ドメインパワーとは?SEOへの影響やチェック方法・正しい上げ方

ドメインパワーとは
この記事でわかること
  • ドメインパワーの意味やSEOへの影響・重要度
  • ドメインパワー計測の仕組みや調べ方
  • ドメインパワーの正しい上げ方
オウンドメディア運用コンサルタント紹介①渡邉志明

この記事の著者渡邉 志明(シュワット株式会社 代表取締役)

SEOコンサルティング会社の経営者。
これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。

SEO対策に取り組むにあたりドメインパワーという言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ドメインパワーについて、概要からSEOに与える影響、計測の仕組み、正しい上げ方まで解説。

SEO会社目線から詳しく解説している記事となっています、

ぜひご一読ください!

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目次

ドメインパワーとは?

ドメインパワーとは、Webサイトが検索エンジンからどの程度信頼性権威性があると評価されているかを数値で測る指標です。

Googleが公式に発表している指標ではありませんが、SEO業界では広く認識され様々なSEOツールで測定ができるため、SEO外部対策の成果指標として多くのサイトに重視されています。

0~100の数値で表され、数値が高いほどドメインパワーが高いです。
下記は、実際のドメインパワー測定例になります。

ドメインパワーの測定例
出典:パワーランクチェックツール

なお、ドメインパワーは、”ドメインランク”や”ドメインオーソリティ”、”DR(ドメインレート)”など、ツールによって様々な呼び方をされています。

ドメインパワーが高いサイトは、検索エンジンから質の高いサイトと評価され、検索結果の上位に表示されやすい傾向にあるため、SEO対策の指標の一つとして強化を行うサイトが多いです。

ドメインパワーはなぜSEOにおいて重要なのか?

ドメインパワーは、SEOにおいて重要だとされる理由は以下の通りです。

  • ドメインパワーと検索ランキングには相関関係がある
  • ドメインパワー改善がE-E-A-T対策につながる
  • ドメインパワーが高いサイトはインデックスが短期間で行われる

それぞれ解説していきます。

ドメインパワーと検索ランキングには相関関係がある

ドメインパワーと検索ランキングには相関関係があることが明確に示されています。

海外SEOツール大手「Ahrefs」が、218,713件のドメインについてDR(ドメイン評価)と検索ランキングの相関関係の調査を行ったところ、下図の通り明らかな相関関係がみられました。
※ドメインパワーとほぼ同様の指標です。

出典:Ahrefs

ドメインパワーはSEOにおいて重要なランキング要因である”被リンク評価”などを元に算出されている値なので検索順位と相関関係にあるのは当然だと言えるでしょう。

したがって、SEO対策の一環としてドメインパワーの向上を目指すことは重要です。

ドメインパワー改善がE-E-A-T対策につながる

ドメインパワーの改善は、Googleの検索評価指標であるE-E-A-T対策にもつながります。

E-E-A-Tとは、Googleがウェブサイトやコンテンツの品質を評価する際に重視する、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4つの要素の頭文字を取ったものです。

E-E-A-T

Google公式文書内で、ドメインパワー測定に用いられている被リンク評価(≒ページランク)が、Trustworthiness(信頼性)とAuthoritativeness(権威性)の評価を決定するアルゴリズムに用いられていると明確に述べられています。

Google のアルゴリズムは、信頼性と権威性に相関するページに関するシグナルを特定します。これらのシグナルの中で最もよく知られているのは PageRank です。これは、Web 上のリンクを使用して信頼性を理解します。

引用:Google「How Google Fights Disinformation」

良質な被リンクを獲得して、ドメインパワーを改善することはE-E-A-T評価の向上にもつながるのです。

なお、E-E-A-Tについて詳しく知りたい方は、「E-E-A-T(旧E-A-T)とは?評価基準と対策方法20選」を参考にしてください。

ドメインパワーが高いサイトはクロール-インデックスが短期間で行われる

ドメインパワーが高いサイトはクロール-インデックスが短期間で行われるため、公開・更新後に検索結果に反映されるスピードが速いです。

ページを公開し検索結果に表示されるまでの仕組みは以下のようになっています。

まず、クローラーがページの情報を取得し、検索結果画面にインデックス(表示)、その際アルゴリズムを元に検索ランキングが決定するという仕組みです。

ドメインパワーの高いサイトやページは、クロールの頻度が高いことが分かっています。
※厳密には、ドメインパワーの指標の一つであるページランクが高いサイトのクロール頻度が高い。

クロールの頻度が高いということは、それだけ短期間でインデックスする可能性が高いということなので、ドメインパワーを高めることでページ公開から短期で流入を生めるようになるというわけなのです。

ドメインパワーを構成する要素・計測の仕組み

ドメインパワーを構成する要素や計測の仕組みは使用するツールによって様々ですが、主に以下の通りです。

  • 被リンク評価:被リンクの数や質、多様性、スパム安全性などが加味されます。
  • コンテンツの質や量:検索意図を満たす質の高いコンテンツの数などが加味されます。
  • ドメインエイジ:ドメインの運用期間が長いほど、一般的にドメインパワーは高くなります。
  • サイトの信頼性:セキュリティ対策やユーザー体験が良いなど、信頼できるサイトは評価が高くなります。
  • テクニカル要素:サイト速度やモバイルフレンドリーなども影響します。
  • ソーシャルシグナル:SNSでの共有数やいいね数なども、間接的にドメインパワーに影響を与えます。

一定の知識を持つSEO担当者なら当然わかりますが、上記の各要素は一般的にSEOにおいて重要と言われるものです。
したがって、これらの要素を総合して数値化した「ドメインパワー」を高めることは、検索ランキング向上につながると多くのSEO担当者に考えられているのです。

なお、先ほど述べた通り構成要素や計測の仕組みはツールによって全く異なりますが、どのツールで計測時に共通して用いられているのは”被リンク評価”です。

一般的にSEO業界で「ドメインパワーを強化する」というと、被リンク評価の改善施策を指す傾向があります。

ドメインパワーは平均どれくらい?目標値の目安は?

ドメインパワーの数値は計測する数値によって異なりますが、一般的な平均値は30~40程度です

どれくらいを目指せばいいの?という質問をいただくことが多いですが、目標値はサイトが狙う対策キーワードの競合性によって大きく異なります。
SEOで上位を争う競合サイトのドメインパワーを測定し、大体の目標値を決定するとよいでしょう。

ドメインパワーの数値による”強さ”の基準の目安は以下の通りです。

ドメインパワー強さの目安
0新規サイト
1~29ドメインパワーが弱い
30~49平均的
50~59ドメインパワーが強い
60~69ドメインパワーがかなり強い
70~79ドメインパワーが非常に強い
80以上トップクラス

例えば、転職サイトを立ち上げて、リクナビやマイナビなど大手転職サイトよりも上位を目指していくという場合には、80以上のドメインパワーを目指していくことになります。(膨大なリソースが必要です。)

また、ドメインパワーを計測する際は”信頼性が高い”複数のチェックツールを使用するのが適切です。
計測時に1つのツールしか使わない、データの精度が低いツールをつかってしまうといったことをすると、正確なドメインパワーがわからないのでご注意ください。

弊社が選ぶ、信頼性の高いドメインパワーチェックツールは次の章で紹介します。

ドメインパワーが計測できるチェックツール4選【無料あり】

ドメインパワーが計測できるチェックツール4選を紹介します。

ツール名計測に使用される要素
Ahrefs被リンク評価(被リンクの質や数など)
Moz Pro被リンク評価
Majestic被リンク評価
パワーランクチェックツール被リンク評価、ドメインエイジ、モバイルフレンドリー、サイト速度など

それぞれ使い方や特徴を詳しく見ていきましょう。

Ahrefs

Ahrefsは、全世界60万人が導入する世界的なSEO分析ツールです。
ドメインパワーと似た指標であるDR(ドメインレーティング)やUR(URL評価)を調査することができます。

ahrefs

特にURは、Googleの特許技術であるページランク(Pagerank)の式を元にしているため信頼に足るものだと言えるでしょう。ページランクとは、被リンクの質や数を元にページの品質を評価するGoogleの特許技術で今も検索ランキング要因として用いられています

Ahrefsは有料ツールではありますが、”DR”だけであれば無料で調査可能。
操作は簡単で、調べたいサイトのURLを入力するだけです。

まずは「ウェブサイト “権威性 “チェッカー」にアクセスし、調べたいサイトのドメインを入力してみましょう。

Ahrefsのウェブサイト権威性チェッカー

すると、以下のようにDR(ドメインレーティング)が数値で表示されます。

Ahrefsのウェブサイト権威性調査結果

Ahrefsは世界的なツールの一つで、データ精度の高さにはそれなりに信頼がおけるでしょう。

Moz Pro

Moz ProもAhrefs同様に、世界的に有名なSEOツールです。
ドメインパワーと似た指標であるドメインオーソリティ(権威性)を調査することができます。

Moz Pro

有料ツールですが、会員登録すると月10回まで無料で調べられます。
Moz Proのリンクエクスプローラーを開き、調べたいサイトのURLを入力しましょう。

Moz Proでドメインオーソリティを調べる方法

すると、以下のようにドメインオーソリティが調べられます。

Moz Proを使ったドメインオーソリティの調査結果

Moz Proを使っていくつかのサイトを調査しましたが、日本国内の小規模サイトに対するデータ精度はやや悪かったです。比較的ドメイン取得日から日が浅いサイトはデータが不足しており、実数値と測定データに乖離が見られました。

Majestic

Majesticも有名な海外SEOツールです。
ドメインパワーと似た指標であるTrust Flow(トラストフロー)という指標を調べることができます。

Majestic

Majesticのトップページを開き、調べたいサイトのURLを入力してください。
すると以下のようにトラストフローの値を無料で調査することが可能です。

なお、MajesticもMoz Pro同様に、小規模サイトに対してだとデータ精度がイマイチでした。

パワーランクチェックツール|アクセスSEO対策ツールズ

パワーランクチェックツールは、国産のドメインパワー調査ツールです。
ゲストユーザーであれば1日3回、会員登録すれば1日10回まで、無料でドメインパワーが調査可能です。

トップページを開き、パワーランクチェックツールに調べたいサイトのURLを入力しましょう。

すると、以下のようにドメインパワーやドメインエイジ(年齢)が表示されます。

また、以下のように指標別の細かな分析結果レポートも参照することが可能です。

ここまで紹介してきた、AhrefsやMoz pro、Majesticが被リンク評価のみを計測の要素としているのに対し、パワーランクチェックツールでは以下のような要素も用いられているのが特徴です。

  • ドメインエイジ
  • モバイルフレンドリー
  • サイト速度 など

測定基準は不明ですが、ある程度は参考になります。
ただし、あくまでツール独自の基準かつAhrefsのような検索結果との相関関係を示す確かな調査データもないため、目安程度にとどめておくとよいでしょう。

なお、上記以外のドメインパワーが調査可能なツールについて詳しく知りたい方は、「無料&有料の被リンクチェックツール14選|被リンク調査方法解説」を参考にしてください。

ドメインパワーの具体的な上げ方

それでは、ドメインパワーの具体的な上げ方について「構成要素別」で見ていきましょう。

  • 被リンク評価
  • テクニカル要素(SEO内部対策)の評価
  • コンテンツ評価
  • その他の要素

なお、ドメインパワーの改善という文脈においては、「被リンク評価」以外はおまけのようなものです。
ただ、テクニカル要素の評価やコンテンツ評価はSEO対策全体でみると重要な要素であることに間違いはないので、しっかりとリソースを割いていきましょう。

それぞれ解説していきます。

被リンク評価

被リンク評価の改善方法について、以下の流れで解説します。

  1. まずは獲得すべき高品質被リンクの特徴を知る
  2. 被リンクを設置してもらうターゲットサイトリストを作成する
  3. ターゲットサイトがリンクを設置してくれやすいコンテンツを作成する
  4. 被リンク営業を行う
  5. 確実に獲れる被リンクも抑えておく

それぞれ見ていきましょう。

⓪まずは獲得すべき高品質被リンクの特徴を知る

被リンク評価の改善にあたっては、ただ数を増やせばいいというわけではなく以下のような特徴にあてはまる高品質の被リンクを獲得することが大切です。

  • 関連性の高いサイトからの被リンク
  • 権威性(ドメインパワー)の高いサイトやページからの被リンク
  • 編集上自然に設置された被リンク
  • コンテンツ内の良いい位置にある被リンク(フッターよりも本文に設置される方が良い)
  • nofollow属性が付与されていない被リンク
  • アンカーテキストや周辺テキストに対策キーワードを含んでいる被リンク

以上のような高品質な被リンクの特徴を理解し、獲得施策を進めることが大切です。
反対に、有料リンクや不自然なリンクなど、Googleのリンクスパムポリシーに引っ掛かるような被リンクは集めないように注意しましょう。

①被リンクを設置してもらうターゲットサイトリストを作成する

被リンク獲得施策を進めるにあたり、まずは設置をしてもらいたいターゲットサイトリストの作成から行うのが効率的です。

ターゲットサイトリストは、競合サイトの被リンク元調査によって作成するとよいでしょう。
被リンクチェックツールを使用し、競合サイトが獲得している被リンクを洗い出してください。

以下は、「Ahrefs」という被リンクチェックツールを使った調査結果です。

Ahrefsを使った競合の被リンク調査結果

競合サイトの被リンク元やアンカーテキストなどを一括で抽出できるので、いくつかのサイトを調査して洗い出しましょう。

そのうえで、自社で獲得できそうなものを精査し、ターゲットサイトリストにまとめてください。

②ターゲットサイトがリンクを設置してくれやすいコンテンツを作成する

ターゲットサイトリストを元に、競合がどのようなコンテンツや手法で被リンクを得ているか確認しましょう。

そのうえで、ターゲットサイトがリンクを設置してくれそうなコンテンツを作成してください。
なお、被リンクを獲得しやすいコンテンツの種類には、主に以下のようなものがあります。

  • ①調査データ系コンテンツ
  • ②インタビューコンテンツ
  • ③リストアップ系コンテンツ
  • ④サービス比較コンテンツ
  • ⑤完全ガイド系コンテンツ
  • ⑥引用されやすい画像を含むコンテンツ

上記を参考に、業界や自社ビジネスモデル、ターゲットサイトのことを加味して制作するコンテンツの種類を決定し、制作を進めましょう。

なお、被リンクを獲得しやすいコンテンツについて詳しく知りたい方は、「コンテンツを用いた王道の被リンク獲得方法」を参考にしてください。

③被リンク営業を行う

コンテンツが完成したら、被リンク営業を行います。

被リンク営業とは、自社サイトへの被リンクを獲得するために、他のウェブサイトの運営者に対して働きかけを行う営業活動のことです。

どんなに優れたコンテンツを制作したとしても、認知してもらえなければ被リンクが設置されることはありません。
被リンク営業で能動的に認知を促すことで、獲得スピードが大幅に効率化します。

並行してSNSやプレスリリースを用いて、コンテンツのPRを行うのも効果的です。

なお、被リンク営業について詳しく知りたい方は、「被リンク営業とは?アプローチ方法や設置依頼メール例文を徹底解説」を参考にしてください。

④確実に獲れる被リンクも抑えておく

ターゲットサイトリストを作成し、コンテンツを制作、被リンク営業で設置してもらう手法は王道ですが、時間がかかるうえに難易度も高めです。

並行して、以下のような確実に(かつ簡単に)獲れる被リンクも抑えておくとよいでしょう。

  • 自社が運営する他のウェブサイトからの被リンク
  • 仲の良い取引先に設置してもらえる被リンク
  • 申請すれば獲得できる被リンク
    • 公的機関からの被リンク
    • noteからの被リンク
    • 商工会議所からの被リンク

上記のような例が挙げられます。コンテンツを用いた王道の被リンク獲得手法に比べると効果は薄めですが、難易度はその分低いので余裕を見て着手するのがおすすめです。

なお、被リンク評価の改善方法について詳しく知りたい方は、「被リンク獲得方法 完全ガイド|正しく効果的な被リンクの増やし方」を参考にしてください。

テクニカル要素(SEO内部対策)の評価

サイト速度やモバイルフレンドリーかどうかなど、テクニカル要素もドメインパワーに影響します。

以下のような視点を中心に、サイトのテクニカル要素を見直してみましょう。

サイトの速度は遅くないか

サイトの速度は、ドメインパワーの計測指標に用いられているケースが多いため、遅いという場合は改善するとよいでしょう。

そもそもドメインパワーやSEO以前に、サイトの速度はパフォーマンスに大きな影響を与える重要な要素です。

Googleが公開したデータによると、サイトの表示速度が1秒から3秒になると直帰率が+32%、5秒になると+90%になります。

表示速度は、「PageSpeed Insights」というGoogleの公式ツールで調査可能です。
調べたいページのURLを入力することで、以下のように表示速度や改善策が詳しく表示されます。

PageSpeed Insightsを使ったページ表示速度調査結果

調査の結果、速度が遅い(2~3秒以上)という場合には、改善施策を検討しましょう。
サーバーのスペック、画像のデータサイズ、キャッシュの仕組み、CDNなど複数の面からアプローチするのがおすすめです。

モバイルフレンドリーなっているか

サイトがモバイルフレンドリー(スマートフォン対応しているか)かどうかも、ドメインパワーに影響を与えます。

スマホユーザーの増加から、2018年3月にGoogleはモバイルファーストインデックスを開始しています。
これは、検索ランキングを決定する際にパソコンで表示されるサイトではなくスマホで表示されるサイトを評価の主軸とする方針です。

スマホで表示した際に、文字が小さい、レイアウトが崩れているといった問題があるとSEO的に低評価となります。

このような背景からドメインパワー計測ツールにおいても、モバイルフレンドリーかどうかが計測要素に採用されているのです。

モバイルフレンドリーはSEO的に影響度の高い重要要素なので、自社のサイトがスマートフォン向けに最適化されていないという場合は、改善を施しましょう。

コアウェブバイタルのCLS

コアウェブバイタルの一つであるCLSとは、「Cumulative Layout Shift(累積レイアウトシフト)」の略で、ウェブページの読み込み中にコンテンツのレイアウトが予期せずズレる度合いを測る指標です。

CLSが悪いと、ユーザーにとって使いにくいサイトであるため、ドメインパワーの指標として用いられるケースがあります。

なお、コアウェブバイタルのCLSはSEOの検索ランキングに影響を与える要素です。
繰り返しになりますが、ドメインパワーはSEOに影響のある要素を総合して数値化した指標なのです。

CLSは「PageSpeed Insights」で調べることができます。
結果が悪いという場合はSEOの評価に悪影響を与えるので改善するようにしましょう。

なお、テクニカル要素は上記の他にも数多くあります。SEOにおける重要な要素なので、自社で確かめるのが難しいという場合には外部の信頼できるパートナーも活用し、最適化を図りましょう。

コンテンツ評価

ユーザーにとって価値あるコンテンツを作成することでコンテンツ評価を高めることができます。

近年検索エンジンは進化しており、ユーザーの検索意図を理解し、最も関連性の高い情報を提供することに重点を置いています。そのため、従来主流であったキーワードの詰め込みや低品質なコンテンツでは上位表示が難しくなっています。

ドメインパワーの前に、良質なコンテンツの作成・最適化により、検索エンジンのランキングで上位表示を目指し、トラフィックを増やすことは非常に重要度が高いSEO施策です。

以下のようなポイントをおさえて、十分なリソースを割いて取り組んでいきましょう。

適切な対策キーワードを選定する

適切な対策キーワードの選定は、SEOの成否を大きく左右する工程です。

SEOにおける対策キーワード選定とは、サイトとして上位表示を狙う検索キーワードを決定することです。

具体的には、サービスのターゲットユーザーが検索していそうなキーワードを洗い出し、分類・優先度付けを行い以下のようなリストにまとめます。

対策キーワードリストの例

戦略的かつ緻密な対策キーワード選定により、サイトの流入数やコンバージョン数を効率的に増やすことができます。

なお、対策キーワード選定について詳しく知りたい方は、「SEOキーワード選定完全ガイド|実行手順や注意点・活用ツールまで」を参考にしてください。

ユーザーにとって”最良”のコンテンツを制作する

ユーザーのことを最も満足させられる”最良”のコンテンツを制作しましょう。

SEOコンテンツ制作にテクニックがいろいろありますが、まずは目の前のユーザーのことを第一に考えたコンテンツにすることが何よりも大切です。

「キーワードをたくさん入れなきゃ」「HTML構造は、、」など、テクニックばかりに走りユーザーを無視したコンテンツだと、短期では多少成果が出ても長期で見ると必ずどこかで成果が出なくなってしまいます。

小手先のテクニックで書かれた記事は長期的に成果を出せない

常に目の前にユーザーにとって最良のコンテンツとは何かということに頭を使って、コンテンツ制作を進めていきましょう。

なお、ユーザーにとって価値あるコンテンツの作成方法について詳しく知りたい方は、「SEOに強い記事の書き方|構成作成方法や文章ライティングのコツ」を参考にしてください。

コンテンツを定期的に公開・更新する

ドメインパワーを高めるためには、継続的に新規コンテンツの公開と既存コンテンツの更新を行いましょう。

まず、サイトとして取り扱うトピックに関連したキーワードに対策可能なコンテンツを増やしていくことで、専門性やドメインパワーが高まっていきます。

また、既存コンテンツの更新(リライト)により、検索順位の改善や古くなった情報の更新を行うことも大切です。

なお、ユーザーにとって価値あるコンテンツを作成することでトラフィックの改善を目指すSEO対策のことをコンテンツSEOと言います。詳しく知りたい方は、「コンテンツSEOとは?やり方やメリット、事例をわかりやすく解説」を参考にしてください。

その他の要素

その他に以下の要素もドメインパワーの測定要素として使用されるため、最適化することでドメインパワー上昇につながります。

SSL化(HTTPS化)しているか

SSL化(HTTPS化)しているかどうかも、ドメインパワーの計測に用いられることがります。

SSL化とは、Webサイトとそれを閲覧するユーザーの間の通信を暗号化する仕組みのことです。
URLの冒頭が「http」から「https」になるため、HTTPS化とも呼ばれます。

ドメインパワー以前に、GoogleではSSL化を検索ランキング要因としているため重要です。

ランキング シグナルとしての HTTPS

アルゴリズムでのシグナルとして、暗号化された安全な接続をサイトで使用しているかを考慮に入れたテストを実施してきました。この実験ではよい結果が得られているため、ユーザーがもっと安全にサイトを閲覧できるよう、すべてのサイト所有者の皆様にHTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えています。

引用: Google 検索セントラル ブログ「ランキング シグナルとしての HTTPS」

SEO面の他、サイトのセキュリティ強化にもなるため未対応の場合はSSL化を行いましょう。

サイテーションが獲得できているか

サイテーションがどれだけ獲得できているかどうかもドメインパワーの計測に用いられることがあります。

サイテーションとは、企業名、店舗名、住所、電話番号などの情報が、他のウェブサイトやSNSなどで言及されることです。以下のようにGoogleは、サイテーションをウェブサイトの信頼性や権威性を評価する指標の一つとして利用しています。

判定を支援するために使用している要因の 1 つに、そのコンテンツへのリンクまたは言及が他の著名なウェブサイトに含まれているか把握するということがあります。

引用:Google Search「検索ランキング結果を自動的に生成する仕組み-コンテンツの質-」

したがって、サイテーションに関してもドメインパワー以前にSEO対策の一環として獲得を狙っていくのが良いでしょう。

サイテーションについて詳しく知りたい方は、「サイテーションとは?意味やSEO/MEO効果、獲得方法を解説」を参考にしてください。

ドメインパワー強化における注意点

ドメインパワーを強化するにあたっては、以下のような点に注意してください。

  • 中古ドメインは使わない
  • 寄生サイト(サブディレサイト・ドメイン貸し)はやらない
  • ブラックハットな被リンク獲得手法を実施しない
  • ドメインパワーだけを追うのは本質ではない

あくまでSEO担当者の判断にゆだねられますが、上記3点はリスクが大きくやらないことを推奨いたします。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

中古ドメインは使わない

中古ドメインに対する意見は様々ですが、弊社では絶対に使わない方がいいと考えています。

そもそも中古ドメインとは、過去に誰かが所有し、使用していた後に、再び利用可能になったドメイン名のことを指します。以前は、中古ドメインを使用することでドメインパワーが引き継げるので、いきなり高いドメインパワーでサイト運用が始められるというメリットがありました。

ただし、2024年3月のスパムアップデートにより、中古ドメインの使用が以下のようにペナルティ対象となっています。(すべてのケースではありません。)

期限切れのドメインの不正使用

期限切れのドメインの不正使用とは、期限切れのドメイン名を主に検索ランキングを操作する目的で購入し、ユーザーにとってほとんどまたはまったく価値がないコンテンツをホストするために再利用することです。

引用:Google検索セントラル「期限切れのドメインの不正使用」

また、中古ドメイン自体が、過去にペナルティを受けている可能性もあります。その場合はペナルティまで引き継いでいしまうことになるのです。

このような背景から、中古ドメインは基本使わないのがおすすめです。

また、弊社が中古ドメインの使用を避けるべきだと提唱するのには他の理由もあります。
実は、弊社でも中古ドメインで運用していたサイトが、2024年3月のコアアップデートでペナルティを受けたのです。

一般企業が運営していた中古ドメインを引き継いで、サイトを運営していたところ、自動ペナルティにより検索表示がほぼゼロになってしまいました。

このような苦い経験から、弊社では中古ドメインの使用は控えることを推奨しています。

寄生サイト(サブディレサイト・ドメイン貸し)はやらない

寄生サイト(サブディレサイト・ドメイン貸し)も、ペナルティ対象なのでやらないようにしましょう。

寄生サイトとは、他のウェブサイトのドメインパワーや検索評価を利用して、検索エンジンのランキングを不正に上げようとするウェブサイトのことです。具体的には、以下のような手法が用いられます。

  • サブディレクトリ貸し:権威あるドメインのサブディレクトリに自分のサイトのコンテンツを置く。
  • サブドメイン貸し:権威あるドメインのサブドメインを借りて、そこに自分のサイトを構築する。

これらの手法は、いきなり高いドメインパワーでサイトを運用できることから流行していましたが、2024年3月のスパムアップデートでペナルティ対象となりました。

サイトの評判の不正使用

サイトの評判の不正使用とは、ファーストパーティの監視も関与もないかほぼないとところに、サードパーティのページを公開することを指し、その目的はファーストパーティのサイトのランキング シグナルに乗じて検索ランキングを操作することにあります。

引用:Google検索セントラル「サイトの評判の不正使用」

現在、寄生サイト手法を使っているサイトが次々と手動対策を受けており、リスクの高い手法となっています。
ドメインパワーが高い状態で運用開始できるからと言って、実施しないようにしましょう。

ブラックハットな被リンク獲得手法を実施しない

ドメインパワーを高めるために、いわゆる”ブラックハットSEO”と言われる、以下のような被リンク獲得手法も実施しないようにしてください。

  • 有料で被リンクを購入する
  • 関連性のないサイトとの相互リンクや相互リンク集への掲載
  • 過剰に完全一致アンカーテキストを用いる
  • 掲示板やコメントから不自然な被リンクを得る
  • リンクファーム
  • 低品質なサイトやディレクトリ、ブックマークサイトから被リンクを得る など

上記のような被リンク獲得方法は、Googleのリンクスパムポリシー違反となっており、低評価やペナルティになる可能性があります。ペナルティになると検索順位の大幅低下やインデックス削除などダメージが大きいです。

ブラックハットな被リンク手法は一見魅力的で甘い誘惑に惑わされがちですが、リターンよりリスクの方が大きいため基本的には実施しないようにしましょう。

ペナルティにつながるような被リンク手法をすでに実施してしまったという場合には、リンク否認が必要です。

ペナルティにつながる被リンク獲得施策や防止方法について詳しく知りたい方は、「被リンクのペナルティを防ぐには?SEO効果が出る被リンク獲得法」を参考にしてください。

ドメインパワーだけを追うのは本質ではない

最後に、ドメインパワーはあくまで各種測定ツールが示している指標であり、重視すぎるのは本質ではないということを理解しておきましょう。

実際、AhrefsやMozで測定できるURやドメインオーソリティに関しては、GoogleのPagerank(ページランク)の式を元にしているため、非常に信頼に足る数字ではあります。

※Pagerankとは、被リンクの質や数を元にしてコンテンツの質を図るGoogleの特許技術

しかしあくまで、SEO対策においてドメインパワーは氷山の一角に過ぎず、より重要かつ本質的なのはユーザーを満足させるコンテンツの提供です。

ドメインパワーは重要ですが、優先度はユーザーを満足させる優れたコンテンツの提供の方が高いということを理解したうえで、SEO対策に取り組んでいきましょう。

新規でサイトを立ち上げる際はドメインパワーのことも加味する

新規でウェブサイトやオウンドメディアを立ち上げる際には、ドメインパワーという視点を持ち以下のようなことを加味するようにしましょう。

  • 既存のドメインを持っているならサブドメインやサブディレクトリでの運用を考える
  • 新規の独自ドメインと共有ドメインはどちらが良いのか
  • ドメインパワーのことも意識してサイト運用戦略を設計をする

立ち上げ前にこれらをよく検討しておくことで、SEO対策でよりスピ-ディーに成果を出すことができます。
それぞれ見ていきましょう。

既存のドメインを持っているならサブドメインやサブディレクトリでの運用を考える

コーポレートサイトなどすでに既存のドメインでサイトを運用している場合は、サブドメインやサブディレクトリでの新規サイト立ち上げを検討しましょう。

既存ドメインが得ているドメインパワーを引き継げるため、よりスピーディーにSEOで結果を出せます

なお、サブドメインとサブディレクトリについては、以下の通りです。

サブドメインとは

サブドメインとは、以下のように既存のドメイン名の前に文字列を追加して作成する、新たなドメイン名のことです。

サブドメインの例
  • 既存ドメイン:example.com
  • サブドメイン:hello.example.com

サブドメインは既存のドメインのSEO評価を引き継げるのが特徴です。
サブドメインで新たにサイトを立ち上げると元ドメインと同じドメインパワーでスタートすることができます。

サブディレクトリとは

サブディレクトリとは、メインのドメイン名の後にスラッシュ(/)で区切って追加されるパスのことです。

サブディレクトリの例
  • 既存ドメイン:example.com
  • サブドメイン:example.com/example

サブディレクトリのパス配下で新規のサイトやオウンドメディアを立ち上げることで、ドメインパワーを引き継いだ状態で運用を開始できます。ちなみに前章で紹介した「寄生サイト(サブディレサイト・ドメイン貸し)」はこの性質を利用したブラックハットSEOです。

なお、どちらでもSEOへの影響に大きな違いはありません。
ただし、サブドメインの方がサブディレクトリに比べて元のドメインのサイトの影響をやや受けにくいです。

既存サイトのドメインパワーを引き継いでSEO対策のスタートダッシュを切るのは非常に有効な施策
特別な事情がない限り、前向きに検討するとよいでしょう。

独自ドメインと共有ドメインはどちらが良いのか

サイト立ち上げにあたり、独自ドメインと共有ドメインはどちらが良いのか、検討しましょう。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、解説していきます。

独自ドメイン

独自ドメインとは、あなただけのオリジナルのドメインのことです。

例:○○.com

独自ドメインの場合は、ドメインパワー”0”からスタートすることになるので、サイトを立ち上げてからSEOで十分な成果が出せるまでそれなりに期間(3ヶ月~1年程度)がかかります。

一方で”デザイン”や”実施できる施策”は完全に自由なので、出せる成果に限度はないでしょう。
長期的に運用しより大きな成果を目指す場合には独自ドメインがおすすめです。

共有ドメイン

共有ドメインとは、複数のユーザーが同じドメイン名を共有して利用するドメインのことです。
アメブロやnoteなど、ブログサービスを利用した際は共有ドメインになります。

例:アメブロ⇒ameblo.jp note⇒note.com

共有ドメインのメリットは、初めからかなりドメインパワーの高い状態で運用開始できる点です。

例えば、noteでオウンドメディアを運用すると、DR※は91からスタートできます。
この値は大手サイトと同レベルなので、良質なコンテンツを制作できれば短期間で上位獲得が可能です。
※Ahrefsで測定した値

一方でデザインや実施可能な施策の自由度は低いため、長期的な運用の場合は出せる成果に限度があるでしょう。

結論、長期的に運用してより大きな成果を目指すということであれば独自ドメイン、小さな成果でいいから短期で結果を出したいという場合には共有ドメインを活用しましょう。

ドメインパワーのことも意識してサイト運用戦略を設計をする

ドメインパワーは、主に被リンク評価を高めることで改善されます。

したがって、サイト運用戦略を設計する段階で、被リンク獲得施策のことも考えておくことも大切です。

サイトの立ち上げ段階で、ドメインパワーの高い競合サイトがどのように被リンクを獲得しているか一度調査してみましょう。競合サイトの被リンク獲得方法は、自社サイトにも活かせるはずです。

競合サイトの被リンク状況は、「Ahrefs」などの被リンクチェックツールで調べることができます。

Ahrefsを使った被リンク調査結果

上図のように、競合が獲得している被リンクデータが一覧で見れます。

競合がどのような方法・戦略で被リンクを獲得しているかを情報収集しておき、自社の戦略にも反映しましょう。

まとめ

ここまで、ドメインパワーについて概要からSEOとの関係性、正しい上げ方まで詳しく解説してきました。

ドメインパワーは、実際に検索エンジンの評価方法を元に計測されているため、参考になる数値です。
ただしあくまで、各SEOツールが打ち出している指標に過ぎません。
ドメインパワーばかりを追って、他のSEO施策やユーザーをおろそかにしてしまうのは本末転倒です。

ドメインパワーという便利な指標を、うまく自社のSEO戦略に落とし込んでいきましょう。

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この記事を書いた人

渡邉 志明(SEOニキ)のアバター 渡邉 志明(SEOニキ) シュワット株式会社|代表取締役

これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。SEOディレクターとして600以上のコンテンツで検索1位を獲得した実績を持つ。POSレジなどのITツール導入支援もしている。