの文章の流れの中に自然に関連のクラスター(ピラー)ページへのリンクを設置するのが理想です。
反対に、フッターやサイドバーだけにしか内部リンクを設置しないのはできるだけ避けるようにしましょう。
リーズナブルサーファーモデルの考え方から、価値が低いとみなされます。
以上のようなポイントを抑えて、最適なトピッククラスターを形成しましょう。
なお、内部リンクの貼り方についてより細かな解説は、「トピッククラスターモデルに関するよくある質問」の箇所で行っていますので参考にしてください。
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トピッククラスターモデルはなぜ重要?SEO効果と実施メリット
トピッククラスターモデルは以下のように多くのメリットがあることから、昨今のSEO対策において非常に重要視されています。
- トピックに属するコンテンツ群全体で検索評価が上がる
- E-E-A-TのExpertise(専門性)の評価が上がる
- E-E-A-TのAuthoritativeness(権威性)の評価向上にもつながる
- ユーザー体験が向上する
- ロングテールキーワードSEOと相性が良い
- コンテンツ戦略が明確化する
それぞれ解説していきます。
トピックに属するコンテンツ群全体で検索評価が上がる
トピッククラスターモデルにより、各トピックに属するコンテンツ群全体の検索順位上昇が期待できます。
これには、以下のような複数の理由があります。
- 理由①回遊性が上がることでユーザー行動指標がたまりやすくなるから
-
トピッククラスターにより各コンテンツ同士が内部リンクで結ばれ回遊性があがるため、ユーザー行動指標データがたまりやすくなります。
ユーザー行動指標データとは、Webサイト上でユーザーがどのように行動しているかを数値化したデータのことです。
Googleは、クリック率や直帰率、滞在時間といったユーザー行動指標データを分析し、ランキングアルゴリズムに反映させています。このことは、2024年5月のGoogle社内文書流出でも裏付けが取れました。
したがって、回遊性を高まり良質なユーザー行動指標データをスピーディーにたまりやすくなることにより、コンテンツ群全体で検索評価が上がりやすくなるのです。
渡邉(SEOニキ)ただし前提として、好影響を得られるのは良質なコンテンツを公開できている場合に限ります。コンテンツの質が低いと、ユーザー行動指標データはかえって悪影響を与えますので、ユーザーにとって最良のコンテンツを制作することを常に心がけましょう。
- 理由②内部リンクを結ぶことによりリンクジュースの受け渡しが行われるから
-
トピッククラスター内のページ同士を内部リンクを結ぶことにより、リンクジュースの受け渡しが行われ、コンテンツ郡全体での検索評価上昇につながります。
リンクジュースとは、SEOにおける概念の一つで、あるWebページから別のWebページへのリンクを通じて、評価や権威性が伝達されるという考え方です。
トピッククラスターを通じて高品質な被リンクを多く得ている権威性や信頼性の評価が高いページと他のページを内部リンクで結びリンクジュースを受け渡すことにより、コンテンツ郡全体で検索順位上昇が期待できます。
このように、トピッククラスターは複数の側面から検索評価向上が期待できる戦略なのです。
E-E-A-TのExpertise(専門性)の評価が上がる
トピッククラスターモデルにより、E-E-A-TのExpertise(専門性)の評価が上がるのもメリットです。
E-E-A-Tとは、Googleがサイトやコンテンツを評価する際に重視する4つの要素、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとった言葉。
Expertise(専門性)はその一つで、コンテンツ制作者にトピックに対する必要な知識やスキルの有無があるのかを評価する要素です。
コンテンツ制作者である「掲載元サイト」自体にトピックに対する専門性があるかどうかが評価されるため、トピッククラスターモデルにより関連のコンテンツ数が多くなることで評価上昇が期待できます。
なお、E-E-A-Tについて詳しく知りたい方は、「E-E-A-T(旧E-A-T)とは?評価基準と対策方法20選」を参考にしてください。
E-E-A-TのAuthoritativeness(権威性)の評価向上にもつながる
トピッククラスターモデルによって、間接的にE-E-A-TのAuthoritativeness(権威性)の評価向上も期待できます。
Authoritativeness(権威性)とは、コンテンツ制作者がトピックに関する情報源として人々にどの程度知られているのかを評価する要素です。
直接的に影響を与えるのは”被リンクや”サイテーション”などですが、トピッククラスターによりそのトピックについて包括的に解説することで、人々にトピックの頼りになる情報源として認知してもらえます。
情報源として認知してもらえることで、被リンクやサイテーションなど直接的な評価指標の改善につながっていくでしょう。
このような理由から、トピッククラスターモデルはAuthoritativeness(権威性)の評価向上効果があると言えるのです。
ユーザー体験が向上する
トピッククラスターモデルにより、サイトのユーザー体験が向上するのもメリットです。
関連性の高いコンテンツ同士を内部リンクで繋ぐことで、ユーザーは興味のある情報をスムーズに探せるようになります。
ピラーコンテンツで概要を掴み、さらに詳しい情報を知りたい場合はクラスターコンテンツへ遷移する、といった流れでユーザーを適切な情報へと導くことができるため、離脱も防止可能です。
これにより、サイト全体の滞在時間が増加し、より多くのページを閲覧してもらえる可能性が高まるでしょう。
また、自社サイト内で情報収集が完結し、コンバージョンへとつながる可能性も高まります。
ロングテールキーワードSEOと相性が良い
トピッククラスターモデルを行うことで、トピックに関連するキーワードを網羅的に対策することになるので、ロングテールキーワードSEOと相性が良い点も特徴です。
ロングテールキーワードとは、複数のキーワードを組み合わせた、検索ボリュームが比較的少ないキーワードのことを指します。
例としては、「渋谷 ランチ おしゃれ」「千葉 ゴルフスクール 初心者歓迎」などが挙げられるでしょう。
これらロングテールキーワードには以下のようなメリットがあります。
- ニーズが具体的:「東京 ランチ おしゃれ 個室」のように、ユーザーのニーズが具体的な傾向があります。
- 競合が少ない:競合サイトも少なく、検索結果の上位表示を狙いやすいです。
- コンバージョン率が高い:ニーズが具体的なので、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。
以上のようなメリットから、上位表示が難しい小規模サイトや立ち上げたばかりの新設サイトは特にですが、ロングテールキーワードSEOを行うことが大切です。
トピッククラスターモデルを作成し、効果的なキーワード戦略でSEO対策を進めていきましょう。
なお、ロングテールキーワードについて詳しく知りたい方は、「ロングテールキーワードとは?SEO戦略への取り入れ方と選び方」を参考にしてください。
コンテンツ戦略が明確化する
トピッククラスターモデルにより、コンテンツ作成の指針が明確になり、トピックに関する情報網羅性の高いサイト作りが可能になるでしょう。
コンテンツ制作を進めるうえで、何を作ればよいかと悩むことが無くなり、戦略的に必要なコンテンツに絞って効率的に政策をすることができます。
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トピッククラスターモデルの作り方[対策キーワードを選定する時]
それでは、具体的なトピッククラスターモデルの実施方法を見ていきましょう。
まずは対策キーワード選定時の方法を解説します。
なお、既存コンテンツを整理する時のやり方については、次の章で紹介しています。
- トピックを決める
- トピックのキーワードを洗い出す
- ピラーページの対策キーワードを決める
- ピラーページの構成案を作ってみる
- 構成案を元にクラスターページを決める
- スケジュールを立ててコンテンツを制作する
- 定期的に見直しを行う
それでは、各工程について解説していきます
①トピックを決める
まずは自社サービスのターゲットがどのような検索を行っているかを考え、トピックを決めましょう。
サービスによって、トピックの決め方は千差万別ですが、基本的には以下のような視点に沿って考えると良いでしょう。
- 自社サービスが属するトピックは何か
- 競合サイトはどのようなトピックに対策しているか
- ターゲットユーザーはどのような課題や疑問を持っているか
なお、トピックは1つだけでなく複数になる場合が多いです。
例えば、弊社のトピックには「SEO」「記事制作」「コンテンツマーケティング」「被リンク」などが挙げられます。
②トピックのキーワードを洗い出す
トピックが決まったら、関連するキーワードを洗い出してみましょう。
次の工程でピラーページの対策キーワードを決めますが、適切なものを選ぶためにも全体像を知っておくことが大切です。
キーワードの洗い出し方には以下のような方法があります。
- サジェストキーワード調査ツールで洗い出す
-
ラッコ―キーワードなどのサジェストキーワードツールなら無料で洗い出すことができます。
ラッコ―キーワードを開き、調べたいトピックを単語単位で入力すると以下のように一括で抽出可能です。
- 競合調査ツールで洗い出す
-
競合調査ツールを使用すれば、競合の獲得しているトピックに関連したキーワードを洗い出せます。
ただし、競合調査ツールはすべて有料です。
例えば、「Ahrefs」を使用すれば、以下のようにトピックに関連したキーワードが一括抽出可能です。
キーワードを洗い出したら、次はピラーページの対策キーワードを決めましょう。
③ピラーページの対策キーワードを決める
ピラーページの対策キーワードを、洗い出したキーワードの中から選びましょう。
以下のようなポイントを踏まえてキーワード選定を行ってください。
- 最優先で上位表示したいキーワードを選ぶ
- 幅広い検索意図を持つキーワードを選ぶ
ピラーページには、各クラスターページから内部リンクが結ばれるため、リンクジュースが集まりやすいです。
したがって、基本的には最優先で上位表示したいキーワードを選ぶのが良いでしょう。
また、ピラーページはそのトピックに関連する内容を広く浅く解説するコンテンツになるため、検索意図が幅広いキーワードになることも多いです。
例えば弊社では、SEOのトピックのピラーページの対策キーワードを「SEO」に設定しています。
「SEO」と検索している人は、意味を知りたい人もいれば、具体的な対策方法を知りたい人もおり、検索意図が幅広いです。
広く浅く解説したコンテンツが上位表示されるキーワードであるため、ピラーページの対策キーワードに選んでいます。
④ピラーページの構成案を作ってみる
ピラーページの対策キーワードが決まったら、一度コンテンツの構成案を作ってみましょう。
構成案とは、以下のようにコンテンツのタイトルや見出し、内容を決めたものです。
構成案の作成時には、ユーザーの検索意図を満たし、自社の目標とするゴール(コンバージョン)に導くためにはどのような内容を、どのような流れで盛り込むべきかを検討します。
構成案の出来次第で、コンテンツの検索順位などが大きく上下するのでしっかりと時間をかけて作成してください。
なお、作成方法に関しては、「SEOに強い記事構成案の作り方完全ガイド」で解説しています。
構成案ができたら、以下のように各見出しを読んでいるユーザーは、どのようなキーワードで検索を行っているか書き出してみましょう。この際、先ほど洗い出したキーワードが役に立ちます。
ここで、書き出したキーワードは、クラスターページの対策キーワードになります。
⑤構成案を元にクラスターページを決める
構成案を元に作成するクラスターページを決めましょう。
冒頭でも述べた通り、ピラーページは広く浅く解説したコンテンツ、クラスターページはピラーページ内に含まれる内容を詳しく掘り下げた内容です。
したがって、クラスターページは、ピラーページの各見出しに関連した対策キーワードに沿って作成していくことで網羅することができます。(ピラーページと重複している場合は作成必要なし)
この際、洗い出したキーワードなどを見て、検索意図に対してピラーページの内容が不足しているという場合には見出しの追加を行いましょう。それに合わせて作成するクラスターページも追加してください。
ここまでの工程で、トピッククラスターモデル自体は完成です。
整理してエクセルやスプレッドシートにまとめておきましょう。
⑥スケジュールを立ててコンテンツを制作する
トピッククラスターモデルが完成したら、スケジュールを立ててコンテンツの制作を進めていきましょう。
クラスターページよりもピラーページの方が優先度は高いため、先に制作を進めることが大切です。
コンテンツ制作時には、構成案の作成に加えて、以下のようなポイントも抑えておきましょう。
なお、新規のコンテンツ制作は作成数のKPIを立てたら必ず全うすることが大切です。
内容にこだわりすぎるあまり、公開数が伴わないのがSEOで成果の出ないチームにありがちな失敗です。
公開後のパフォーマンスが悪い場合は、リライトにより検索パフォーマンス改善を図ることが一般的なので、ある程度の妥協点を見つけ、公開数のKPIを遵守しましょう。
ここまでの工程でトピッククラスターモデルの一連の流れは完了です。
⑦定期的に見直しを行う
作成したトピッククラスターモデルは定期的に見直しを行うとよいでしょう。
コンテンツ制作を進めていく中で、新たな対策キーワードや作成すべきページが見つかる場合は往々にしてあります。
また、ユーザーの流入データやコンバージョンデータなどがたまってくるとさらなる発見もあるでしょう。
定期的にトピッククラスターモデルの見直しを行い、より良いサイトを目指していくことが大切です。
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トピッククラスターモデルの作り方[既存コンテンツを整理する時]
ここでは、既存コンテンツを整理する時のトピッククラスターモデルの作り方を解説します。
- 既存コンテンツをトピック単位で分類する
- カニバリの有無を調査する
- 各トピックのピラーページを決定する
- ピラーページの構成を見直す
- ピラーページの構成に沿ってクラスターページを追加・変更する
- 定期的に見直しを行う
各工程についてポイントを見ていきましょう。
①既存コンテンツをトピック単位で分類する
まずは、既存のコンテンツをトピック単位で分類しましょう。
各コンテンツそれぞれに対して、トピックを割り当てスプレッドシートやExcelで整理してください。
なお、場合によってはトピックが2つ以上になるコンテンツもあるかと思いますが、問題ありません。
②カニバリの有無を調査する
トピックの分類が決定したら、一度カニバリの有無を調査してください。
SEOにおけるカニバリ(カニバリゼーション)とは、同一ウェブサイト内の複数のページが、同じキーワードや非常に似た検索意図を持つキーワードで検索結果の上位表示を競い合ってしまう現象を指します。
検索エンジンが、どのページを上位に表示すべきか判断できなくなるため、結果としてサイト全体の検索順位が低下したり、検索順位が不安定になったりする原因となるため、トピッククラスター形成の際に調査するのがおすすめです。
カニバリの調査方法は以下の通りです。
1)検索演算子とGoogle Search Consoleを用いて無料で調査する方法
Googleの検索演算子「site:」と、Google Search Console組み合わせて無料で調査することができます。
まずは、Googleの検索欄に「site:○○.com キーワード」と入力しましょう。
以下のように入力したドメインの指定したキーワードでインデックスされているページが一覧出てきます。
この際、指定したキーワードで上位表示を狙っているページが一番上に来なかった場合は、カニバリが起きている可能性が高いです。メモをしておきましょう。
この方法でざっくりと目星をつけていき、カニバリが起きている可能性が高いキーワードはGoogle Search Consoleで詳しく調査します。
まずはGoogle Search Consoleの、「検索結果(or検索パフォーマンス)」のページを開きましょう。
検索キーワードを指定し、上位のページを確認します。
この際、以下のように複数のページがある場合はカニバリが起きている可能性が高いです。
ただし、2ページ間のクリック数や表示回数、掲載順位に大きな差がある場合はあまり心配はいりません。
反対に、各指標が似たような値になっている場合は、カニバリが起き、Google側でどちらを表示すべきかわからなくなっていると想定されるため、対処を行いましょう。
2)Ahrefs(有料ツール)を用いて調査する方法
有料ツールのAhrefsを使用すれば、ほとんど手間がかからずにカニバリが調査可能です。
以下の動画がわかりやすいので、参考にカニバリ調査を行ってみてください。
③各トピックのピラーページを決定する
さて、コンテンツの分類とカニバリ調査が完了したら、各トピックのピラーページを決定しましょう。
先ほどお伝えした通り、ピラーページは広く浅くトピックに関連する内容を解説するコンテンツになります。
以下のようなキーワードに対策したコンテンツをピラーページに選びましょう。
- 最優先で上位表示したいキーワードを選ぶ
- 幅広い検索意図を持つキーワードを選ぶ
この際、ピラーページにあたるページがないという場合は、新規で制作するか既存コンテンツに内容を追加してピラーページに生まれ変わらせましょう。
④ピラーページの構成を見直す
ピラーページが決まったら、構成案の見直しを行いましょう。
なお、構成の見直し方は新規で作成する際と同じです。
前項の「④ピラーページの構成案を作ってみる」の箇所で解説していますので参考にしてみてください。
⑤ピラーページの構成に沿ってクラスターページを追加・変更する
ピラーページの構成に沿ってクラスターページの追加や変更を行いましょう。
こちらもやり方は、前項の「⑤構成案を元にクラスターページを決める」で解説しています。
⑥定期的に見直しを行う
作成したトピッククラスターは定期的に見直しを行いましょう。
弊社でも定期的に見直しを行いますが、毎回時代の変化とともに新たに登場するキーワードを見つけられたり、自社のトピッククラスターの改善点が発見出来たりするものです。
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トピッククラスターモデル作成時に役立つツール
トピッククラスターモデル作成時に役立つツールをキーワードツールを中心に紹介していきます。
ツール名 | トピッククラスターモデル作成時の活用法 |
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ラッコキーワード | サジェストキーワードの洗い出しができる無料ツール |
Ahrefs | 競合キーワードの洗い出しができる有料ツール |
Googleキーワードプランナー | キーワード別検索ボリュームの調査ができる無料ツール |
キーワードマップ | トピック単位でキーワードをまとめてくれる高度な有料ツール |
それぞれ特徴や使い方を紹介していきます。
ラッコキーワード【無料】
ラッコキーワードは、無料で使用可能なキーワード分析ツールです。
トピッククラスターモデル作成時には、サジェストキーワードの抽出に使用されます。ツールを開き、調べたいキーワードを入力すると、以下のようにサジェストキーワードを一括で抽出することが可能です。
無料会員に登録すれば、全キーワードのクリップボードへのコピーやCSV抽出などもできるようになり、SEO担当者にとっては非常に役立つツールです。
サジェストキーワード抽出の他、上位記事の見出し分析や共起語分析など便利な機能が無料で使用できます。
多くのSEO担当者を助けてくれた偉大なツールです。深く感謝。
Ahrefs【有料】
Ahrefsは、全世界60万人に導入される有名なSEO分析ツールです。
トピッククラスターモデル作成時には、競合キーワード調査ツールとして使用されます。
Ahrefsを開き、調べたい競合サイトのURLを入力することで、検索表示をしているキーワードが以下のように一覧で抽出可能です。
キーワードの検索ボリュームや競合の獲得順位、獲得流入数といった情報を一覧で見ることができます。
また、以下のように調べたいキーワードを含むものだけ抽出することもでき、トピック単位で競合が獲得しているキーワードを簡単に調査することが可能です。
競合キーワード調査の他、被リンク分析や権威性分析、リンク切れチェックなど本格的なSEOに欠かせない機能を多数搭載しています。
機能数が多く、どちらかというとSEOのプロに好まれているツールです。
同様の海外の有名な有料ツールであれば、SemrushやMoz Proも人気なので、本格的にSEOを進めるならどれかを選ぶとよいでしょう。
Googleキーワードプランナー【無料】
GoogleキーワードプランナーはGoogle公式のキーワード支援ツールです。
Google広告を一定額配信していないと一部の機能が制限されますが、無料で使用することができます。
トピッククラスターモデル作成時には、キーワードの検索ボリュームの調査に使用されます。
Googleキーワードプランナーを開くと、以下のような画面になります。
調べたいキーワード数が1~2個など少ないときは「新しいキーワードを見つける」、多いときは「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックしましょう。
ラッコキーワードで抽出したキーワードの検索ボリュームを一気に調べたいときは、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」の方を使用します。
ラッコキーワードで調べたいキーワードのサジェスト一覧を出したら、以下画像右上の赤枠位置にある「全キーワードコピーをクリックしましょう。
全キーワードコピーしたら、キーワードプランナーの入力枠の中にペーストし、「開始する」をクリックしてください。
以下のように、入力したキーワードの検索ボリュームが一括で調べられます。
注意点として、Google広告を一定額配信していないと検索ボリュームが100~1000というように、大体の数値で出てきてしまいます。
Google広告を配信していれば正確なボリュームが出てきますが、今後配信予定がないという場合は、大体の数値で我慢するか、使いやすさは格段に落ちますが別ツール(aramakijakeなど)を使うか検討してください。
キーワードマップ【有料】
キーワードマップは、国産の有料SEO分析ツールです。
多彩な機能を搭載しており、トピッククラスターモデル作成に役立つ機能を複数搭載しています。
いくつか機能を見ていきましょう。
ワードマップ機能
キーワードに関連するユーザーニーズや検索意図を可視化することができます。
キーワードに紐づく掛け合わせの語句やそれぞれの関係性が図で可視化されるため、トピッククラスターモデル作成に役立つでしょう。
ニーズマップ機能
キーワードに関連するユーザーニーズをテーマごとに分類し、可視化してくれる機能です。
こちらもトピッククラスターモデル作成に役立ちます。
上記の他、サジェストキーワードの抽出や検索ボリューム機能の調査などトピッククラスターモデル作成に必要な機能を一通り備えています。
費用は月10万円程度とそれなりにしますが、本格的にSEOを進めていく場合にはおすすめです。
なお、おすすめのキーワードツールについて詳しく知りたい方は、「無料のキーワードツール5選!有料ツールやプロの活用法も紹介」を参考にしてください。
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トピッククラスターモデルの事例
ここでは、トピッククラスターモデルの成功事例から、いかに強力なSEO戦略であるかを見ていきましょう。
事例①ドメインパワーは競合に比べて”圧倒的に低い”のに検索順位は”圧倒的に高い”
SEOにおいて、ドメインの被リンク評価を表すドメインパワーは重要な要素の一つです。
例えば、多くの被リンクを集めているドメインパワーの強い大手企業のサイトは多少コンテンツが低品質でも、検索で上位表示されていると感じたことのあるSEO担当者も多いのではないでしょうか。
冒頭で紹介したふるやばし形成外科も、ツールで調査すると以下のようにDR(ドメインレート)※が11と決して高くありません。※DRはドメインパワーとほぼ同様の指標です。
しかし、トピッククラスターにより「粉瘤」や「ほくろ」といった各トピックでコンテンツを充実させたことにより、「粉瘤 新宿」「ほくろ除去 新宿」といった重要な検索キーワードでは上位を独占することができています。
ドメインパワーの高い大手の医療法人のサイトもある中、トピッククラスターにより高い成果を出すことができているのです。
高い検索順位が取りやすい大手webサイトは、検索ボリュームの高いピラーページのコンテンツしか作らない傾向にあります。
したがってトピッククラスターは、小規模サイトや新設サイトが大手がやらないようなクラスターページまで作成することによりサイトの専門性を高め、大手に勝利することが戦略でもあるのです。
事例②新設サイトが歴史ある大型サイトに勝利
弊社の運営するお店のレジの販売サイト「BESPRA」も設立8カ月ほどですが、トピッククラスターにより歴史ある大型サイトに勝利できています。
例えば、多くのリード獲得ができる重要キーワード「POSレジ ランキング」では、上場企業が運営する競合サイトが多数ひしめく中で検索1位※を獲得できています。※2024年8月時点
BESPRAでも、トピッククラスター戦略を取り入れており、POSレジに関連したコンテンツを150件以上掲載しています。
他社の大型サイトでは多くてもPOSレジに関するコンテンツが50件程度なので、専門性のスコアが上回り、新設サイトながら検索順位で勝利することができているのです。
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トピッククラスターモデルに関するよくある質問
ここでは、トピッククラスターモデルに関するよくある質問に対してQ&A形式でお答えしていきます。
他のトピッククラスターにリンクを貼らない方がいい?
はい。基本的には関連性の全くない他のトピッククラスターには極力リンクを貼らない方が良いです。
理由として、リンクを通してPageRankが配分されてしまうことが挙げられます。
ただし、リーズナブルサーファーモデルのアルゴリズム的にPageRankの受け渡しはそこまで大きくありませんので、サイトの仕様上どうしても貼らざるを得ない場合は問題ありません。
なお、関連性はあるがトピッククラスターは別だというケースの場合は、リンクを貼っていただいてOKです。
あくまで重要なのはユーザビリティであることを念頭にリンクの配置や内容を検討しましょう。
サイドバーやフッターにまとめてトピッククラスターのリンクを貼っちゃうのはあり?
はい。ありですが、できるだけメインコンテンツ内にもリンクを貼るようにしましょう。
リーズナブルサーファーモデルのアルゴリズム上で、フッターやサイドバーにあるリンクはクリックされにくいとみなされており、PageRankの配分量が少ない(リンクを貼る効果が薄い)です。
反対にメインコンテンツ、そしてメインコンテンツ上部のファーストビューで表示されるエリアはリンクが評価されやすくPageRankの配分量も多くなります。
トピッククラスターの各ページへのリンクは自然な形でメインコンテンツ内に含むようにしましょう。
ピラーページへのリンクはコンテンツ上部に含んだ方がいい?
はい。重要度の高いピラーページへのリンクなどは、メインコンテンツ上部(ファーストビューでスクロールなしで表示される場所)に設置するようにすることが推奨されます。
先ほど解説した通り、Googleはリンクの位置によって評価を変えており、ファーストビューでスクロールなしで表示される場所に設置されたリンクは評価が高くPageRankの配分量が多くなる仕組みです。
したがって、ピラーページやその他上位表示の優先度が高いページへのリンクを自然な形で含むことが推奨されます。
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まとめ:トピッククラスター戦略=ランチェスター戦略
ここまで、トピッククラスターモデルについて詳しく解説してきました。
トピッククラスター戦略は、SEOにおけるランチェスター戦略とも言えるでしょう。
ランチェスター戦略とは、市場における競争を「強者」と「弱者」の視点から分析し、それぞれの立場に応じた最適な戦略を立てるための理論です。
ランチェスター戦略の基礎となる2つの法則は以下の通りです。
- 第一法則(弱者の戦略)
- 局地戦、接近戦を想定
- 兵力(市場シェア)が小さい企業が、大企業に勝つための戦略
- 製品・サービスの差別化、ニッチ市場への集中、顧客との密接な関係構築などが重要
- 第二法則(強者の戦略)
- 広域戦を想定
- 兵力(市場シェア)が大きい企業が、その優位性を維持・拡大するための戦略
- 広告宣伝、規模の経済によるコスト削減、多角化などが重要
トピッククラスター戦略は、まさにSEOにおける弱者の戦略だと言えるでしょう。
特定のトピックでコンテンツ数を増やし、専門性を高めて大手サイトに局地戦で戦える戦略なのです。
SEOで成果を難しい小規模サイト・新設サイトは、ぜひ本記事で紹介したトピッククラスター戦略を取り入れ、高い成果を創出していきましょう。
- 狙ったキーワードで検索上位がとれていない
- 戦略的にSEO対策をしたい
- 検索順位改善だけでなく売上・利益にもつなげたい
現在、上記のようなお困りごとがありましたら、SEOコンサルティングで圧倒的な成果を創出してきた我々『ULTRA』へご相談ください。SEO対策にとどまらず売上・利益などビジネス的な成果を追求し、戦略設計から施策の実行、インハウス化支援まで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。