- オウンドメディア立ち上げまでの13ステップと各工程のポイント
- オウンドメディア立ち上げにかかる費用
- オウンドメディアの立ち上げ成功事例
この記事の著者:渡邉 志明(シュワット株式会社 代表取締役)
オウンドメディア運用コンサルティング会社の経営者。
これまで複数のwebメディアの立ち上げ~黒字化にPM・SEO責任者として携わる。コンテンツSEOによるメディアのグロースやインハウス化支援が得意。
「オウンドメディアを立ち上げて成功したい。」
「オウンドメディアの立ち上げ方がわからない」
上記のようなご要望・疑問にお答えできるように、本記事ではオウンドメディアの立ち上げ手順について徹底解説。
立ち上げ工程の各段階におけるポイントや注意点まで、数々のオウンドメディア支援に携わってきたプロの目線から解説していきます。
また、オウンドメディアの成功事例や成功しているメディアの共通点やコツについても紹介。
これからオウンドメディアの立ち上げを考えているという方は、ぜひご一読ください!
- オウンドメディアを立ち上げたいがノウハウが全くない
- 戦略的にオウンドメディア運用をしたい
- 高い成果を創出したい
現在、上記のようなお困りごとがありましたら、オウンドメディア運用で圧倒的な成果を創出してきた我々『ULTRA』へご相談ください。徹底的に定量的な成果を追求し、戦略設計から施策の実行、インハウス化支援まで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業や組織が自社で所有・運営するメディアのことです。具体的には、Webサイト、ブログ、SNSアカウント、メールマガジンなどが挙げられます。
なお、弊社ではオウンドメディアのことを「ビジネス成果を生みだすための施策」だと定義しています。
オウンドメディアを通じたリード(見込み客)の獲得やサービス認知の拡大など、明確なビジネス成果を目指し立ち上げて運用をするものです。
それでは、オウンドメディア立ち上げの手順や各工程のポイントについてみていきましょう。
オウンドメディアの立ち上げ手順・始め方
オウンドメディアを立ち上げる手順は、以下の12ステップになります。
- 運用メンバーをアサイン
- オウンドメディアの目的やミッションの整理
- ターゲットになる読者のペルソナを設定
- オウンドメディアのコンセプトを決定
- オウンドメディアの目標や達成戦略・KPIを設定
- 必要なコンテンツの種類を洗い出す
- オウンドメディアに必要な機能の整理と要件定義を実施
- ドメイン・サーバー・CMSを検討
- オウンドメディアのWebデザインを制作
- オウンドメディアを開発・構築
- 対策キーワードの選定
- コンテンツの制作・ライティング
- コンテンツの入稿〜オウンドメディア公開
実際にサイト制作や記事を作り始める前に、まずはオウンドメディアが目指す方向性を整理してから制作に着手することが大切です。サイトを公開することや、記事を作ること自体が目的になってしまわないよう、オウンドメディアの制作や運用に携わる関係者とすり合わせるところから始めるとよいでしょう。
また、オウンドメディアを公開した後の運用のことも事前に考えておかなければいけません。
以下も見据えて、準備を進めていきましょう。
- モニタリング、計測環境の構築
- 効果測定に基づくコンテンツやサイトの改善
世の中にはさまざまなオウンドメディアが公開されていますが、更新が途絶えてしまっているものも少なくありません。無理なく運用を継続していけるよう、ここからの解説を参考に立ち上げ段階で必要事項を綿密に検討しておきましょう。
それでは、立ち上げ手順の各工程についてポイントを解説していきます。
①運用メンバーをアサイン
まずは、オウンドメディア運用に携わるメンバーをアサインしましょう。
オウンドメディア運用に必要な「役割」の種類を紹介します。
なお、1人のメンバーが複数の役割を兼ねてもOKです。
担当分野 | 役割名 | やること |
---|---|---|
サイト制作・構築 | エンジニア | サイトを制作する |
Webデザイナー | サイトのデザインを決める | |
全体管理 | 責任者 | 全体を管理する |
マーケター | SEO担当者 | SEO戦略の策定や施策実行をする |
広告運用担当者 | Web広告を運用をする | |
SNS運用担当者 | SNSへの投稿をする | |
データアナリスト | 効果測定や分析を行う | |
コンテンツ制作 | ライター | コンテンツを執筆する |
編集者 | コンテンツの企画や編集をする | |
校正・校閲者 | コンテンツの正しさをチェックする |
オウンドメディアには、主に以下の様な役割があります。
すべての役割が必要というわけではなく、また1人が複数のポジションを兼任することも多いです。
ノウハウやリソースが不足しているという場合は、外注も有効活用していきましょう。
サイト制作はもちろんですが、”高いノウハウが必要なSEO対策”と”時間のかかるコンテンツ制作”は外注を利用しているオウンドメディアも多いです。
実際、弊社の過去の支援先では担当者1人が外注を駆使して、月間50万PV越えのオウンドメディアを運用しているという猛者もいらっしゃいました。
自社のリソースやオウンドメディア運用スキルのレベルを鑑みて適切なメンバーで臨みましょう。
②オウンドメディアの目的やミッションの整理
オウンドメディアの役割は、ターゲットとなる読者と、自社・ブランドとの接点を創出することです。
立ち上げの目的はさまざまありますが、よくあるものは以下になります。
- リード(見込み客)の獲得
- 商品販売
- ナーチャリング
- 自社やブランドの認知向上
- ブランディング
- 採用応募者の増加(オウンドメディアリクルーティング)
オウンドメディアを通じて達成したいことが何なのかや、オウンドメディアが果たすべき役割や提供する価値は何か、事前に決定しておくようにしてください。オウンドメディアを立ち上げる目的やミッションをあやふやにしておくと、戦略があやふやなものになってしまい達成できる成果も少ないでしょう。
また、目的によってとるべき戦略や戦術も異なります。
例えばリード獲得を目的とする場合と、認知拡大を目的とする場合で違いを見ていきましょう。
③ターゲットになる読者のペルソナを設定
オウンドメディアを立ち上げる目的が整理できたら、どのような読者層をターゲットにすべきかを検討しましょう。
下記を参考に、オウンドメディアの目的に合うユーザーのペルソナを具体的にイメージしてみてください。
分類 | 詳細 |
---|---|
デモグラフィック属性 | 年齢層、性別、居住地域、職業、収入などのセグメント |
サイコグラフィック情報 | 興味や志向、価値観、ライフスタイル、購買行動などのパーソナリティの傾向 |
ペルソナの例は下図の通りです。
ペルソナをオウンドメディア運用メンバー間で共通認識として持ちましょう。
そのうえで、ペルソナに刺さるオウンドメディア作りができるように、コンセプトやデザイン、細かな文章スタイルまで調整してください。
④オウンドメディアのコンセプトを決定
オウンドメディアの目的やターゲットが決まったら、メディアコンセプトを検討します。
コンセプトを決める際は、「自社が何をアピールしたいか」という主観的なことばかりではなく、「ターゲット層がどのようなことに興味・関心を持つのか」や、「どうしたら競合と差別化ができるか」なども考えてみましょう。
コンセプトを決めておくことで、作るコンテンツの方針や、デザイン、文章のトンマナが決めやすくなります。
また、ユーザーに対してもどんなメディアなのか、伝わりやすくなるでしょう。
オウンドメディアのコンセプトがないままコンテンツの制作に取り掛かってしまうと、ターゲット層に刺さりづらく反響や成果が見えにくくなる可能性があります。
⑤オウンドメディアの目標や達成戦略・KPIを設定
オウンドメディアの目的・ターゲット・コンセプトが整理できたら、目標や達成戦略を決めます。
「オウンドメディアの目的に対して寄与できたか」を推し計れる定量的な指標を目標に設定しましょう。
そのうえで目標達成までに必要な要素を細分化してください。
以下はリード獲得数を目標とした場合の要素分解の例です。
最終的な目標が達成できるように各要素のKPIを設定。そのうえでKPI達成のために必要な行動量を決定しましょう。
なお、戦略やKPIを設定するコツとして、目標達成までの期間をフェーズ分けして、各フェーズで特定の施策にリソースを集中させるのがおすすめです。イメージは下図の通りです。
フェーズ別で特定のリソースに集中することで、チームとして連携が取りやすく、なおかつ思考もその施策に集中できるため行動の効率や質が高まる傾向があります。
目標まですべて決まったら、オウンドメディアの方針がおおむね固まった状態です。
オウンドメディアの方針
- 目的:何を成し遂げたいか
- ターゲット:どのような人に向けて
- コンセプト:どういったアプローチで
- 目標:何をどのくらい伸ばすのか
次は、具体的なサイトの要件定義やコンテンツ制作計画の作成に進みましょう。
なお、オウンドメディアの戦略設計や目標設定方法について詳しく知りたい方は、「オウンドメディア戦略設計ガイド|目的・目標設定、運用方法まで」を参考にしてください。
また、KPI設定について詳しく知りたい方は、「オウンドメディアのKPI設定|指標や具体例、目標設定の流れを解説」を参考にしてください。
⑥必要なコンテンツの種類を洗い出す
オウンドメディアにどのようなコンテンツを用意するかについても検討しましょう。
オウンドメディアのコンテンツの一例
- SEO記事
- ニュースやトレンド情報の発信
- 事例・ケーススタディの紹介
- ホワイトペーパー
- イベント・セミナー・キャンペーン等の企画
また、どのような体裁でコンテンツを提供するか、ターゲット層を想定しながらディテールを固めましょう。
記事制作の外注を検討する場合は、見積もりを取る上でも必要になってきます。
コンテンツ制作前に検討すべきポイント
- コンテンツの体裁(動画や画像の有無)
- 情報を伝える話者(例:企業、社員、キャラクターを作るなど)
- 企業や団体、専門家、ユーザー、インフルエンサーなど外部とのコラボレーション
⑦オウンドメディアに必要な機能の整理と要件定義を実施
オウンドメディアに必要な機能や要件を洗い出し、要件定義を実施しましょう。
なお、要件定義とは、Webサイト制作のプロジェクトにおいて、必要な機能や性能、デザインなどの要望を明確にする作業のことを指しましょう。
オウンドメディアの運用に成功するためには「SEO的に強いかどうか」と「更新がしやすいかどうか」が大切です。
したがって、要件定義の段階ではそのような条件を満たせるように機能やデザインを考える必要があります。
その他、以下のような視点も持って要件定義を進めましょう。
- 制作したいコンテンツの種類を公開・更新できるか
- CTA機能やお問い合わせフォームなどコンバージョンへの導線に関連する機能
- SNSとの連携
- ユーザー更新コンテンツは必要か
- 適切な構造化マークアップ
- セキュリティ対策は十分か など
高い専門知識が求められるため、自社に十分なノウハウがないという場合はオウンドメディア運用まで支援可能な制作会社の力を借りながら要件定義を進めてください。
⑧ドメイン・サーバー・CMSを検討
オウンドメディアに必要なドメイン・サーバー・CMSを決定・構築しましょう。
それぞれ解説していきます。
ドメインとは
ドメインとは、インターネット上の住所のようなものです。
例えば、「https://www.example.com」というURLの場合、「example.com」がドメインです。
オウンドメディアを新たに構築する際※、ドメイン登録サービス業者から取得する必要があります。
「お名前.com」などのサービスで簡単に取得できるので、自身が希望するドメインを取得しましょう。
※すでに公開済みのWebサイトの下部で運用するオウンドメディアの場合は、この工程は不要です。
なお、ドメインを取得する際は以下のポイントも抑えておいてください。
- サイト内容を表現したドメインにする
- 長くしすぎない
- 中古ドメインは使用しない(Googleのペナルティ対象)
ドメインは後から変更できないので慎重に決めるようにしましょう。
また、自身が取得したいドメインがすでに他の人に取得されている場合、取得できませんのでご注意ください。
なお、現在すでに企業のコーポレートサイトなどを持っている場合は、同じドメインの配下だったり、サブドメインやサブディレクトリでオウンドメディアを構築する方が良いケースが多いです。そうすることで、既に得られているドメインのSEO評価を活かすことができ、よりスピーディーに成果を生み出すことができます。
サーバーとは
サーバーとは、Webサイトのデータを保管し、インターネット経由でユーザーからのアクセスに応じてWebページを表示するためのコンピュータのことです。
例えるなら、Webサイトが家だとすると、サーバーは家を建てる土地のようなものです。
オウンドメディアを新たに立ち上げる際には、サーバーを構築する必要があります。
以下のような種類があるので、自社に合ったサーバーを選択しましょう。
種類 | 内容 |
---|---|
レンタルサーバー | サーバーをレンタルして利用する方法です。手軽に始められ、費用も比較的安価。 |
VPS | 1台の物理サーバーを複数の仮想サーバーに分割して利用する方法です。 レンタルサーバーよりも自由度が高く、性能も優れています。 |
クラウドサーバー | インターネット上の仮想サーバーを利用する方法です。 必要な時に必要な分だけリソースを確保できるため、柔軟性が高い。 |
専用サーバー | 1台の物理サーバーを独占して利用する方法です。最も高性能ですが、費用も高額です。 |
サーバーの違いを理解して、オウンドメディアの規模や予算、自社の持つ知識、セキュリティ面を考慮して、選んでください。自社で判断できない場合はオウンドメディアの制作会社にアドバイスをもらうとよいでしょう。
CMSとは
CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略で、Webサイトのコンテンツ(テキスト、画像、動画など)の作成、編集、管理、公開を簡単に行えるシステムのことです。
代表的なものには、WordpressやMovable Typeなどが挙げられます。
CMSを利用する最大のメリットは、プログラミングの知識がない人でも簡単にWebページの更新や追加ができるようになる点です。
頻繁なコンテンツ公開や更新が必要なオウンドメディア運用にあたり、HTMLについての専門知識がある人しか作業ができないのは大きな障壁となります。
CMSの種類は豊富なので、自社に合った適切なCMSを用いてオウンドメディアを構築することが大切です。
中小規模のオウンドメディアであれば、WordPressをCMSに選ぶケースが多いです。
大規模なメディアや、オリジナリティを打ち出したい場合は、フルスクラッチで開発をする場合もあります。
⑨オウンドメディアのWebデザインを制作
オウンドメディアの目的やコンセプト、ターゲット層に即したWebデザインを制作しましょう。
Webデザインは、オウンドメディアの信頼度の他、売上やPV数などにも影響を与える大切な要素です。
以下のようなポイントを抑えて、適切なWebデザインでオウンドメディアを制作してください。
- オウンドメディアの目的やコンセプトにマッチしたWebデザインにする
- 企業のイメージに合ったWebデザインにする
- ターゲット層となるユーザーが使いやすいWebデザインにする
- スマートフォンにも対応したWebデザインにする
以上のようなポイントを抑えて、コンテンツの配置や色合い、文字フォント、UIUX、ロゴなどを決定しましょう。
なお、Webデザインの制作段階では、SEO対策のことも意識する必要があります。
SEOでは、検索エンジンから正しくサイトを評価してもらえるように、適切なサイト構造、HTML構造、タグ、キーワードの配置が必要です。サイトの設計段階となるWebデザイン制作時に、SEOも意識して内部設計を組み立てましょう。
SEOのことを何も考えずにオウンドメディアを構築してしまうと、後々大がかりなサイトリニューアルが発生するリスクもあります。ただし、SEOを意識した内部設計には高度な専門知識が必要なので、予算があるようであれば制作会社とは別でSEOの専門業者もアサインしましょう。
なお、オウンドメディアのSEO対策について詳しく知りたい方は、「オウンドメディアのSEO対策完全ガイド【2024年最新版】」を参考にしてください。
⑩オウンドメディアを開発・構築
オウンドメディアのWebデザインが決定したら、外部の制作会社や社内のWebエンジニア・プログラマーに依頼して実際にWebサイトを開発・実装してもらいましょう。開発やコーディングと呼ばれる作業工程です。
以下2種類の開発が行われ、それぞれ担当者が異なります。
- フロントエンド開発:HTML/CSS/JavaScript等でWebデザインを実装・コーディング
- バックエンド開発:サーバーの構築・CMSの実装・カスタマイズ・データベースの設計
外注する場合は、以下のようなポイントを抑えて頼りになるオウンドメディア制作会社を選びましょう。
- SEOやWebマーケティングのノウハウが十分にあるのか
- 構築後の運用(コンテンツ制作や戦略策定)にも対応できるか
- 制作費用は予算に合っているか など
⑪対策キーワードの決定
オウンドメディアとして、検索上位に表示したい対策キーワードを決定してください。
SEO対策の成否の9割を左右するとも言われる重要な工程です。
対策キーワードとは例えば、「オウンドメディア 費用」「オウンドメディア 立ち上げ」というようにユーザーが検索時に使用しているキーワードのことを指します。
対策キーワード決定の工程では、以下のようにオウンドメディアとして対策するキーワードリストを作成します。
キーワードを選ぶ際には以下のようなポイントに注目してください。
- コンバージョンの発生しやすさ:コンバージョンに近いユーザーが検索しているか
- 検索ボリューム:キーワードが1ヶ月間でどれだけ検索されているか(数値で表される)
- 競合性:競合多い、強いキーワードの場合は上位表示の難易度が上がる
検索ボリュームだけでキーワードを選んでしまうのはありがちな失敗なので、他の視点にも着目しオウンドメディアの目標達成に最適なキーワードを選定しましょう。
なお、対策キーワードの選定方法について詳しく知りたい方は、「SEOキーワード選定完全ガイド|実行手順や注意点・活用ツールまで」を参考にしてください。
⑫コンテンツの制作・ライティング
対策キーワードで上位表示が可能なコンテンツ制作を進めましょう。キーワードによって、ユーザーの検索意図は異なるので、選定したキーワードそれぞれに対して適切なコンテンツを制作してください。
コンテンツ制作の基本的な流れは以下の通りです。
検索キーワードのニーズに沿った記事構成やタイトルを検討しましょう。
社内にSEOの知見がない場合は、外部のSEO記事制作代行会社の力を借りるケースもあります。
また、SNSなどの拡散を狙うコンテンツであれば、バズりやすいネタは何かや、今流行っているもののリサーチが大事になります。季節や行事に合わせたコンテンツを作成してもよいでしょう。
社内のスタッフや業務委託先にライティングをお願いする場合は、オウンドメディアの方針を伝えた上で依頼をしましょう。記事のアイキャッチ画像や、必要な図版・写真なども、忘れずに手配してください。
なお、コンテンツ制作の方法やコツについて詳しく知りたい方は、「オウンドメディアの記事作成完全ガイド|書き方のコツ・制作の流れ」を参考にしてください。
⑬コンテンツの入稿〜オウンドメディア公開
コンテンツが完成したら、CMSに入稿しましょう。
記事のタイトルや見出し(hタグ)、画像や表などをプレビューで最終確認し、公開します。
SNSでの告知やニュースレター配信を行う場合は、記事公開と連動した手順を決めておくとスムーズです。
オウンドメディア立ち上げ後も継続的な運用が必要
オウンドメディアは立ち上げて終わりではなく、継続的な運用が必要です。
しかし、反対に正しい戦略の元、オウンドメディアの運用を継続し続けることで必ず成功できます。
以下のようなポイントを抑えて正しく運用を続けていきましょう。
- モニタリング、計測環境を構築し効果測定を行う
- 効果測定結果に基づき、コンテンツやサイトの改善を続ける
それぞれ解説していきます。
モニタリング、計測環境を構築し効果測定を行う
モニタリング、計測環境を構築し効果測定を行いましょう。
以下のような指標が計測される場合が多いです。
- 検索順位:対策キーワードを検索した際の自社コンテンツの順位
- 検索経由のセッション数:検索経由でどれだけサイトに訪問があったか
- CV(コンバージョン)数:資料請求や問い合わせなど目標としている行動の発生数
- CVR(コンバージョン率):コンバージョンの発生率
- クリック率:検索結果画面に表示された後クリックされた割合
- 回遊数:サイト訪問者が平均何ページを見たか
- 滞在時間:訪問者がどれくらいページやサイトに滞在したか
上記のような指標の測定には以下のようなツールが用いられます。
ツール名 | 料金 | 必須度 | 測定可能な指標 |
---|---|---|---|
GA4 | 無料 | ◎ | サイトの流入数やコンバージョン率等のユーザー行動 |
Google Search Console | 無料 | ◎ | Googleの検索結果での順位や表示回数、クリック率 |
Ahrefs | 有料 | 〇 | 検索順位、被リンク数、流入数など |
Semrush | 有料 | 〇 | 検索順位、被リンク数、流入数など |
無料で多くの機能が利用できる「GA4」や「Google Search Console」は必須です。ただし、サイトのパフォーマンスを計測するためには、計測タグをサイトに埋め込んでおく必要があります。
有料ツールに関しては、本格的な運用をする場合、「Ahrefs」か「Semrush」の利用がおすすめです。
ただし、海外ツールになるため担当者に高いスキルが求められます。そうでない場合はサポートが充実した国産のSEOツールの利用も選択肢です。
効果測定結果に基づき、コンテンツやサイトの改善を続ける
オウンドメディアは効果測定をしながら、常にコンテンツやサイトを改善し続けることが大切です。
記事を追加掲載するペースやタイミングを計画するほか、古くなった情報の更新や修正にかかるリソースを確保しておきましょう。
また、オウンドメディアの検索順位やCVRをモニタリングした上で、公開したコンテンツの改善を行うことが重要です。公開したコンテンツのパフォーマンス改善を目指し、加筆修正を行うことを「リライト」と言います。
コンテンツの改善だけでは、検索順位の上昇が頭打ちとなった場合にはSEO外部施策なども実施しましょう。
メディアの成長フェーズによっては、SNSやメールマガジンとの連携や、イベントの企画など、露出や認知を広げる戦略も追加検討していきます。
なお、オウンドメディアの運用工程におけるポイントについて詳しく知りたい方は、「オウンドメディア運用で成果を出す5つのコツ|成功事例や運用方法も紹介」を参考にしてください。
オウンドメディアの立ち上げ~運用にかかる費用相場
オウンドメディアの立ち上げに必要な費用は、大きく分けて「Webサイトの構築にかかる費用」と、「コンテンツ制作など運用にかかる費用」の2種類になります。
それぞれの費用相場について見ていきましょう。
Webサイト構築に必要な費用
オウンドメディアのコンテンツを管理するためのCMSや、サイトのデザイン・コーディングにかかる費用の目安をご紹介します。
オウンドメディアの規模 | 費用の種類 | 金額の目安 | 発注先 |
---|---|---|---|
小〜中規模 | 初期費用 | 数万円〜100万円以下 | フリーランス 中小制作会社 |
大規模 | 初期費用 | 100万円以上 | 大手制作会社 |
価格帯は数万円〜300万円程度と幅がありますが、ミニマムだと、WordPressのテーマ(テンプレート)を購入してサイトを立ち上げるような形です。
オリジナルデザインで制作したり、SEOのコンサルティングも込みで外部の制作会社に依頼をするとなると、100万円〜200万円以上の初期費用が必要となります。
運用に必要な費用
オウンドメディアの運用にかかる費用の目安をご紹介します。
費用の種類 | 金額の目安 | 発注先・支払先 |
---|---|---|
記事制作費用 | 3~5万円/記事 | フリーランス 制作会社 |
サイト保守費用 | 5,000円~20万円/月 | 制作会社 |
サーバー維持費 | 5,000円~20万円/月 | サーバー会社 ※制作会社を通じて支払う場合あり |
CMS利用料 | 0円~10万円/月 | CMS会社 制作会社 |
コンサルティング費用 | 20~40万円/月 | SEOコンサル会社 |
上記の費用が全て必要になるわけではありません。
オウンドメディアの規模や成長戦略によって、トータルの運用コストは異なります。
オウンドメディアの費用が上下するポイント
- サイトをどの程度オリジナルにカスタムするか
- どのくらいの量のコンテンツを作成するか
- コンテンツ制作を内製するか外注するか
サイトの規模や、外部に発注するものを明確にした上で、予算計画を立てましょう。
なお、オウンドメディアの構築から運用にかかる費用相場について詳しく知りたい方は、「オウンドメディア構築~運用の費用相場|料金別特徴・節約ポイント」を参考にしてください。
オウンドメディアの成功事例
大きな成果を出しているオウンドメディアをご紹介します。
コンセプト設計や費用対効果の参考にしてみてください。
SEO未経験者がノウハウを学びながら立ち上げ|キャリアHUB
広告以外のチャネルからの流入獲得を目的に、コンテンツマーケティングを社内に提案し、メディアを立ち上げた「キャリアHUB」。
担当者全員がSEO経験なしからのスタートで、外部コンサルタントにコンテンツの作り方を教わりながら6か月かけて内製化。
コンテンツ投入数は月平均5本にもかかわらず、本業のサービスサイトへ年間のべ2万人を送客できる規模に成長しています。
- コンサルタントと伴走しながら内製化
- ペルソナごとのカスタマージャーニーを考えたHowToコンテンツを制作
- 採用過程を「認知・共感・発掘・誘引・採用・配置・育成」のサイクルで整理
社名 | ランスタッド株式会社 |
URL | https://www.randstad.co.jp/careerhub/ |
業種 | 人材派遣業 |
事業内容 | 人材派遣サービス、人材紹介サービス、テクノロジーサービス、アウトソーシング事業、人事サービス |
コンテンツの内容 | 働き方コラムお仕事辞典転職活動の成功事例インタビュー記事 |
参考:Web担当Forum
インタビュー記事を充実させた採用広報|パナソニック採用情報
働く場所としての魅力や、一緒に働く人の温度感が伝わる発信を重視してインタビューを作成した採用サイト。
近年は新事業の創造・推進と既存事業の改革に必要な 人材を獲得することを目的として、そういった経験や実績をもつプロフェッショナルの採用に注力している。
- 働く人の温度感が伝わるインタビュー記事を掲載
- 読み手が関心のある記事を選べるようタグで整理された構造
- 採用過程を「認知・共感・発掘・誘引・採用・配置・育成」のサイクルで整理
社名 | パナソニック ホールディングス株式会社 |
URL | https://recruit.jpn.panasonic.com/newgrads/ |
業種 | 製造業(電機) |
事業内容 | 総合エレクトロニクスメーカーとして家庭用電化製品から精密機器、建築資材まで幅広く製造を手掛ける |
コンテンツの内容 | 社員のインタビュー記事数字で見る会社情報資料ライブラリ |
参考:厚生労働省「注疏採用におけるウェブサイト等活用好事例集」
400万PVを達成したtoCブランディング|となりのカインズさん
全国に展開しているホームセンター「CAINZ」が、「ホームセンターを遊び倒す」をコンセプトに2020年にオウンドメディアを立ち上げ。
店舗以外でもお客様と密なコミュニケーションができる「参加型のWebメディア」と位置付けし、オンライン上のプラットフォームとして成長しています。
カインズのメンバーをはじめ、お客様・取引メーカー・カインズを通じて創作活動を行うクリエイターやアーティストなど、あらゆる人々を“カインズさん”と位置づけし、それぞれの立場から自由な発想でコンテンツを配信。
- 開設から5ヶ月で月間100万PV、1年で400万PVを達成
- コンテンツマーケティング・グランプリ2021「インパクトコンテンツ部門グランプリ」を受賞
社名 | 株式会社カインズ |
URL | https://magazine.cainz.com/ |
業種 | 小売業 |
事業内容 | ホームセンターチェーンの経営 |
コンテンツの内容 | カインズ取扱い商品のメーカー取材コンテンツカインズ取扱い商品を使ったクリエイターコンテンツ暮らしのノウハウコラム |
参考:PRtimes
上記以外のオウンドメディア成功事例を知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
成功しているオウンドメディアの共通点・成果を出すコツ
成功しているオウンドメディアには、さまざまな共通点があります。
参考になる部分を取り入れながら、オウンドメディアの立ち上げにチャレンジしてみましょう。
- 成し遂げたい目的をKPIに落とし込む
- 初めはまず複数記事を公開することを優先
- 記事数が増えてきたら分析と改善フェーズへ
- オウンドメディア構築の実績がある制作会社のリソースを頼る
それぞれ解説していきます。
成し遂げたい目的をKPIに落とし込む
オウンドメディアが目指す理想像をKPIに落とし込んでおきましょう。
ただし、立ち上げ前の時点では、どのくらいのPV数やCV数を成果指標として目標に奥野が妥当なのかを見立てることは難しいでしょう。
初めのうちは「月に◯本の記事を公開し続ける」といった、マイルストーンを置き、一つひとつクリアしながらメディアを成長させていくのがおすすめです。
その後、定期的に目標の再設定やチューニングを行うことが大事です。
初めはまず複数記事を公開することを優先
オウンドメディアの立ち上げフェーズでは、品質にこだわったコンテンツに仕上げることよりも、ライトに複数記事を公開していくのがおすすめです。
まずは、新しいコンテンツが定期的に発信されている状態にすることが大切です。
流入数やSNSへのシェアなどの反響など、ユーザーにどのようなトピックが好まれるのかを確認することを優先させましょう。
記事数が増えてきたら分析と改善フェーズへ
ある程度のコンテンツ量を作ることができたら、質の高い記事を継続的に作成していく運用改善フェーズに移行します。
流入数やユーザー行動の分析を行い、今後の企画やメディアの成長戦略を最適化させていきましょう。
この運用改善フェーズまで持っていくことができずに、頓挫して更新が止まってしまうオウンドメディアも少なくありません。
オウンドメディアの立ち上げには、企画・要件定義・制作・ライティング・効果検証、その後の運用など、さまざまな手順が必要になります。
知見やノウハウがない人がすべてをやり切るのは難しいため、プロの制作会社の力を借りながら成果を生むメディアに育てていく方法も視野に入れましょう。
オウンドメディア構築の実績がある制作会社のリソースを頼る
ホームページ制作会社は大量にありますが、オウンドメディア運用を成功させたい場合は、オウンドメディア構築実績のある制作会社を選ぶことが大切です。
特に、オウンドメディア運用代行やコンサルティングという形で継続的な支援が可能な制作会社を選びましょう。
そういった特徴に当てはまる制作会社であれば、オウンドメディア立ち上げ後スムーズに成果が出るように、SEOに強い内部設計やコンテンツ更新機能を検討してくれます。
反対にノウハウに乏しい会社ですと、一見デザインはきれいでも運用のことが考えられておらず、成果に結びつかない、サイトリニューアルが必要になるといった失敗につながりがち。
オウンドメディア運用に対してノウハウを持っている制作会社を選ぶようにしましょう。
よくある質問
オウンドメディア立ち上げにあたってよくある質問に対して回答していきます。
SEO対策はどのように行えばいい?
オウンドメディアに限らず、WebサイトのSEO対策は主に以下の3種類の施策を実施します。
- コンテンツSEO:ユーザー検索意図に合ったコンテンツの公開・改善による順位上昇を目指す
- SEO外部施策:被リンクを獲得しサイトの権威性を高める
- SEO内部施策(テクニカルSEO):内部構造を最適化し検索エンジンのシステムが評価しやすくする
以上の3種類の施策を実施した総合的な評価が競合を上回っていれば、検索で上位に表示される仕組みです。
なお、オウンドメディア運用においてはコンテンツSEOが最も大きな影響を与えるため、基本的には多くのリソースをそこに割くことになります。
オウンドメディアの費用対効果はどれくらい?
オウンドメディア立ち上げにあたり費用対効果が気になる人も多いのではないでしょうか。
費用対効果は、運用目的によって計算方法が異なるため、以下を参考に事前に算出してみましょう。
リード獲得
費用対効果(ROI)=(リード単価 – 運用費用総額) /運用費用総額 * 100
商品販売
費用対効果(ROI)=(オウンドメディア経由の商品販売で得た収益額 – 運用費用総額) /運用費用総額 * 100
人材採用
人広告費や人材紹介費といった採用コストをどれだけ下げられたかどうか
以上のような方法で費用対効果を求めることができます。
なお、オウンドメディアの費用対効果について詳しく知りたい方は、「オウンドメディアの費用対効果|考え方や計算方法・効果を高めるコツまで」を参考にしてください。
noteでもオウンドメディアを立ち上げられる?
結論、noteを使ってもオウンドメディアを立ち上げられます。
noteとは、記事更新型のメディアプラットフォーム。月間ユーザー数は4,000万人以上です。
アカウントを登録するだけで、記事の作成・更新ができるため手軽に始められるオウンドメディアだと言えるでしょう。また、note自体がある程度SEOに強いため、質の高いコンテンツさえ作成できれば初めから検索上位を狙うことができます。
ただし、あくまでnote上での運用となるため、自由度高く施策が実施できないのが難点です。
なお、noteを用いたオウンドメディアの立ち上げについて詳しく知りたい方は、「noteはオウンドメディア化できる?メリット・デメリットを解説」を参考にしてください。
個人でWebメディアを立ち上げる方法は?
個人でWebメディアを立ち上げるなら、Wordpressなど無料のCMSを利用するのがおすすめです。
WordPressであれば、レンタルサーバーの利用登録をしてWordpressをCMSに設定しテーマを選べば、すぐにある程度の機能が揃った状態でWebメディアが始められます。
また、サーバーの構築はやや難易度が高いという場合には、先ほど紹介したnoteの利用がおすすめです。
アカウント登録だけでWebメディアを始められます。
- オウンドメディアを立ち上げたいがノウハウが全くない
- 戦略的にオウンドメディア運用をしたい
- 高い成果を創出したい
現在、上記のようなお困りごとがありましたら、オウンドメディア運用で圧倒的な成果を創出してきた我々『ULTRA』へご相談ください。徹底的に定量的な成果を追求し、戦略設計から施策の実行、インハウス化支援まで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。